ばば様の一人語り(素人が演奏会に行く)
私には絶対音感はない。
人よりいい耳も持たない。
歳をとって聞こえも悪くなっている。
しかし自分にとって心地よい音楽を聴くのは好きである。
どんなに有名でもコンクールで優勝しても
聞きたくない音、音楽は聞かない。
それは素人だからできること。
もちろん新しい人を開拓することは忘れないが
なかなかお目に・・お耳にかからぬ。
今、私が通うのはtomoharuの演奏会である。
都内・近郊のものは逃さない。
時には他の用事をつくって京都・青森などへ
行ったが例外である。
今年、tomoharu演奏会は1月から大忙しである。
いつもなら3月なのに今年は1月から始まった。
しかも私が行ける場所が四箇所もあるのだ。
300数十名しか入らぬ会場、2000名の会場・・
千葉・神奈川と巡ることになる。
1月4日
まだお正月気分も覚めやらぬ日・千葉県茂原に向かった。
急行に乗れば東京駅からは1時間かからずに行ける。
窓の外は快晴で日差しは暑いほどであった。
会場は300人あまりの席・こじんまりとしている。
席は後ろに誰もいない端っこである。
端っこだけど狭いのであまり舞台と遠い感じがしない。
後で本人が語ったところによると初めてのプログラム
緊張したそうである。
なるほど、音は良いが彼がこんなふうに少しだけだが
戸惑いのあるのはあまり聞いたことがない。
普通の人ならこれくらいだろうが
いつもの彼ならもっと滑らかに弾くだろう
と言う箇所があった。
まあそれも曲が進むにつれ目立たなくなり、
シューベルトのソナタなどは
リーズの演奏をとっくに通り越した演奏になっている。
思わず、妹と立ち上がって大拍手をした。
アンコールのトロイメライは青年の音楽
あの可愛い頃の面影はあれど大人になったピアニストの音。
ピアニストも聴衆も程よくクールダウンする音楽。
同じくアンコールのショパンのノクターン
トリルの音が非常に美しくコロコロコロリと
転がっていったのでした。