CEUS LI-RADSによる混合型肝癌の評価:病理学的特徴との相関性
Evaluation of combined hepatocellular-cholangiocarcinoma using CEUS LI-RADS: correlation with pathological characteristics
Abstract
目的
混合型肝癌(cHCC-ICC)の造影超音波(CEUS)肝画像報告データシステム(LI-RADS)分類に影響を及ぼす因子を探索すること。
方法
2014年9月から2020年7月までの間に、病理学的にcHCC-ICCと確定された58例のCEUSの特徴をレトロスペクティブに評価し、CEUS LI-RADS(2017年版)に従って分類した。異なるCEUS LI-RADSカテゴリーに分類された結節の病理学的特徴を比較した。多変量ロジスティック回帰分析を行い、cHCC-ICCのCEUS LI-RADS分類に影響を及ぼす可能性のある因子を探索した。
結果
CEUS LI-RADSによると、32.8%(19/58例)、63.8%(37/58例)、3.4%(2/58例)がそれぞれLR-5、LR-M、LR-TIVに分類された。LR-M群とLR-5群の間には、病理学的悪性度、結節の大きさ、cHCC-ICCのHCC/ICC成分比に関して有意差があった。多変量ロジスティック回帰分析により、独立した影響因子として腫瘍径、肝細胞癌(HCC)および肝内胆管癌(ICC)成分の相対比率が同定された。
結論
腫瘍の大きさ、結節内のHCCおよびICC成分の相対的割合は、CEUS LI-RADSによるcHCC-ICCの分類に有意な影響を与えた。
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Abdominal Radiology 2025年3月号、中国からの多施設共同研究です。LI-RADSは肝細胞癌ハイリスクを対象としたレポーティングシステムで、混合型肝癌や肝内胆管癌も少なからずHBV、HCV、肝硬変といった背景肝を有する場合に発症するので、実臨床で鑑別が問題になります。LI-RADSは肝細胞癌の診断を目的としていて、他の悪性腫瘍(主に肝転移、肝内胆管癌)はLR-Mに分類されることが多く、しかもICC成分が多いものがLR-Mで多かったというのは妥当な結果かと思いました。低分化型肝細胞癌、混合型肝癌といった非典型の肝癌もLR-Mとして想定されているそうで、その検証の意味合いの論文とも言えそうです。