IgA腎症における間質性線維症/尿細管萎縮の評価におけるドプラ超音波画像法とせん断波エラストグラフィーの有用性
Doppler ultrasound imaging and shear wave elastography for evaluation of interstitial fibrosis/tubular atrophy in IgA nephropathy
Abstract
目的
本研究の目的は、腎間質線維症/尿細管萎縮(IFTA)の評価におけるドップラー超音波画像とせん断波エラストグラフィ(SWE)の価値を探ることである。
方法
2019年4月から2023年11月にかけて、生検で証明されたIgA腎症(IgAN)患者を本研究に登録した。従来の超音波検査、ドプラ超音波画像診断、SWE測定を実施し、関連パラメータを収集した。IgANのOxford分類に従って、間質性線維症/尿細管萎縮(T)病変をT0、T1、T2群に分類した。IFTAの同定におけるSWEの診断精度を評価するために、受信者動作特性(ROC)曲線を作成した。
結果
最終コホートには100人のIgAN患者が登録された。67例がT0群、33例がT1/T2群であった。平均SWE値はT0群で42.17±9.11kPa、T1/T2群で36.83±10.32kPaであった(p = 0.01)。多変量ロジスティック回帰の結果、葉間動脈のSWE値と拡張末期速度(EDV)がIFTAの独立した危険因子であることが判明した。IFTAの診断において、SWE単独のROC曲線下面積(AUC)は0.652であったが、SWEとEDVの組み合わせのAUCは0.807であった(p = 0.008)。
結論
ドップラー超音波画像とSWE測定の併用は、IgAN患者におけるIFTAの定量的評価の診断能を向上させる可能性がある。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
腎臓でのSWEの研究です。Abdominal Radiologyからです。Abstractからは最もらしい結果が出ていますが、Figure 1をみると、皮質の部分にSWEを行っていますが、色が青い部分から黄色~赤の部分まであって、SWEがまっすぐ進んでいるかどうか甚だ疑問で、どの部分を測定しているのかも明確でなく、信用するのが難しいと思いました。引用している既報に記載されているのかもしれませんが、まず検査者内誤差、検査者間誤差の測定や、装置はAixplorerを使用していますが、他社の装置のようなConfidence mapやPropagation modeなどでSWEの計測がうまくいっているかどうかの表示といった、何らかの根拠が必要ではないでしょうか。腎臓ということもあって、エラストグラフィを理解している人が査読している訳ではないのでしょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?