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IT企業が発行する「情報誌」の作り方 完結編 | 発行後にするべきコト ー フィードバック(評価)と改善施策の実施
こんにちは。
ユニリタマガジン編集部です。
これまで4回にわたり、「IT企業が発行する『情報誌』の作り方 」と題してユニリタマガジン(以下:マガジン)の制作工程を紹介してきましたが、いよいよ完結となります。
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① 制作予算の確保
② 外注先の選定
③ 企画立案
④ 台割作成
⑤ 編集・校正&校閲・校了・下版
⑥ 発行後の作業
前回の記事では、「発行後の作業」のなかから
1. 社内への周知
2. 社外へのプロモーション
について紹介しました。まだ記事をお読みでない方は、こちらをご覧ください。
今回は、「発行後の作業」の最後の工程である「フィードバック(評価)と改善施策の実施」についてお話したいと思います。
ぜひ、最後までお付き合いください。
1番重要だけど、1番むずかしい…
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前回の記事のなかで、
手間暇かけて作成したマガジンを多くの方々に読んでいただき、社員にも積極的に活用してもらいたい。そのための取り組みは絶えず行っています。
結果がすぐに現れないことも多いですが、小さな1歩を積み重ねて継続的に努力を重ねていくことが大切だと考えています。
とお伝えしていました。
まさにこの努力の核になるのが「フィードバック(評価)と改善施策の実施」です。マガジンを制作する工程のなかで1番重要かつ1番むずかしいプロセスと考えています。
フィードバック(評価)と改善施策の実施とはどのような作業でしょうか?編集部では以下の3つのプロセスに分けています。
1. 発行したマガジンの評価
2. 評価の分析
3. 改善施策の検討と実施
それではそれぞれのプロセスについて見ていきましょう。
1. 発行したマガジンの評価
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発行したマガジンを正しく評価することはその後の改善につながる重要な作業です。この作業は、一見単純なようでいて、実は多くの複雑な要素が絡み合っています。
現在、ユニリタでは、マガジンをeBook、PDF、印刷物の3つの異なる形式で提供し、多様なニーズに対応しています。これらの媒体ごとに、評価データを集め、分析する必要があります。しかし、各媒体の集計方法や数値の単位が異なるため、この作業は複雑で時間を要するものとなっています。
・デジタルメディアの評価:eBookとPDFの異なるアプローチ
eBookとPDFの場合、デジタルメディアという特長を活かしアクセスログなどからトラッキングツールを利用して、読者の行動や興味の傾向を詳細に分析することが可能です。特にeBookに関しては各ページの閲覧数、滞在時間、ページ線遷移、ヒートマップなど、具体的な指標を通じて、読者の関心度やコンテンツのパフォーマンスを把握することができます。
しかし、PDFに関しては閲覧数やダウンロード数、文書内のリンクのクリック数など基本的な指標しかわかりません。
eBookのように詳細なユーザー行動を追跡することができないため、PDFの評価データはeBookに比べて表面的なものになってしまい、評価に差が生じてしまうことになります。
・印刷物の評価の難しさ
印刷物に関しては、デジタルメディアのように直接的な読者の行動を追跡することはできません。そのため、読者からの直接的なフィードバックや、配布数、アンケート結果などを基に評価を行う必要があります。
しかし、現状では読者アンケートの実施など、読者からの直接的なフィードバックを得ることは非常に困難です。過去にはマガジン内に読者アンケートのご協力を掲載したこともありましたが、正直な話、1年間で1件も回答はありませんでした。
無料で配布している情報誌としては、当然の結果なのかなと考えてます。
・アンケートによる情報収集
このように、複数のメディアで提供しているため、評価に差が生じてしまうことになりますが、幸いなことに、ユニリタでは社員がお客様に直接マガジンを紹介するケースが多いため、マガジンの発行ごとに社内アンケート実施し、読者の声やお客様にマガジンを説明する利用者としての声を集めています。
記事の内容や、説明のしやすさ、お客様の反応、取り上げてほしいテーマ、改善要求など、フランクな声を集めています。
この回答は、今後のマガジン記事のテーマ企画の指針となったり、改善要求を実際に紙面に反映しています。
ちょっと脱線…
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ちょっとだけ話が脱線しますが、マガジンをeBook、PDF、印刷物という3つの媒体で提供している経緯についてお話しましょう。
マガジンは、元々印刷物がメインの媒体でした。WebサイトにPDFをアップしていましたがそれほどダウンロード数は多くありませんでした。
それが変わった大きな要因は新型コロナウイルスでした。外出自粛が始まり、お客様への訪問が困難になったことから、印刷物の提供を一時中断しました。
この期間はPDFだけで展開していたのですが、やはり評価がわからない。
紙媒体であれば、在庫が減っていくのである程度のリーチ数を推測することができます。
しかし、ユニリタの社員がWeb会議でPDFを使用してお客様に説明したり、メールに添付して送信するなど、新たな利用方法が増えたため、ログが残らず、その実態が全くわからなくなってしまいました。
このような状況に対処するため、アクセス実績を追跡できるeBookを導入することにしました。
その後2022年の年頭から徐々に印刷を再開しました。
今から1年ほど前に、アンケートで3つの媒体の利用頻度を聞いたことがあります。その結果、1位はPDFでした。eBookも5%ほどの差で2位だったのですが、編集部としてはeBookを推していたのでこの結果には愕然としました。
当時はまだ新型コロナウイルスの影響が色濃く残っていたので、印刷物の利用は少なかったという結果になっていました。
実は次回のアンケートでは1年ぶりに媒体の利用頻度を聞いてみる予定です。
現在の状況は1年前とは異なっていると思いますので、どんな結果が出るかとても楽しみです。
結果に合わせて、改善策、対応策を検討していきたいと思います!
2.評価の分析
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このようにアンケートやアクセスログなどから収集したデータを分析し、いかにマガジンに反映し改善につなげるかが重要です。
編集部では、企画会議のなかでこれらの情報を分析し、読者と利用者(社員)のニーズに応えるための具体的な改善施策やテーマの選定に役立てています。
さらに、アクセス数やダウンロード数などの定量的なデータを活用することで、マガジンのメディアとしてのポテンシャルを評価し、改善のための具体的な課題を特定します。これらのデータは、マガジンの価値を高めるための戦略的な施策を策定する際の重要な基盤となります。
・マガジン企画への反映
編集部では、定期的に開催される企画会議でこれらのデータを活用し企画に反映しています。これは読者と利用者(社員)のニーズに応えるための具体的な改善施策やテーマの選定に必要不可欠となっています。
例えば、取り上げてほしいITのテーマや、紙面のレイアウトでの改善点など、関心が高いテーマの洗い出しや、コンテンツの説明方法の調整など、フィードバックに基づいた意思決定をするよう心がけています。
・マネジメントへの報告
さらに、分析結果はレポートにまとめられ、マネジメント層への報告として提出されます。この報告は編集長の重要な役割の1つであり、マガジンのアクセス数の推移や、各施策の実績を伝え、マガジンのメディアとしての実績を報告しています。
・マガジンの評価
アクセス数やダウンロード数などの定量的なデータを活用することで、マガジンのメディアとしてのポテンシャルを評価し、改善のための具体的な課題を特定します。これらのデータは、マガジンの価値を高めるための戦略的な施策を策定する際の重要な基盤となります。
3.改善施策の実施
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マガジンは、読者や社員のフィードバックとデータ分析の結果を基に、常に進化しつづける必要があります。改善施策の実施は、マガジンの質を向上させ、より価値あるコンテンツを提供するための継続的な取り組みです。その具体的な施策をお伝えしていきましょう。
・コンテンツの質の向上
読者の関心が高いトピックをテーマとして選定し、専門的な知識や最新の情報を提供しつつ、わかりやすい記事を提供することで、コンテンツの質を高めます。
また、デザインやレイアウトを定期的に見直し、更新することでデザインの鮮度を保ち、読者にマンネリ感を与えないよう努めています。そのうえで、情報の読みやすさと理解しやすさを最優先に考え、レイアウトを工夫しています。特に重要な情報は、図版やグラフィックを用いて視覚的に際立たせることで、読者の注意を引きつけるよう心がけています。
・アクセス数増加のための施策
アクセス数はオンラインコンテンツの成功を測る重要な指標の1つですマガジンでは、アクセス数を増やすために、前回の記事でもお伝えしたSNSの活用やメールマガジン、メール署名やWeb会議背景画像の提供など、さまざまな活動をしています。
詳しくは前回の記事「IT企業が発行する「情報誌」の作り方 その4 」の「2. 社外へのプロモーション」をご覧ください。
これらの活動の実績としてアクセス数を集計し、その改善につなげています。
・社内利用の促進
ユニリタでは、マガジンのコンテンツ再活用を通じて、より大きな付加価値を提供するよう心がけています。
マガジンに記載されている図版や特定のページを切り出し、営業資料やプレゼンテーション資料の素材として活用することを推奨し、そのための加工や修正依頼には積極的に対応しています。
まとめ
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今回の完結編では、マガジン発行後の重要な工程である「フィードバック(評価)と改善施策の実施」に焦点を当て、読者と社員からの声を大切にし、それをマガジンの質・成果・価値の向上に活かすための施策をお伝えしました。
また、今回の全5回の連載を通じて、マガジン制作の各工程の作業内容をお伝えすることができたかなと思っています。
今回の記事はその執筆を通じて、自らの業務とその価値と重要性を再認識できました。
「ユニリタマガジン」はこれからも時代と共に進化し続ける必要があり、私たちはその変化に柔軟に対応し、常に読者の期待を超えるよう努めていきます。これからも、質の高いコンテンツを提供し続けるために、制作の業務に熱意を持ってのぞみたいと思います。
そして、今回の記事がお読みいただいた方々に、何かしらのヒントになればうれしいです。
最後になりましたが、来年の4月の新期に向け、ユニリタマガジンのリニューアルを検討しています。見た目が大幅に変わるか未定ですが、より読みやすく、理解しやすいコンテンツの提供を目指していきます。
これからもnoteを通じてマガジンの紹介を続けていきますので、今後もユニリタとユニリタマガジンをよろしくお願いします。
ユニリタマガジンはこちらの本棚からご覧ください!
前回までの記事はこちら
●IT企業が発行する「情報誌」の作り方 制作の舞台裏、お話しします!!
●IT企業が発行する「情報誌」の作り方 その2 | 編集部の奮闘と挑戦:制作工程編
●IT企業が発行する「情報誌」の作り方 その3 | 制作工程編 台割作成・編集・校正・下版
●IT企業が発行する「情報誌」の作り方 その4 | 発行後にするべきコト