バーンスタイン指揮 シカゴ交響楽団によるショスタコーヴィチ:交響曲第1番・第7番《レニングラード》
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最高の名演!
Shostakovich:①Symphony No.1 in F minor op.10 ②Symphony No.7 in C major op.60 “Leningrad”
Chicago Symphony Orchestra / Leonard Bernstein
1988.6 Chicago Orchestra Hall〈Live〉
Deutsche Grammophon 00289 479 5553 “-THE- LEONARD BERNSTEIN COLLECTION VOLUME TWO” 64CDs+Bonus CD
かつて『予備知識なしでショスタコーヴィチの交響曲を聴く』という記事を書いて下さっている方へのコメントで『ショスタコーヴィチの①交響曲第1番 へ短調 作品10 はさほどの思い込みがないので推薦盤は挙げられないが、②交響曲第7番 ハ長調 作品60《レニングラード》はバーンスタイン盤に尽きる』と書き込んだことがありました。その時ワタシはバーンスタイン盤を聴いてだいぶ経っていたので記憶に頼って書き込んだのですが、そうしたCDのレヴューをしないのも何ですので、先日じっくり聴きました。ちょうど良いことにその方が聴いたのも2曲とも同一音源でした。ただその方はサブスクリプション音源でワタシは普通のCDという違いだけありましたが。
それではその際ノートに書いたレヴューをどうぞ。
「バーンスタイン晩年のライヴ録音だが、彼がシカゴ交響楽団を振ったのは実に37年振りだったという。この録音は1988年におこなわれているので、前回は1951年ということになる。その時はライナー治下になるが、この録音が成された1988年はショルティ治下になる。そのショルティが鍛えたオーケストラをバーンスタインが自由自在に操っており、あたかも長年コンビを組んでいたような演奏を聴くことが出来る。
両曲ともテンポが遅いのは晩年のバーンスタインの特徴だがその分スケールが大きくなっている。そうした彼の指揮の特徴が曲とジャストフィットしたのが②の方で、遅めのテンポで繰り広げられる雄大なスケールの《レニングラード》交響曲はまたとない。この点に関しては本場ソ連/ロシアのオーケストラを振ったコンドラシン(Aulos)やスヴェトラーノフ(ZYX)、ロジェストヴェンスキー(Melodiya)、テミルカーノフ(RCA)、アシュケナージ(London)も敵わないだろう。それだけこの曲の演奏には計り知れない程のパワーがあり、それが無類の説得力を生んでいると言って良い。
①はその遅いテンポが若干裏目に出た印象がないでもないが、それでも『管弦楽のための協奏曲』とも言われることのあるショスタコーヴィチの才気煥発溢れるデヴュー作をシカゴ交響楽団の各メンバーの力量で押し切っているということで決して悪い演奏ではなく、これだけならば②には及ばないないにせよ、この曲の評価を改めさせることの出来たのは大きな収穫だった。
しかしこのコンビに他の正規録音が残っていないのが残念である。何と言っても音楽監督のショルティが名だたる曲を録音してしまったからで、①はロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(Decca)との録音であり、②は録音していなかったからバーンスタインが録音出来たのだろうが、ショルティがこのオーケストラと録音しなかったショスタコーヴィチの交響曲では第4番や第11番《1905年》などが想定されるが両曲ともバーンスタインのレパートリーにはなかったし、ショルティがウィーン・フィルと録音した第5番でも良かったのかも知れないと思わせた。 2025年2月8日(①)&9日(②) 、評価:★★★★(①)、★★★★☆(②)」
以上が当CDのレヴューとなりますが、いかがでしたでしょうか。
本当はショスタコーヴィチの交響曲第14番のレニングラード初演ライヴのCDをレヴューしたいのですがどうしても見つかりません。世界初録音のCDは見つかったのですが(ともにVenezia)。
つい最近レヴューしたばかりですなのでこれ以上付け加えることはありません。ただジャケットの画像は『-ザ-・レナード・バーンスタイン・コレクション第2集』当64枚組+ボーナスCDセットというバーンスタインのUniversal音源を集成したセットの中のオリジナルジャケットを使わせて貰いました。
ここまで読んで下さってありがとうございます。
お目汚しして失礼しました。