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ぼんやりとした恐怖

タイトル:ぼんやりとした恐怖

▼登場人物
●ドフラー:男性。45歳。恐喝殺人・窃盗の常習犯。
●ミラーズ:男性。43歳。真面目なサラリーマン。
●ブレンダ:女性。38歳。そこらへんに居るような一般女性。女医。

▼場所設定
●街中:アメリカのミシシッピ州のとある街。
●総合病院:一般的なイメージでOKです。

NAはドフラーでよろしくお願い致します。

ト書き〈恐喝〉

ドフラー「おら!早く金を出せ!」

ミラーズ「な、なにを!ふざけるな、誰がお前なんかに…!」

ドフラー「へっwここは人目の付かない通り。お前をやって、大人しくさせてから金を奪ったっていいんだぜ。こんなふうに…」

バアン!!(銃声)

ミラーズ「ぐはあっ!…グ…クソウ!」

バアン!!

やっちまった。しくった、って事だ。
まさかこいつも拳銃を隠し持ってたなんて。
俺はこいつの胸を撃って静かにさせたが、俺もこいつに足を撃たれてひどい重症だ。

ト書き〈逃避行〉

ドフラー「ハァハァ…クソウ、ホントうずきやがる!」

撃たれた所の痛みは益々激しくなり、もう居ても立っても居られなくなる程の苦痛を俺は味わっていた。

でも銃の傷は警察に通報されてしまうから、病院には行けない。
もし行くとしても、それなりに息のかかった場所じゃなきゃダメだ。
ここでも俺はミスをした。少し前まで、そういう場所を俺は持っていたが、そこはパクられて今は無い。

ドフラー「ハァハァ…」

どうしようかと迷いながら街中を徘徊するうちに
体のリミットの方がヤバくなってきて、俺はめまいを覚え、道端に倒れてしまった。

ブレンダ「ちょ、ちょっと大丈夫ですか!?」

その道端に倒れた俺を、帰りがけのOLの姉ちゃんが見つけてくれたらしく、
俺はそれから病院へ搬送される運びになったようだ。

ドフラー「ハァハァ…(クソ、これからどうしたものか…)」

そればかりを考え、この窮地を脱出する方法を思いつかねばならない。
俺は必ず警察に通報される。どこでどうしてそうなったのか、と事細く経過を訊かれる。

とりあえず人命を助けようと応急処置的に俺はここへ搬送されたようだが、
周りが俺の正体を知り、俺が本当の恐怖に打ち付けられるのはこれからだ。

看護師「…もう準備はできてる!?」

助手「はい、5分前に!」

看護師「一刻を争うわ!とにかく早く!」

俺は知らずうちに出血多量になっていたらしい。
周りで看護師たちが騒ぎ回り、ベッドに乗せた俺を右往左往しながらお決まりの場所へ連れて行く。

意識が朦朧としてきた。どうやら麻酔が効いてきたようだ。
こんな時、果たして麻酔と言うのはありがたい。
まるで死のように、眠りのように、こいつは何もかもを優しく包み込んでくれる。

とりあえず、目が覚めてからどうにかしてやろう…
そう思い、俺は寝てやることにした。

でも部屋に入って、眠りにつこうとした時…

ブレンダ「…麻酔、効いてきたかしら。これでやっと恨みを晴らせるわ。私はあなたが殺した、あのミラーズの妹なのよ。あなたは何日間かそんなことも忘れて、街中を彷徨っていた。探すの、ほんとに苦労したわ。眠りから覚めたら、あなたはここには居ない。別のどこかに居る事でしょう。そこで裁かれることを、私は祈り願っている…」

暗闇が俺を包むその直前に、俺の耳元で小さくそうささやいた看護師が居た。
俺は朦朧としたまま眠りにつく。もうそれしか出来ないからだ。

あまりの苦痛と焦りで、俺はどうやら別の次元を彷徨ってたようだ。
最後にしでかしたミス。犯罪に初めから完璧など無い。
その事も教えられつつ、俺はその最後の恐怖をぼんやり知って、この世を離れたようなのだ。

動画はこちら(^^♪
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