移植前における腎腫瘤の造影超音波検査:文献的考察 症例ハイライトを含む文献レビュー

Contrast‑enhanced ultrasound of renal masses in the pre‑transplant setting: literature review with case highlights

Abdominal Radiology (2024) 49:4521–4530
Contrast-enhanced ultrasound of renal masses in the pre-transplant setting: literature review with case highlights | Abdominal Radiology

Abstract
慢性腎臓病の罹患率が世界的に上昇する中、末期腎不全の決定的な治療法である腎移植を必要とする患者の増加が予想される。
腎移植は、末期腎臓病の決定的な治療法である。医用画像診断、主に超音波検査
造影CTおよび/またはMRIを中心とする医用画像は、移植前の評価、特に移植腎内の病変の特徴づけにおいて大きな役割を果たしている。
特に、移植前の腎臓内の病変の特徴付けに大きな役割を果たしている。しかし、CKD/ESRD患者にはCTやMR造影剤に対する相対的禁忌があることが多い。
造影剤の使用が制限される。造影超音波(CEUS)は、高い時間分解能と空間分解能を兼ね備えている。
造影超音波検査(CEUS)は、超音波検査の高い時間的・空間的分解能と血管内マイクロバブル造影剤を組み合わせたもので、有望な選択肢となる。この総説では、以下のような評価におけるCEUSの使用に関する文献を紹介する。
この総説では、嚢胞性および固形腎病変の評価におけるCEUSの使用に関する文献を読者に紹介し、移植前の設定において当院でCEUSを使用した症例を紹介する。

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 Abdominal Radiologyの2024年12月号からです。腎腫瘍の造影超音波検査は良く知らないので見てみました。

 Table 1が参考になります。以下、訳出です。

Clear cell renal cell carcinoma (ccRCC) 
小腫瘍はしばしばechogenic (??)
大きな腫瘍は不均一に低エコー、 出血と石灰化が多い。
 造影では、皮質相で不均質なhyper enhancement、皮質髄質相から遅延相でhypo enhancement (wash-out)、病変周囲のrim-like enhancement(偽被膜)

Papillary renal cell carcinoma (pRCC)
 Bモードは低エコー。
 造影では均質で全時相でhypo enhancement。

Chromophobe renal cell carcinoma (chRCC)
 Bモード、造影とも様々。

Angiomyolipoma (AML)
 Bモードでは均質な高エコー。脂肪が少ないAMLでは等エコー。
 造影では均質な造影効果。造影効果の持続または遅いwash-out。

Renal oncocytoma (RO)
 Bモード、造影とも様々。

Pseudotumor
 Bモードは等エコー。
 造影では全時相でiso enhancement。

 その他、Figureでは代表例が供覧されています。

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