黒田節の歌詞の意味を詳しく解説します
黒田節の歌詞の意味を詳しく紹介します
皆様、こんにちは。専門家弘中です。
今回は、福岡県福岡市博多区に伝わる民謡「黒田節」の歌詞の意味について、詳しく解説していきたいと思います。
「黒田節」は、酒宴の席などで歌われることの多い、非常に有名な民謡です。「酒は飲め飲め~」という歌い出しを、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
この歌は、ただお酒を勧める歌ではありません。そこには、黒田藩の家臣・母里太兵衛友信(もりたへえともぶみ)の武勇伝が歌い込まれているのです。
それでは早速、歌詞を見ていきましょう。
黒田節
〽酒は飲め飲め 飲むならば 日本一のこの槍を 飲み取るほどに飲むならば これぞ真の黒田武士
〽二合半じゃ呑まれぬ 五合も呑まれぬ 黒田武士の 飲むならば 一升二升三升までも 飲み干すほどの 男なり
〽槍は呑み取る 太刀は呑み取る 馬も呑み取る 兜も呑み取る それのみならず 城までも 飲み取るほどの 男なり
一見すると、お酒を飲んで槍や刀、馬や兜、果ては城まで飲み込んでしまうという、荒唐無稽な内容に思えるかもしれません。しかし、ここにこそ、母里太兵衛の豪傑ぶりが表現されているのです。
歌詞の意味解説
〽酒は飲め飲め 飲むならば 日本一のこの槍を 飲み取るほどに飲むならば これぞ真の黒田武士
最初の歌詞は、「黒田節」の最も有名な部分です。
ここで歌われている「日本一のこの槍」とは、天下三名槍の一つに数えられる「日本号」のことです。
豊臣秀吉の家臣・福島正則は、小田原征伐の功績により、秀吉からこの「日本号」を拝領しました。ある時、正則は酒宴の席で、黒田家の使者として訪れた母里太兵衛に酒を勧めます。
「黒田武士は酒に弱いのか」と挑発する正則に対し、太兵衛は「飲み干せたならば好きな褒美をとらす」という正則の言葉に、見事な飲みっぷりで応じます。そして、褒美として「日本号」を要求したのです。
武士に二言はありません。正則は、不覚にも家宝の槍を太兵衛に渡すことになったのでした。
この歌詞は、太兵衛の豪胆さと、黒田武士の武勇を称えるとともに、酒席での度量の広さを示唆しています。
〽二合半じゃ呑まれぬ 五合も呑まれぬ 黒田武士の 飲むならば 一升二升三升までも 飲み干すほどの 男なり
二番目の歌詞では、黒田武士の酒豪ぶりが歌われています。
二合半や五合では酔わない、一升二升三升でも飲み干してしまう、と。これは、単に酒に強いということだけでなく、黒田武士の強靭な精神力と体力、そして何事にも屈しない不屈の魂を象徴していると言えるでしょう。
〽槍は呑み取る 太刀は呑み取る 馬も呑み取る 兜も呑み取る それのみならず 城までも 飲み取るほどの 男なり
最後の歌詞では、槍や刀、馬や兜といった武具だけでなく、城までも飲み込んでしまうという、誇張表現を用いて、母里太兵衛の豪快さを表現しています。
これは、太兵衛の並外れた胆力と、どんな困難にも立ち向かう勇猛果敢な姿を象徴していると言えるでしょう。
歌詞の感想と考察
「黒田節」の歌詞は、一見すると単純な酒飲み歌のようですが、その裏には深い意味が込められています。
母里太兵衛の武勇伝を題材にすることで、黒田武士の誇り、そして武士としての心構えを伝えていると言えるでしょう。
また、酒を酌み交わすことで生まれる人と人との繋がりや、酒席における礼儀作法の大切さも示唆しています。
現代社会においても、仕事やプライベートで酒席を共にする機会は多いと思います。「黒田節」の歌詞を通して、先人たちの生き様や、酒席での振る舞い方を学ぶことで、より豊かな人間関係を築くことができるのではないでしょうか。
まとめ
「黒田節」は、黒田藩の家臣・母里太兵衛友信の武勇伝を歌った民謡。
歌詞には、太兵衛の豪胆さ、黒田武士の武勇、酒席での度量の広さなどが表現されている。
単なる酒飲み歌ではなく、黒田武士の誇り、武士としての心構え、人と人との繋がり、酒席における礼儀作法の大切さなどを示唆している。
今回は「黒田節」の歌詞の意味について解説しました。この歌が持つ歴史的背景や文化的意義を知ることで、より深く味わうことができるのではないでしょうか。
皆様も、機会があればぜひ「黒田節」を歌ってみてください。