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BL界の一大ジャンル「893」其の九 名倉和希先生「徒花は炎の如く」「ひそやかに降る愛」

名倉先生の初めてのヤクザものだそうですが、この後他にあったのかな?(←一応あった。ゆるふわっぽいのが。)
楽しく書かれたそうですが、あまりヤクザものを書かれるイメージがないので、驚いちゃったのよ。

徒花は炎の如く

清廉な美貌を持ちながらも、一度キレると手がつけられなくなる瀧川夏樹。ヤクザの組長の嫡男である夏樹は、幼馴染みで隣の組の幹部・西丸欣二と身体を重ねることで、度々キレそうになる精神を抑えていた。欣二には他に女がいても、自分と離れなければいいと思っていた夏樹だが、ある日しつこく夏樹につきまとっていた男・ヒデに脅される。欣二との関係をバラすと匂わされ、彼に迷惑が掛かることを畏れた夏樹は、ヒデを抹殺しようとするが…。

Amazonより引用

ちょっと引用させてもらっちゃった。ヤクザの組長の息子同士、もう出来上がって長く、お互いの実家も組内も公認のカップルです。ヒデが、バラすというのは、他の組のヤクザ界隈全てにバラすということです。さすがにそれは困る。
夏樹が中学で先輩に犯されかけて、金属バットで過剰防衛したので、加害者は植物人間状態になってしまったのですが、夏樹はそれすら知らないという(知らせていない)、ちょっと信じられない設定。欣二は経済的にも精神的にも、この入院中で意識不明の兄とその弟の面倒を見ている。あれ?それは、夏樹の実家の役目なんじゃないの?と、思いますが、欣二が夏樹を溺愛していて夏樹の全ての面倒を見るつもり(夏樹がムショ入りする事になれば、自分がかわりに服役するつもりだし)なので、そういうことらしいです。夏樹は、かつての加害者(被害者?)の闘病と死亡を知ったからと言って、罪の意識はそれほど感じていないんですよね。なかなかのサイコキャラです。
夏樹は欣二に止められ、ヒデはギリギリのところで命拾いしました。
欣二に女がいないことも分かって(影も形もなかったですが)、2人は同棲を始めました。

後半、意識が戻らないまま亡くなった被害者(加害者?)の弟(尚人)に欣二が執着され拉致監禁され、夏樹は欣二を取り戻しに、またもや金属バット持参で敵地に乗り込んだりして、まー、狂犬女王ぶりを発揮しております。
尚人が、なかなか可哀想なので、作者さんが後書きで言うような救済スピンがあるといいですが、これはリップサービスですね。(^_^;)

ひそやかに降る愛

瀧川組若頭・夏樹の側近を務める竹内泰史は、すでに恋人がいると知りながら、夏樹に秘めた想いを寄せていた。そんな竹内の元に、夏樹にそっくりな人物が存在するという噂が舞い込む。事件に巻き込まれる可能性を考慮し、彼が働く店へ様子を見に行くことになった竹内だったが、そこで出会ったのは姿形は瓜二つながら夏樹とは正反対の繊細で儚げな空気を纏った聡太という青年だった。偶然、客にからまれていた聡太を助けたことがきっかけで、竹内はそれ以降も聡太を気に掛けるようになる。天涯孤独だという聡太の、健気さや朗らかさに触れるうち、今まで感じたことのない焦れた想いを抱えるようになる竹内だったが…。

Amazonより引用

「徒花は炎の如く」のスピンオフ。
世界には3人、同じ顔の人がいるらしいですが、夏樹のそっくりさん(縮小版)の聡太が、巻き込まれるお話。夏樹の側近の竹内は、夏樹に淡い恋情を抱いていて、そっくりな聡太が気になって気になって〜。
でも、夏樹のそっくりさんとして対抗組織にさらわれて、風俗店に売られてしまう。さぁ、大変!
助けに来た竹内に、聡太が風俗店(デリヘル)の客に対するような対応をするから竹内は逆ギレして、やっちゃう。(^_^;)あーあ。その後、ギクシャク。気持ちを確かめ合ってハッピーエンド。
夏樹は、今回は大人しくしてました。
欣二の舎弟でボディーカードの苅田(今回の竹内の相棒)もいい性格してましたね。


というわけで、いろんな作家さんが、一度はヤクザものを書いているって、まとめかな。(^_^;)


おしまい