幽霊に怒られた取材人
タイトル:幽霊に怒られた取材人
ある廃屋の民家に、幽霊が出るとの噂があった。
そこはもう取り壊される寸前。
私はチームでYouTubeサイトを立ち上げており、
そのメンバー内から1人、その民家まで行き、
家周りと屋内の取材をする様にと頼まれた。
実はこれまで、似たようなスポットを巡り、
他のメンバーも同じように行ってきたのだ。
そしてやがて順番が私に回ってきた、って感じ。
でも女の子を1人行かせるなんてどういう了見?
ってのもあり、メンバー内の1人の男の人が
その民家の外で待ってくれているシチュエーションになってはいた。
でもやっぱり複数人で行くと雰囲気が出ないのでってことで、
私1人がとりあえず家の中へ行くことに。
まぁこれまで同じようなことをしてきて、
めったな事は起きなかった。
メンバー内の1人が家の中の出っ張りに蹴躓き、
ちょっと怪我をしたぐらい。
今回はちゃんとライトも持っていくし、
注意していけば大丈夫。
でも実際、家の中に入ってみるとよほどに怖い。
いくら外で待ってくれているとは言え、
民家の中と外の世界は壁1つ隔てた別世界。
ここで何かあったらどうしてくれるんだ!?
…みたいな焦りでワケわからなくなり、
怖さを紛らわすため、
私は途中から思いっきりハイテンションで実況していった。
これを動画に撮ってあとでYouTubeに挙げるのだ。
まぁそれなりに楽しくなって良いだろう、とも思い、
どんどんどんどんハイテンションで
リビングやキッチン、お風呂場、トイレなどへ行き、
それをライト1つの動画に撮って実況していく。
やたら声が大きかったと思う。
すると、ガタン!と音がして、
「え!?」と思って振り返ってみると、
そこに1人の女の人が立っていた。
「………」私はもう声が出ない。
その女の人は黙って立っている私に向かい、
女の幽霊「…あの、もうちょっと静かにしてもらえない?うるさすぎるので」
「え…?」
女の幽霊「…ったく何よこんな時間にいきなり人の家に入ってきて、わーわーわーわー怒鳴り散らして、はしゃいじゃってさ。どんな神経してんのよ…」
そう言ってぱっと消えた。
それから私は出てきて、妙に冷静。
ああ言われてちょっと恥ずかしかったのと、
どんな時でもやっぱり常識は持ってなきゃダメだなぁ、
なんてことを改めて教えられた気がした。
彼女の姿はもちろん動画には映らなかった。
動画はこちら(^^♪
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