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DVD

タイトル:DVD

俺はこう見えてドラマや映画が大好きだ。
そんなある日、DVD屋さんに行った。

「何か面白いものあるかなぁ〜」
そうして探していた時、驚く光景を見た。
「なにこれ?めっちゃ長いじゃん!」

シリーズものだとは思ったが、
そのシリーズ物のDVDが1から順に番号が打たれ、
ずらーーーーっと店の奥の方まで続いてる。

実はこのDVD屋さん、少し前に見つけたばかりで、
通うようになった理由はそこが大きかったから。
デパート位の大きさがあると言っても過言じゃないほど
まれに見る程かなりデカいお店。

だから1つのフロアがかなり大きく広く、
そのフロアの向こうの方までその棚は続き、果てが見えないほど。
そこにずっと1から順に、そのDVDが敷き詰められていたのだ。

「一体どんな内容なんだろう?」
と思い近づいて見ると、
「…え?どゆこと?」
そのDVDの背表紙になるラベルのところに
俺の名前が書いてある。

『佐竹信久〜人生のシリーズ』
よく見るとそう書いてあり、またよく見ると
棚のところに仕切りが設けられ、幼年期、少年期、
青年期などと、コーナーずつに分かれて置かれていた。

同姓同名の役者でも出ていたのか?
なんて思ったが、とりあえず思いつく有名人はいない。
不思議に思い、1番最初の作品を手に取り
それを持ち帰って家で見たところ、さらに驚いた。

「こ、これ俺じゃねえかよ!」
登場人物は俺。そして俺の関係者達。
いつどこでそんなの撮ったのなんか全くわからず、
とにかく懐かしい思い出とともに
その映像がビデオの中に敷き詰められ、
ことごとく懐かしい思い出たちが目の前で展開される。
掘り出し物のように、もう忘れていた数々の
懐かしい思い出たちがよみがえってくるのだ。

俺は夢中になった。
「…懐かしい…そうだこんなこともあったな…」
実際そんなこと言ってる場合でもなかったが
俺はこう見えてレトロ主義でもあり、
自分の思い出を振り返るタチだった。

だからそんなビデオ・DVDがあってくれる事自体が本当に嬉しく、
その嬉しさの方が勝ってしまい、
不思議以上のその信じられない現象に会ったことも
自分の中で自然に納得させられ、
とにかくそれを最後まで見てもう一度見直した。

また実は最近、面白い作品が見つからず、
少しでも夢中になれるものを探し回っていた。
その点でもちょうど良かった。

それから俺は毎日あのDVD屋へ借りに行き、
自分の人生をずっと振り返っている。
10本、20本ずつ借りても、到底追いつけないほど
まだまだあの棚は長い。DVDは無数ほどにあるのだ。

動画はこちら(^^♪
【怖い】【喫茶店で上映されてる映画の感覚☕】【ドラマ小説】【ショートホラー系~心理ストーリー】DVD #心理サスペンス #感動するお話 (youtube.com)

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