ルームシェア

2024年11月12日 13:49

タイトル：ルームシェア

（アパート）

アパートのあの部屋からメグミさんが出てきた。
朝のゴミを持っていくところ。
「おはようございます〜」
ご近所挨拶もしっかりしてくれる明るい子だ。

数日後。
今度はあの部屋から佳奈子さんが出てきた。
朝のゴミを捨てに行くところ。
「おはようございます、今日も良い天気ですね」
彼女もちゃんと挨拶をしてくれる良い人だ。

メグミさんと佳奈子さんは今、
あの部屋をシェアルームにしてる。
家賃はちゃんと2人で払い、
共同生活することから
日常でもいろいろ助かるんだろう。

でも少し前、彼女たちは大喧嘩していた。
シェアルームの欠点は、
やっぱりプライベートを侵されること。
それを十分にわかってシェアルームするのだが、
日が経つとやはりそうも言ってられないらしい。

そこで2人はある人に相談してた。
どうすればこのシェアルームのままでも
2人快適にこの先ずっと生活していけるか？
その辺りの事を何度も相談し聞いたりしていた。

今日はメグミさんがあの部屋から出てくる。
次の日は佳奈子さんがあの部屋から出てくる。

相談を受けた人は都内でも
少し有名なカウンセラーの人で、
私はひょんな事からその人と
セッションを持つことができ、
そこでカラクリのようなものを聞いたのだ。

なぜあの2人が全く喧嘩することもなく、
文字通り、快適に生活できるようになったのか？
するとカウンセラーの彼女はこう言った。

「これまでは部屋を共有することで、お互いの生活に支障が出ていました。それはお互いの理想とテリトリーが衝突することで起きるトラブル」

「だからそのトラブルそのものを、無くして差し上げたのです」

まさか現実でこんな事が起きるとは。
でも人間もこの地球も不思議の塊。
自分がなぜこの地上に存在してるのか、
それさえ説明できない人間だ。
自然の中にも、まだ究明されてない
不思議がいっぱいあるのかも。
だからそう聞かされて、
実際、現実がこう成ってるからと、
私も日が経つにつれ、納得していた。

（部屋の中ならぬメグミと佳奈子の中）

メグミ「わかってるわよ。明日はあなたの日よね」
佳奈子「（ちゃんと掃除しといてね。明日は私がその部屋使うんだから）」

今日もお互い心の中で、
今日から明日の相談をしていた様子。

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