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Were Wolf BBS 短編集

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人狼BBS2次?創作短編集
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記事一覧

Were Wolf BBS ShortStory_波の行く先

 あの村を最後に訪れたのは、どれぐらい前だっただろう。  おそらく私が生きている限り二度…

うにら
3年前
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Were Wolf BBS ShortStory _約束の海

 彼がやって来たのは冷たい海からだった。  それは嵐が過ぎた後の風の強い春の日で、空には…

うにら
3年前

Were Wolf BBS ShortStory _満ち潮の夜

 蒼い月が光る夜だった。 「お願いです、やめて下さい!」  村の高台にある一本の木に吊り下…

うにら
3年前
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Were Wolf BBS ShortStory _夜の彷徨

「今日はいい闇夜だね」  真夜中。良く晴れた空。風のない新月の夜。  アタシは自分が営む宿…

うにら
3年前
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Were Wolf BBS ShortStory _かしこいこども

 月も星も見えない真っ暗な闇夜。  私はそんな夜が大好きだ。  行商人に化けてこの村にやっ…

うにら
3年前

Were Wolf BBS ShortStory _狼と雨のワルツ または人狼BBS役職紹介に代えて

人狼BBSとはなんぞや ー基本知識と人物紹介ー  雨音が強くなりましたね。今日は一日中こん…

うにら
3年前
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Were Wolf BBS ShortStory_Fanatiker

「今日の処刑は、ジムゾン、お前だ」  村長の声が私の耳にやけに響いたような気がした。  今日の時点で村人は八人……村のパン屋オットー、その弟のペーター、農夫のヤコブ、村長のヴァルター、どこからかやってきたならず者のディーター、羊飼いのカタリナにその友人のパメラ。そして、私。  今朝は人狼に襲われた者が何故かいなかった。村人は襲撃がなかったことに安心していて、流れとしては人狼を滅ぼせそうな雰囲気が漂っている。 「今日はジムゾンを吊ってもまだ村人たちは勝てるのか?」  ディーター

Were Wolf BBS ShortStory_Nachtmahr

前の話 Fanatiker  月の光が俺の前に長い影を落とした。  金属を含んだような甘い香りの中…

うにら
4年前

Were Wolf BBS ShortStory_Bruder

最初の話 Fanatiker 前の話  Nachtmahr 「オットー、パンをもらえるかい?」  毎日変わら…

うにら
4年前
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Were Wolf BBS ShortStory _私もうじきダメになる

 月曜日。  自分の右手が窓ガラスを割ったその音で我に返る。  ガラスの破片で切った傷口か…

うにら
4年前

Were Wolf BBS ShortStory_Ronde

 こんにちは……旅の方ですか?  すっかり寒くなりましたね。  ああ、宿を探しにいらしたの…

うにら
4年前

Were Wolf BBS ShortStory _Infektion

「痛っ!」  穀物庫に出た鼠を退治しようとしたら指を噛まれた。  向こうも生きるために必死…

うにら
4年前

Were Wolf BBS ShortStory _うそつき

「ねえ、神父様はどうして神父様になろうと思ったの?」  教会の一室でジムゾンに読み書きを…

うにら
4年前

Were Wolf BBS ShortStory _Masquerade

 惨劇が始まる……。  私の心の中で静かに胸に響く言葉。今日の処刑が終わればここに村があったことも忘れ去られるだろう。  トクン、トクン……と鼓動が高まり、緊張で手や足が震えそうになるのを私は必死にこらえる。顔を上げると簡素な作りの処刑台が目に入った。その前にはキッと月を睨むディーターの姿。  私はディーターの命を犠牲に村を滅ぼそうとしているのだ。  この村に残った最後の人狼として……。 「恐らくディーターが最後の人狼だろう」  昨夜人狼の疑いがあった村長のヴァルターを処刑