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写真の追憶…
タイトル:写真の追憶…
俺の部屋には今、1枚の写真がある。
と思ったら2枚、3枚の写真が出てきた。
そこに写ってるのは
俺が昔、愛していたその彼女。
今はどこか遠い地に行って帰って来ず、
結局、俺は裏切られたんだ…
そう思って、毎日の生活を繰り返している。
「……ふん。こんな写真、もう捨てなきゃな」
未練なんて
隠し置くものじゃない。
自分が虚しくなるだけ。
いやその自分を土台に、
その生活まで虚しくなって、
結局は何の良いこともないんだ。
そう思ってると、
部屋に1人、女性が入ってきた。
「…あんた、誰だ?」
女性かと思ったが、
どこか中性的なイメージもある。
そいつは…
『他の写真をよく見なさい。ぼやけて、あなたが昔アイシテタその人も、今どこに居るかわからなくなってるんでしょう?』
と乾いた口調で淡々と言った。
「…は?」
なんて思いながら少し気になったので
俺はもう1度写真を見てみた。
「………」
確かに、さっきまではっきり
映ってたと思った彼女の輪郭がぼやけてる…?
「どう言うことだ…」
『その写真の表面はあなたの心。その写真全体は彼女の存在。つまり彼女は今でもその写真をちゃんと持ってて、その彼女から気持ちを離そうとしてるのはあなたの方じゃないの?』
今、地球の環境は大きく変わった。
世紀末と呼ばれるにふさわしい時代。
俺は職場を失い、生活が荒れていた。
彼女は環境のショックで
子供を産めない体になってしまい、
彼女より先に…俺が未来に絶望していた…?
「……はっ…?」
(回想シーン)
「お前は何のために家に居るんだ!俺がせっかく働いてきても、その金をお前はただ食べて飲んで、その生活費に費やしやがる!」
「なんでお前も外に出て働かない!?」
妻だったその彼女は
先のショックでまだ立ち直れず、
働くことが出来ないで居た。
「お前との未来がこんなに成るなんて分かって居たら、一緒になんかならなかった!とんだ貧乏くじを引いたもんだぜ!」
(ストーリー現在)
「…お…俺は……」
『思い出せた?あなたと彼女との関係を』
『彼女はまだ手の届く処に居るかもしれない。追ってみたらどう?あなたの体はその写真の中で肉体を失くし、時間を超えて、距離も超えて…追いたいものを追える様になったんだから…』
「……はっ、あ、あれは…」
バスタブの陰から、
見慣れた俺の体が見えて居た。
『あなたが今得た、その特権は生かすべきだと思うわ』
「ちょ、ちょっと待ってくれえ!」
そう言って、
今までここで話して居た誰かは姿を消した。
それから俺に、選択肢が現れた。
彼女を追うか、それともずっとここで佇んでるか。
…………してるうちに俺の心は決まった。
扉を開けて部屋を出て、
しばらく行くと、
見慣れたあの時の彼女に出会う。
彼女「…あら、あなたどうしたのこんな所で?」
彼女「何か用事でも?…どこかへ行くところだったの?」
「あ、ああ…」
彼女「どこへ?」
「…君を探しに」
動画はこちら(^^♪
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