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エンドロール by ヒロイックニューシネマ

8月28日に公開された新曲の一つ『エンドロール』
ようやく曲への耳ができつつある自分です。

ヒロイックニューシネマについて

ヒロイックニューシネマさんは現在デビュー2年目に突入し、主に下北沢・渋谷を中心に活動している注目のロックアイドルグループです。
とにかく曲が良い!
みんなカッコよくてかわいいんだけど、一発目の衝撃はその生歌の歌唱力と流れるサウンドの良さに惹かれるのではないでしょうか?

『エンドロール』は名曲の座をつかめるか

最新曲は『エンドロール』と『the starly night』の2曲があります。
まだライブ限定曲になってますが、この『エンドロール』がとても聴きごたえがある曲だと思っています。
(SEKAI NO OWARIが好きだったら、きっと好きになる)


歌詞の興味深いポイント

公式のポストに歌詞カードがあります。

セカオワの名前を出したのは、以下の理由。

そうさ知らず知らずの間にまた人々は 寄り添ったふりをして傷つける
許そう気まぐれな運命が喰らわせた 唯一の痛みさ

この歌詞の部分。
生きている中で出会う不条理的な真理を表しながら、「許そう」という前向きな言葉のあとに「運命が喰らわせた」というフレーズのつながり方の部分がいいなって思うんですよね。

運命ってこう、奇跡とか神様による神聖性を持ったものを忍ばせるので続く言葉も普通は「降らせる」とか「与えた」と、やや敬意を含みがちなものになりそうなところを、その感覚に引っ張られずに "喰らわせた" と、鼻で笑いあしらう感じで書いてる上手さ。

こういう一人称視点の歌詞できっちり個性を感じさせる表現って面白くないですか?
僕はかなり好きです♪

『エンドロール』は全員が登場人物であり主人公

最近のヒロイックニューシネマはメンバー一人一人の歌唱力がメキメキと上がり続けています。
ゆえに、それぞれが各々の声質とできる歌い方を組み合わせて自分のパートを際立たることが可能になってきている感じがします。

上手い。けど同じ歌い方じゃない。
似た歌い方をしない。でも曲が成立している。

今日この日、フロアでその歌声たちで彩られたエンドロールを聴いて、出来上がった解釈が

――あ、これ5人の主人公が居る物語だ――

でした。

一曲に対してメンバー全員でその歌詞の視点者を想像して歌う曲は、
言うなれば
【全員「で」一人の登場人物として歌う】
でしょうか。

『エンドロール』は
【全員「が」一人の登場人物として歌う】
という違い。

だから、
「各々のスキルアップで5人主人公として成立させちゃってる……」
と思ったんですよね。

『エンドロール』というタイトル。結びが見せる未来。

この『エンドロール』というタイトル。
映画の最後に流れるアレをイメージするのではないでしょうか?

僕はそのイメージに曲のリズムが乗っかり、上映した物語のハッピーエンド後に流れるクレジット映像を思い浮かべました。

そのエンドロールは下から上に流れるクレジットの横に、エピローグ写真が添えられた映像で、だいたい映画を観た僕らは、無意識に物語の終わりを理解しつつも同時に、登場人物の人生はそこからまだ続くことを理解していたりする。そして、その登場人物たちの幸せと続く道の無事を願ったりします。

この曲は、そんな気持ちを呼び起こすサウンドに仕立てられています。
(くやしい。しゅき。。。)

そしてメンバーの歌声は、それぞれの歩いてきた道のりや出来事の一旦の締めくくりをするような空気を出しつつも、「これから」をしっかりと僕らにイメージさせてきます。
(くやしい。だいしゅき。。。)

エンドロールと言いつつ、終わらない。
むしろ、
ここからの物語も次があって未来があるんだ。
どこまで続くかわからないけど。
きっと僕らが歩き続けるまで。
そんな意志を伝えてくる中身にしているのがまたニクい。


では5人の主人公とは? いや、本当に5人なのか?

これはそれぞれライブの中で歌声を聴いて、感じて想像するのが醍醐味かと思います。

本当に面白いですよ。
5人を知れば知るほどステージ上の世界にある行間が埋まっていく。
これからも彩る出来事が増えていくだろうという予感もする。

僕もまだこの解釈をし始めたばかりなので、まだまだ浅いところで語っていますが、5人の主人公がいる曲と聴いてみると、未来を想像する楽しさがありますので、聴き方を変えてみたい人は是非♪

とここまで書いて次の可能性を感じたのが、6人目の主人公。
聴いている自分という存在。

聴き続けて、自分の耳と頭がこの曲を掴んできた先に、自分の物語を乗せられるのではないか?

いまの僕は、あえて入れる必要はないな。と思っています。
入れたいときに、勝手にその解釈が生まれそうな気もしているので。
その時のために、5人が届けてくれる世界を自分の中でかみ砕いて並べて作っておけばいいかなって。

結局解釈ってそれぞれの世界の中に許された自由な空想ですから♪
(ここまで書いてそれってミもフタもないような……笑)

ここから増やしたい。感じ方ポイント

メンバーのキャラクタ―表現。
歌い方で個性が見えるので、この歌の中で芹香ナノは、推倉ましゅは、桜子カフは、叶田明日菜は、華希リンは、どんなキャラクターを構築しているのだろう。
どんな人物を僕たちに見せようとしているのだろう。

もっと自分の中でこう感じたと確信めいた言葉になるくらい聴きたいし、生のライブで観たい。

新たな可能性

あとは現段階の細かな感動ポイントを書いて終わりにしようと思います。
もちろん全員がレベル上がっているその中で、表現の幅を増やしていきそうな意欲と可能性を。

① 2番Aメロ:ましゅパート。
静かに、モノローグ的に表現する歌い方は可能性の塊と思った。
もうシンプルに「イイ!」と。
未来を眺める歌詞が主体の中で、こんなことがあったんだ、を語る部分は少ない。そこを任された中での歌い方の変化。ここは注目してほしい。

②ストーリーテラー役も兼任する叶田明日菜
演劇の舞台では登場人物の一人が進行役として、物語から一瞬外れて客席に向かって語り掛けることがあります。

「え? この後の話ですか? んーと、それはですね・・・」
といった感じで、全体を知っている一人が、その登場人物としての言葉でナレーションをするのですが、これが叶田明日菜さんの声質と特有の表現の幅でそっと物語の中から抜け出して語りのような歌唱を可能にしてしまいそうな、「曲」を「作品」としてさらに引き上げてしまいそうな、そんな可能性を感じました。(ここまで早口)

③芹香ナノの透明感
2番のサビ部分。直近のライブでぜひ聴いてほしい。
芹香ナノの持つまっすぐな歌声が、主人公であり正統派ヒロインの声色で元々の歌のポテンシャル(高音の安定感と響き)が、バチっとハマっているので歌手:芹香ナノの存在を濃く感じられる!

貴方の心に触れていいですか

「貴方の心に触れていいですか」は公式のコンセプトに含まれた言葉ですが、『エンドロール』はまたそのコンセプトにすごく寄り添った曲だなあと感じています。

たぶん名曲評価までは少し時間はかかる。
なぜならそこにライブの沸きという外的要因が存在しないから。
聞いた人ののめり込みと解釈による、自分で育てるタイプだから。

だけどそれゆえに聞いた側の
曲に、
音に、
声に、
歌い手に、
関わり触れてきた時間の分だけ、その人の内にある「名曲」の順位を着実に上げていくのだろうな、と。

そういうポテンシャルがある曲だなと僕は勝手に評価していますし、しばらくこの曲を見守るように、しかしともに歩んでみたい自分がいます。
もちろん他の曲も大好きですけど、すごく興味深い対象がやってきてはどうしようもありません笑。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
こうやってたまに自分の解釈を書き連ねていこうと思うので、またたまに覗きに来ていただけたら嬉しいです。

そしてこれは、あくまで一人のファンの解釈という名の空想。
それをあなたの世界に取り込むも受け流すも自由。
一つの曲や作品、そして時間を、好意的に一緒に楽しめたらいいなって思っています。その上で、ライブを楽しむ一助になったら嬉しいです。

ではでは、ではまたライブ会場で!
ミノ

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