飯森指揮 山形交響楽団のブルックナー交響曲第5番
ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調(原典版)
飯森範親指揮 山形交響楽団
2009年1月20日-21日 山形テルサ〈セッション〉
YSO live OVCX00048
さて、ワタシこと山形のまぁちゃんの記念すべき最初のCDレヴューはワタシのプロフィールアイコンやヘッダー画像にもそのジャケットの写真を使わせてもらっているこのCDにしたいと思います。というのは、ワタシが所有している何千枚あるかわからないCDの中でも一番きれいなジャケットと言っても過言ではないからです(当然それだけではありませんが)。この樹氷が見える蔵王山の朝焼けの素晴らしさは息を飲むほどで、事実このCDの帯には「樹氷に響く天空のコラール」というコビーが書かれているのですね。
さて昨年の2024年に生誕200年の記念の年を迎えたオーストリアの作曲家ブルックナーはワタシの最も大好きな作曲家の一人です。何しろ持っているCDの量がハンパではありません。ミサ曲やテ・デウムのような宗教声楽曲もそれなりに聴きますが、やっぱりブルックナーと言ったら交響曲ですよね。交響曲全集だけでも何種類あるか把握し切れていないし、交響曲第8番に至ってはその全集分も含めると軽く100枚を超えるはずで、これはワタシが所有している同曲異盤の中でも一番多い数になっているはずです。そして現在はパソコンのExcelを使って自分が所有しているブルックナーの交響曲の音源の一覧表を作ったほどです。まだまだ未完成のレヴュー集ですが、ブルックナーの交響曲のレヴューをする時はこのレヴュー集から転載出来ればと考えているところです。以下はそのレヴューです。
「2007年1月の第4番《ロマンティッシュ》以来、2年経っての飯森指揮山形交響楽団によるブルックナー:交響曲録音シリーズとなった第5番は“YSO live”とあるにも関わらず(なぜか)セッション収録である。帯に《〈YSO live4〉樹氷に響く天空のコラール》というキャッチコピーがあるが、これは直前の演奏会のポスターにもあったと記憶している。実はこのセッションの2日前、1月18日のコンサートのチケットを予約で購入していたにも関わらず、当日は体調不良のため行けなかったのである(¥4,500がパーになってしまった…)。
このCDの出来からすると演奏会はさぞかし凄かっのだろうと思わせるほどにこの演奏は良い。2年前の第4番《ロマンティッシュ》で聴かれたような音楽上の頼りなさは微塵も感じられない。自信にあふれた演奏であり、どこをとっても音楽が曖昧に鳴ったりするところがない。日本の、しかも基本2管編成10型の一地方オーケストラがこれほど充実したブルックナーを聴かせるとは正直予想もしていなかった。編成が少ないための弱点と思わせる音の薄さも殆ど感じられず、それどころか各楽器の音がくっきりと聴こえるのはこの編成ならではだろう。第4楽章フィナーレのクライマックスも金管のコラールが圧倒的であり、充分以上に満足させてくれる。これは日本のみならず世界に誇ることのブルックナー演奏なのではないかと思われるほどだった。
なお、当CDに使われた朝焼けの蔵王の樹氷の写真は現在所有している何千枚あるのか見当も付かないCDの中でも文句なしにベストワンと言えるジャケット写真であることを申し添えておく。
2013年5月4日 評価:★★★★☆」
以上が当CDを始めて聴いた時のレヴュー全文です。日付けを見て驚きましたが、もう10年以上前のことだったんですね。
今このレヴューを転載しながら10数年振りに聴き返していますが、その感想はいささかも変わるものではありませんでした。ブルックナーの交響曲第5番でこれほど高い評価をしたのはクレンペラー指揮 ウィーン・フィルの1968年ライヴ(Testament)、カラヤン指揮 ベルリン・フィル(DG)、チェリビダッケ指揮 ミュンヘン・フィルの1986年来日公演ライヴ(Altus)、ヴァント指揮 ベルリン・フィル(RCA)などと同じだけの高評価にしているのです。その点はかつてわが国のブルックナー演奏の第一人者と言われた朝比奈の複数あるCD以上の評価なのです。ちなみにこの曲で10点満点なのはチェリビダッケ指揮 ミュンヘン・フィルの1993年ライヴ(EMI)しかなかったことからもいかにワタシがこのCDを高く評価しているかがわかっていただけるのではないでしょうか。正に山形の誇りと言っても良いでしょう。ただ、このコンビのブルックナー交響曲のCDはすでに第2番、第8番、第9番以外はリリースされていますが、すべてが当CDのレベルに達していなかったのが残念といえば残念です。それらは追々レヴューしていくでしょう。
最後にレヴュー本文でも言及したコンサートの欠席についてです。ワタシはその少し前に風邪をひき、当日までは熱は下がりましたが、まだ咳が治まらない状態でした。いくらマスクをしていてもコンサートの最中に咳をしたのでは興醒めになりかねず、他の方々への迷惑にもなりますので断念した次第でした。本当にもったいないことをしたなと今でも悔やんでいるのです。
長文お目汚しして失礼しました。