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どうかPurunekoと発音して下さい。

無学なりに読書が趣味なのだが毎日が虚無すぎて、10代の頃の様に心が震える程の読書体験というものも年齢を重ねる毎に得られなくなり、このままでは心が枯渇してしまうと藁にも縋る思いで昨今話題のAIにオススメの本を探して貰った。

まるで性格判断の様なチャートを選択して辿りついたのは

芥川龍之介 「河童」

この本なら既にそれぞれ全集やら文庫やらで形は違えど本棚に5冊鎮座している。

探してたものは既にあった。なんて美談で終われば人生は簡単だけれども。

 こっちは新たな出会いを求めてるんだよ役立たずめ。と苛立ちを覚える。

ちなみに芥川龍之介なら集英社文庫の「河童」が好きだ。

収録作品の選定が良い。ありし日の芥川の写真も豊富。
年に何度かは読み返す位には好きだし自分に取ってぴったりの本だ。

これが解るとはやはり、AI恐るべし。

しかし。先日AI技術で偉人の写真を動かすというショートをYouTubeで観たけれど、笑った龍之介の歯並びが良すぎたのは……まだまだだなって思えて謎の優越感を得る事ができた。

数々の写真に写る、キュッと結ばれた、まるで昨今のアイドルの様なアヒル口を彷彿とさせる口元は実は歯並びを気にしてるっていう乙女な理由なんだ。

さておき、久しぶりに読み返してみた集英社文庫の「河童」
その中でも「或阿呆の一生」が今凄く、心を揺さぶられる。

「おれはこの女を愛しているのだろうか」

……………

「おれは未だに愛している」

自分もあの人を未だに愛している

墓場まで持っていくか、芥川のやり方で終止符を打つか。

今は龍之介の様に真一文字に口を噤むんで誰にも言わないでおく。

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