ばば様の一人語り(素人が演奏会に行く7)
1月19日
誕生日があり、演奏会があり嬉し楽しの1月ツアー
最終日がやってきた。
海が見える方面から行こうか・・桜木町回りである。
日本丸を見て・・次々に横浜のランドマークと言えるビル群を
見ながら会場に着く。
みなとみらいホールは2000人を収容することのできる
会場である。
ピアノソロで曲の細かいひだに伝えるには
少しばかり広すぎるかもしれない。
そういう懸念はピアニスト・調律師ともに持ったらしく
それは丁寧に調律し、演奏したと思われるのだ。
アンダンテ・スピアナートは絹の織物の如く柔らかく出だし。
華麗なる大ポロネーズは華麗に響き渡る。力こもってるな〜。
音がではなく気持ちがこもってる。
今日は最終日だいつもと違うぞという雰囲気がなんとなく伝わる。
聞く方もしっかりせねばである。
バラード4曲・その4曲の違いがはっきりと見えてきた。
それぞれの曲がくっきりと浮かび上がる。
素人の私にもはっきりと見えてきた・まあ遅いのだけども。
本日の席は前から5番目・真ん中あたり・
ピアニストを真横から見ていられる場所である。
12歳の智大・17歳の智大・25歳のtomoharuが
表情に浮かび上がる。口を閉じたり、歯を食いしばったり。
指はもう縦横無尽に鍵盤を動き回る。
右手が弾く・右手を超えた左手が鍵盤を撫でる・・・
撫でるように見えるほど軽くやるのに音がちゃんと・
ほろりっとするような音がするのだ。
死ぬほどのピアニシモを合い言葉にしているピアニストと調律師。
今日ほど気があったことはないかも。技術の向上もあったろう。
しかし、1月ツアーの途中で他の調律師とピアノで弾いてきた彼は
これぞ自分の音を出せる調律と実感したのではなかろうか。
なんだか気迫のこもった演奏だと思いながら聞く。
演奏は続く。
シューベルトの1音1音に耳を傾けながら
つくづくこの音が好きだから聴きにきてるんだよな〜っと思う。
シューベルトが終われば・・
ピアニストが手を下ろして立ち上がりかけてようやく拍手をする。
余韻を壊したくないから。
茂原に続いて立ち上がった。拍手した。もう手が痛い痛い。
興奮冷めやらぬ中。アンコールである。
本日はショパンのノクターンとシューマンのソナタより。
10−1もトロイメライもなかったけど、そんなこと微塵も思わない。
ここまで美しい曲だったのかと再認識させられた。
そうして彼のピアノは歌うといつも思っているのだけど、
ほんとに踊らされた。手が動きそうになる、
足もステップ踏みそうになる、
動きたくなる自分を抑えるのに必死であった。
そりゃこれだけのものを楽しませて頂いても直接には
お礼が言えないからせめて態度で現しましょう。
立って拍手をしてきちんと感謝を伝える。
ありがとうピアニストtomoharu
ありがとう調律師佐々木氏
おかげさまで寿命が延びました。