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二重の家

タイトル:二重の家

ある日、ピラフを作ってた。
トイレに行って帰ってふと見ると、
「あれ?ピラフ作ってのに…マーボードーフになってる…?」

またある日。
リビングをふと見ると、子供が遊んでる?
お風呂場を覗くと誰かが入ってる?
いや水の音が聞こえた?
炊事場の前の窓の向こうから人影のようなものが見えた?
誰かの声が聞こえた?
新しい壁でさっきまで無かったのに、
いきなり傷跡がついてる。シミ跡がついてる?

部屋の中に、変な匂いが漂ってくる。
何もしてないのに漂ってくる。

キッチンのドアを閉めると、
2階の和室のドアの閉まる音も同時に聞こえる。

「なんなのよこれえ!」
私は1度、狂った。

でも現実に戻り、不動産屋に行ってみた。

不動産屋「そうですか。そんなことが。…いや、やっぱりあなたも見ましたか?なるほど(笑)」

変なことを言うなぁと思いながら
次に見せられた写真の中に…

不動産屋「ほら、ごらんなさい。あなたが今住んでる家とそっくりな家が、昔ここに建っていたんです」

写真を見た限り、そっくりかどうかはわからないけど
確かにこの家ではない別の家が建ってたのがわかる。

「……いや、あの、だから何なんですか?」

不動産屋「この家はね、実は戦後すぐに建てられたもので、戦時中の余波もあってか、不幸な出来事が続いたことがあったんですよ」

不動産屋「当時は職場と言ってもどこも激しくて、環境も今ほど良くなくてね。生活も苦しくて、そのくせ家族は多く、みんなここで、一家心中したことがあったんです」

不動産屋「もしあなたが見たのが本当なら、きっと彼らの姿を見たんじゃないでしょうか?彼らの生活して居たその姿を…?」

「…………はあ?なんなんですかそれ」

でもそれから数年後。
まだこの家に住んでた私は、
あの時彼が言ってた言葉・内容が、
そのまま、その通りなんじゃないかと
思い始める。
もうそれしか考える事が出来なくなった状態。
その状態がこの家にある。

今でも時々、音や姿が見える。
全部、幻想と空想の中での産物…だとは思うけど
これが事実と言えば私の中だけの事実となる。

誰に理解してくれとも願わない…願えない。
いやあの不動産屋だけはそれを知ってるんだろ。

私の言えば私の家だけど、
この家には私の家の空気に覆われた
もう1つの家がある。家庭がある。
他の人の家でももしかすると、
こんな現象(こと)があるんじゃなかろうか?

動画はこちら(^^♪
【ホラー】【喫茶店で上映されてる映画の感覚☕】【ドラマ小説】【本怖シリーズ♬~心理ストーリー】二重の家 Duplex House #心理ホラー #人間ドラマ


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