全自動ロボット腹部超音波検査のための走査経路計画のための肋骨領域検出

Rib region detection for scanning path planning for fully automated robotic abdominal ultrasonography

International Journal of Computer Assisted Radiology and Surgery (2024) 19:449–457
Rib region detection for scanning path planning for fully automated robotic abdominal ultrasonography | International Journal of Computer Assisted Radiology and Surgery

Abstract
目的
走査経路計画は、完全自動化された超音波(US)ロボットにとって不可欠な技術である。胆道スキャンの場合、肋骨下境界はスキャン経路計画にとって重要な体表ランドマークであるが、見えないことが多い。本研究では、全自動ロボットUSシステムに向けて、走査経路計画のために肋骨領域を推定する方法を開発した。

方法
RGB-D画像と呼吸変動を用いて肋骨領域を決定する方法を提案した。呼吸による体表面位置の変化から肋骨領域の検出が可能であると仮定した。そこで安静吸気位で撮影した深度画像と、最大吸気位で撮影した深度画像の差分を求め、深度差分画像を生成した。
最大吸気位で撮影した深度画像との差分を求め、深度差分画像を生成した。肋骨下部の境界位置は、この深度差画像にYOLOv5物体検出モデルによる学習を適用して決定した。

結果
健常者を対象とした実験では、提案した深度差分画像を用いた肋骨検出法の精度は、IoUは0.951、平均信頼度は0.77であった。グランドトゥルースと予測値の平均誤差は3Dスペースで16.5mmであった。この結果は、RGB画像のみを用いた肋骨検出よりも優れていた。

結論
呼吸変動を測定する深度差画像法を提案することで、非接触で肋骨部位を正確に推定することができた。胆道撮影時のスキャンパス計画に有用である。

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 ロボット繋がりで、IJCARSというロボットの治療利用の分野のトップジャーナルからです。電気通信大学の小泉憲裕先生のグループと産総研の津村先生との共同研究です。前回、前々回のロボットは操作に1人、被検者のアシスタントに1人と、結局人手が2名必要になってしまうのですが、本研究のテーマは自律型ロボットで、ロボットがスキャンを開始する位置を推定するというものです。超音波検査そのものの内容ではありませんが、ロボット超音波は注目される分野であり、紹介しました。
 肥満例では肋骨が見えないという問題点がありますが、吸気・呼気でみるとヒートマップが標準体型と反対になるのが面白いです。

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