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絵の具

タイトル:絵の具

ある日、俺は大学の仲間と一緒に釣りに行った。
美術部のヤツが中に1人おり、
そいつは今度出す作品のモデルに魚を釣りたいと言い、一緒に来たヤツ。

男女まじって何人かで一緒に行ったが、みんな仲が良く、
それに久しぶりの海釣りだったので、みんなウキウキしていた。

でもその海で、ちょっと信じられない出来事に遭遇したのだ。

ボートを借りて沖まで行き、
そこでジャコを寄せ餌にして釣っていた。
結構、面白い程の感覚で魚がかかる。

「おーおー、今日は大漁だなぁ」
なんて言いながらみんな楽しく釣りをしていた。

そのとき一緒に来ていた岡野という1つ後輩の女子が
釣った魚を「キャッ!」と言った感じにボートの床に投げ捨てた。

「おいおい、何してんだよ?」
と聞くと岡野は、
「あ、あれ見て…なんか変なのよ」
とさっき投げ捨てたそれを見ると、真っ赤な何か。

よく見るとそれは魚ではなくカニで、
「…おい、これってもしかして…」
猛毒を持つスベスベマンジュウガニではないか…と言うことになった。

でもこのカニって磯にしか居なかったはず、
なんでこんな沖合に居るんだよ?
当然そんな疑問も上がり、
このカニは千葉県から沖縄県にまでかけ
だいたい磯釣りしていたり、
その辺りで遊んでいる時、
また潮干狩りの時に見つかったりするもんだと言う。
沖でこんなふうに竿の針にかかって釣れることなんてまず無い。

「不思議なこともあるもんだなぁ…」
なんて思っていたがもっと不思議なのは当然、
そのカニが真っ赤になっていたこと。
一瞬「血か!?」とも思ったがそうではなく…

「……これ、絵の具だ。赤色の絵の具…」
美術部のヤツがそう言って
それが絵の具だということがわかった。

ちょっと考えると、一瞬にして恐怖がわき上がる。
「……今海から釣れたのに、絵の具が付いてたのか…?」

それから後日。
俺たちが出かけたその海の界隈では、
その昔、そのカニを食べて亡くなった子供が居たと言う。
それも1人ではなく複数人。

「もしかしてその子たちが…」
絶対食べるなと言う警告だったのか。
それとも何かの恨みでそうなっていたのか。
よくわからないけど、その謎をずっと考え続けてても
コンガラがるだけだった。

そのカニはすぐ海に返し、とりあえずみんなの
記憶にだけはそのカニのことがとどまったのだ。
絶対にそのカニは食べない…そう覚え、
同時にあの子供たちのことを記憶に宿し、
「なぜあんなことが起きたのか?」
と言う疑問だけは、そのまま疑問としてとどまっていた。

動画はこちら(^^♪
【怖い】【喫茶店で上映されてる映画の感覚☕】【ドラマ小説】【ショートホラー系~心理ストーリー】絵の具 paints #心理サスペンス #人間ドラマ (youtube.com)


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