二重保険の闇
タイトル:二重保険の闇
ティファ「兄です。間違いありません…うう」
自宅が不慮の火事に見舞われ、
ティファの兄・ランディが亡くなった。
ロバート刑事「大丈夫ですか?」
ティファ「うう…ううう」
妹であるティファ、彼女は悲しみに暮れていた。
ロバート刑事が付き添い、彼女を宥めていた。
ステファン刑事「保険金、か」
ロバート刑事「何か?」
ステファン刑事「あの兄が死んだ事で、彼女のもとにこれだけの保険金が転がり込む…」
ロバート刑事「…」
ステファン刑事「念のため、そっちも洗ってみる必要があるか」
保険金を得るための偽装殺人?
これをステファン刑事は疑い、上司に話を通した後、
極秘ながら正式に捜査してみることになった。
(数日後)
それからわずか数日後。
少し有力な手がかりが得られた。
ロバート刑事「恋人?」
ステファン刑事「ああ。最近ちょくちょく会ってたそうだ」
ティファに恋人が居た事が分かり、
その恋人とティファの間柄は他人には良く知れない、
秘密のようなものがあった。
ロバート刑事「…まさか彼と協働して、彼女が保険金を得るために実の兄を…」
ステファン刑事「その可能性が十分にある事を、この調書が物語ってる。行くぞ」
(ティファの自宅)
ティファ「冗談じゃありません!なんで私がそんなことを!」
ステファン刑事「こんな時にすみません。どうかお気を悪くなされずに」
ステファン刑事「ですがあなたが最近お付き合いして居たミルズは今、どこかに雲隠れしてるとか」
ティファ「ミルズって…。昔の恋人でしょう?最近はもう別れて会ってませんよ!」
ロバート刑事「でも最近あなたとミルズが会ってるのを目撃した人も居るんです」
ティファ「だ、誰ですかそれは!その人をここに連れて来てください!」
ステファン刑事「まぁどうか落ち着いて。ミルズの存在はもう既に我々の方で確認しております。あなたが彼と会って居た事も」
ステファン刑事「隠すと為になりませんよ。どうか素直に事情をお話しください」
ティファとミルズは
確かに密会するように会って居た。
でもそれはミルズが未練をもとに
後追いするような形で彼女の前に現れただけで、
彼女は改めて自分の気持ちを彼に伝えて居た。
「もう2度と会わない」と。
ティファ「…これで満足されたかしら」
ステファン刑事「本当の事をお話し頂き有難うございます」
ティファ「いえ…」
ステファン刑事「でもなんでその事を隠されて居たんです?」
ティファ「え?」
ステファン刑事「この状況でそんな隠され方をすると、こちらとしても少し妙な気持ちになってしまいます」
ティファ「ま、まさかその事で私を…!?」
ロバート刑事「いえいえそんな事は」
ステファン刑事「ふう、まぁ良いです。その内またお話を伺いに来るかもしれません。その時はどうぞよろしく」
(帰り道)
ロバート刑事「でもなぜです?どうして彼女がそんなに疑わしいと?」
ステファン刑事「ん?」
ロバート刑事「確かにこの手の事件には、詐欺の疑いが付きまとうものですが、それにしてもこれ迄の警察の調べでは…」
ステファン刑事「疑わしきは無かったか?」
ロバート刑事「ええ」
ステファン刑事「やはりあの保険金だ」
ロバート刑事「…金、ですか」
ステファン刑事「彼女がミルズと再び会い始めたのがちょうど1年と半月前。兄が保険に入ったのもその時期だ」
ロバート刑事「…ええ、それは確認しました」
ステファン刑事「時期的にもピッタリだとは思わんか?それになんで昔の恋人と会い始めたんだ急に?」
ロバート刑事「でもそれは自然の成り行きの状況証拠にしか過ぎず、…我々の勝手な憶測かもしれません」
ステファン刑事「にしてもだ。どうも納得できない点があればそこを追求する、それが我々の使命だろう?」
ロバート刑事「…(だからって何でも疑って掛かればその分、無い問題まで作り上げてしまうことも…)」
(数日後)
それから数日後。また少し展開があった。
ロバート刑事「ほんとですか?」
ステファン刑事「ああ、ミルズのヤサが割れた。彼はまた彼女と会ってたそうだ」
ステファン刑事「ちょうどミルズからも話を聞かなきゃならないところだ。やっとヤツの所在がつかめた。行くぞ」
ロバート刑事「分かりました!捜索隊にもすぐに連絡を」
警察はミルズの所在をずっと追っていた。
ミルズはあれからやはり雲隠れしたまま、
ずっと表舞台には出なかったのだ。
これをさらに怪しいと突き止めたステファン刑事は
ここぞとばかりに彼の行方を追う。しかし…
ステファン刑事「逃げられたか…」
ロバート刑事「どうやらそのようですね…」
行くともうミルズは居なかった。
ステファン刑事「でもなぜだ。極秘で捜査していたのに」
(数日後)
ミルズの墓前にて。
ロバート刑事「…我が友よ。安らかに眠れ」
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