原発性消化管間質腫瘍の悪性度を術前に予測する超音波に基づく方法

An ultrasound based method for predicting the malignant potential of primary gastrointestinal stromal tumors preoperatively

Abdominal Radiology (2024) 49:4189–4197
An ultrasound based method for predicting the malignant potential of primary gastrointestinal stromal tumors preoperatively | Abdominal Radiology

Abstract
目的
消化管間質腫瘍(GIST)は、外科的病理学的確認なしにリスクレベルを正確に同定することが困難である。本研究の目的は、胃部膨満を伴う造影超音波(CEUS)を用いてGISTの悪性度を術前に予測する非侵襲的予測法を提案することである。

方法
2017年4月から2023年8月までにCEUSを施行した47例のGISTをレトロスペクティブに検討し、すべての病変は術後に病理診断で証明された。患者の年齢、病変の大きさ、形状、壊死、病変内の石灰化、病変および周囲の正常組織の到達時間(AT)、ピーク強度(PI)、ピークまでの時間(TTP)、曲線下面積(AUC)を含む灌流パラメータを解析した。ロジスティック回帰分析を行った。47例のGISTのうち、26例が高リスク腫瘍、21例が低リスク腫瘍であった。

結果
低リスクGISTと比較して、高リスクGISTはATが速く(7.7s vs 11.5s、p < 0.05)、PIが高く(15.2dB vs 12.5dB、p < 0.05)、サイズが大きかった(4.4cm vs 2.2cm、p < 0.001)。多変量ロジスティック回帰では、AT、PI、サイズが有意な特徴であった。対応する回帰式は(p/(1-p)=-5.9 + 4.5 size + 4.6 PI + 4.0 AT)であった。

結論
CEUSにおけるGISTのサイズ、AT、PIは、GISTの非侵襲的リスクレベル予測モデルのパラメータとして使用できる。このモデルは、手術前にGISTの異なるリスクレベルを特定するのに役立つ可能性がある。

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 Abdominal Radiologyの2024年12月号から、中国発の論文です。GISTの造影超音波による悪性度評価は以前よりされていますが、本論文のユニークなところは、Double contrast-enhanced ultrasound examinationと称して水ではないものを摂取していることです。その部分の翻訳は以下です。

経口剤の各パッケージを 500mlの沸騰水で希釈し、穏やかに混合した。経口造影剤は大豆と米からなる粉末で、均質な懸濁液とした(本研究では「TianXia」ブランドを使用した。48g/包、中国浙江省湖州市)であった。懸濁液 懸濁液を35-45℃に冷却した。500mlの経口造影剤)を胃腔に注入した。

 病変の部位によって仰臥位、左右側臥位で描出したということです。二重造影法は既報がいくつもあるそうです。水でないことのメリットについては記載がありませんでした。500mlも入れば空気はかなり減るかと思います。胃からの流出が遅くなるのでしょうか。

 あとはTime Intensity Curveを解析して血流が多い方が悪性度が高い、という当たり前の結論で、液状領域(無エコー域?)がある方が悪性度が高い、ということ以外は特に見るべきものはないかなと思います。

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