虫の庭(『夢時代』より)
タイトル:虫の庭(『夢時代』より)
俺は薄暗い部屋の中にいた。
この部屋はどうも細長いビルの中に入ってる?
そんな感じがした。
そしてその部屋を出ようとしたら、
出入口のちょうど真ん中に水槽がある。
水が張ってない水槽で、中には毒虫がたくさんいた。
敷き詰められるようにたくさん居り、
俺は何がどうでもそこから出たかった。
でも水槽に近づけない。
近づくと、その気配を知った虫たちの反応が怖い。
水槽に入ってるのにそこまでの恐怖を与えてきたのだ。
どうしよう、どうしようと思っていると
足元にいくつかの武器が用意されていた。
スカー銃、AMK銃、グレネード弾、他にも何個かあったが全部覚えてない。
そこで俺は何を思ったか、
グレネード弾タイプのいわゆる手榴弾を手に取り、
それを水槽めがけて投げつけた。
あの敷き詰められた虫たちを
一気に木っ端微塵にしたかったのだ。
ドライブフォビアに似た恐怖を知った俺は、
もはや気が気じゃなく、狂気と化していたのだろうか。
そして水槽がパァン!!と弾け飛んだ。
馬鹿なことをしたものだ。
そんなことをすれば中の虫たちが四方八方に散らばり、
死んだものもあればかろうじて生きているもの、
ピンピンしているものに分かれてしまう?
それを確認できない状況に自ら追い込んだのだ。
その部屋の床には一面、布団が敷き詰められており
誰でもそこに入ってくれば雑魚寝できるような
そんな雰囲気になっていた。
でも雑魚寝している場合じゃない。
水槽が弾け飛んだ今、
俺は一刻も早くその部屋を出なきゃならない。
でも、弾け飛んだ虫たちが今どこにいるのか?
その部屋は薄暗いながら、何がどこにいるのかよくわからない。
とりあえず、自分の足元には何もいない。
でも一歩踏み出せば、そこにいるかもしれない。
下は布団ながら微妙にもクッション代わりになって、
虫たちを生かすための助長になってるんじゃないか?
そんな事まで考えた。
怖い…怖い…。
案の定、虫たちの何匹かは生きていたようだ。
今度はその気配をこっちが感じる。
そこで瞬間的にどうしようもなくなり、心の中で、
「助けてええええ!!!」
と思いきり叫んだ。
虫たちが迫ってくる??
とその瞬間、夢内ながら、階下の1階ロビー辺りに
レスキュー隊が到着してくれたのがわかった。
彼らは銀色の防護服のようなものに身を包み、
何人かで長いホースを手に持ち、
ここまでの階段を登ろうとしている。
その辺りで目が覚めた。俺は心の底から、
「よかったあぁあぁあぁぁ〜〜〜」
と安堵した。
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