黒い水面
「黒い水面」
むかーしむかし、ある池の畔に、見事な屋敷が在り、そこに、一人娘の少女が住んでいました。そしてその屋敷のすぐ裏には、狭くも広い池が在ったのです。
その少女は暇を持て余しては、その池に小石を沢山持って行って、その水面に向かって石を投げて遊んでいたのです。ずっと毎日毎日、水面に小石を投げていました。その池の周りには石などなかったので、なくなったら、遠くまで取りに行かなければなりませんでした。ですから、大抵、手持ちの石が尽きれば、そこでやめるのです。でも、その日は暇ながらにもとても良い気分だったので、急いで、また屋敷の前庭まで戻って小石を拾い、またすぐ裏まで持って行って、池に投げようとしました。そうしていつものようにまた投げ始めました。
そうする内に、いつのまにか、新しいアイディアを思い付き、いつもより近くに行って小石を投げようと思いました。近くまで行って、石を投げた後、その水面を見ると、自分の顔が、波紋でグニャグニャに歪んで映っていました。
彼女はまた新しいアイディアを思い付き、その顔の映った水面に飛び込み、死にました。飛び込んだ丁度水面下には、今まで積み上げてあった小石が、水面に接する程、上まで来ていたのです。
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