家のつくりやうは夏を旨とすべし
と、吉田兼好も言うてはるけど、ほんまにそうやと思う。現代日本の住宅は、夏を旨としてなさ過ぎるから暑いんやと思う。
一昨日行った美山の茅葺き屋根の家なんかは、まさしく「夏を旨とした」家の構造らしく、立地の自然環境もさることながら、実際に中も風が通って涼しかった。
今回、比良山麓のコンテナ秘密基地を設計するにあたっては、これまで相当いろんな「住宅」(浜松の畑の赤いコンテナも含む)に住んだ経験から得た知見を、すべて詰め込んである。
代表的なものは以下。
・南側は夏場の太陽光を遮るために木を絶対伐るべからず
・西日は殺人的に暑くて不快なので、西日はとにかく避ける
・南側の壁および屋根は熱を吸収しない色で塗装する
・窓はケチらず四方に付けることで、風通しと明るさを確保できる
・他人の家は見えないように窓を配置する(壁で完全に遮断。高所窓を活用)
・ウッドデッキはなくて良い(ウッドデッキで過ごす時間は室内で過ごす時間と比較すると格段に少ないのに、作るにもメンテするにも金と労力がかかり、見合わない)
・人が出入りできるデカい窓は、開放感があるようで、実は丸見えな感じで案外落ち着かないし、防犯上もイマイチ
私は建築士ではないので建築に関する専門知識はないけども、広さ、形、高さ、内装などなど、家の在り方全般に大いなる関心があり、どうやったら快適かを考えるのが好き。きっかけは、1997年にハワイ大学の寮(懐かしのGateway House)での生活やと思う。
茅葺き屋根の家と比較して、比良山麓のコンテナの最大の弱点は、庇がないこと。代わりに夏緑樹林が夏の直射日光を遮ってくれる。
あとは、鉄が剥き出しのパーツが結露するのは想定外やった。ただしこれはケツロナインでほぼ解消。
一方で長所は、今回ハイキューブにしたことで、天井が高いので広々とした感じがするのと、熱い空気に立ってもさらされない。高所窓があるので熱気はそこから出て行く。
あとは計算に入ってはいなかったのに良かったこととしては、「高床式」になってること。これは怪我の功名?ここのエリアは住民票を移さん限りは家建てられへん地域やから、余分にお金使ってシャーシに乗せてトレーラー仕様にしたんやけど、そのおかげで地面の温度の影響をもろに受けない。つまり百葉箱状態。これはおそらく、夏より冬にさらに良い効果を発揮すると思う。
林のスキマからピンポイントで入ってくる太陽光は暑い。いかにそれをうまく遮るかがポイントと思う。
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夜8時前に浜松に戻って来た。車から降りた途端に熱風が顔に当たって来た。暑い!不快!!
今、9時半。まだまだ暑い。外は30度以上。2階の寝室、35度。寝室だけで比較すると、昨日の晩との温度差7度!
たまらん。