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メゾチントの魅力。


僕に絵画鑑賞の趣味がある。
その一端、メゾチントの魅力について語ろう。
皆さんは、「メゾチント」という版画の表現技法をご存知だろうか?
簡単に言えば、版木に引っかき傷をつけて陰影を表現する技法である。
有名な作家で言えば、浜口陽三、南桂子、長谷川潔と言えば馴染みのある方もいるかもしれない。
歴史について述べれば、版画の本場ドイツで使われていた技法である。それを日本の長谷川潔が再興したのである。

メゾチントの魅力は、「独特な静謐世界」である。下図をご覧頂きたい。

(ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション公式Xより)

暗黒のプールに、オブジェクトが浮かんで永遠に浮遊し続けるようなシュールレアリスム的ともいえる世界観である。
さらに、メゾチント技法による版画は、その独特な陰影の表現と滑らかなグラデーションにより、他の版画技法では表現しきれない微細なニュアンスを持つことができる。このため、見る者の心に深く響く作品が多いのが特徴だ。例えば、浜口陽三の作品「ひまわり」は、まるで光と闇が交錯するかのような美しい陰影を持ち、その静謐な魅力は多くの人々を引きつけている。また、南桂子の作品「夢の中の風景」は、幻想的でありながらも非常に繊細な表現がなされており、その美しさに思わず息を呑むことであろう。

皆さんもぜひ、美術館に足を運んで頂きメゾチントの深い暗黒の魅力に浸って見てはいかがだろうか。特に、ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションを訪れて、実際の作品を目の前にしたときに感じる感動は、言葉では表現しきれないものである。

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