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BL界の一大ジャンル「893」其の12 井上ハルヲ先生「無明の華」

ちょっと空きましたが、ヤクザシリーズ続きます。
まずは、タイトルの考察から。

「無明の華」という言葉は、仏教用語の「無明」と関連して、人間の苦しみや迷いを生み出す根本的な原因を指す言葉です。

「無明」とは、梵語の「アヴィドヤー(avidyā)」の漢訳で、真理に暗く、道理事象を明らかに理解できない精神状態を意味します。また、愚痴や無知とも呼ばれ、あらゆる煩悩の根源となるものとされています。

AIによる概要

そうか、そうなんだ。知らなかった。記事を書くつもりにならないと、調べる気にならなかった。
怠慢ですね。


主人公は、35歳のヤクザ、狭山亨。15年の刑期を終えて出所したばかり。罪状は対抗する組の幹部の殺人と殺人未遂。不幸な家庭環境で15歳で既に身体を売っていた狭山を気にかけていた刑事の木崎は闇の中でしか生きられない狭山を、小さな組の組長、高島に預ける。しかし、高島は抗争で殺され、高島に心酔し更に恋焦がれていた狭山は兄弟分の飯塚と復讐を誓うが、飯塚は現れず、自分も血に染まりながら、ひとりでナンバー2を仕留め、トップともう1人に重傷を負わせ服役した。出所後、飯塚に軟禁陵辱され、飼い殺しにされていたが、狭山と木崎は15年振りに再会した。
と、いうところから始まりますが、木崎がもう47歳なんですよね。最近はそうでもないですが、BLの攻キャラでアラフィフはあんまりいないので、ちょっとびっくり。
狭山は、高島の死に裏があると思っていて、それを知りたいし、飯塚に薬を使われ理不尽に犯されながらも、飯塚に恩義と組を背負わせた贖罪を感じています。(飯塚は若頭。一応、名前だけの組長はいる。)しかし、高島を敵に売ったのも飯塚だったみたいで(飯塚なりに理由があった。)、凄く複雑な関係。狭山というキャラは、生育環境から凄く自虐的なので、それが分かっても、流されているだけなのですが、木崎と繋がって、木崎の気持ちが自分に向けられていると気付くや、ちょっと前向きになる。けっこう可愛い奴でした。暴力描写がややキツイので、張り切って勧められませんが、これはこれで、読み応えがあるなぁという作品。高島の正体(長期の潜入捜査官?)や木崎の実際の所属(組対と見せかけて公安)も、ネタとしては面白いですしね。

この、B-PRINCE文庫って、もう無いレーベルですね。そういうのいっぱいありそうですが、レーベルに詳しくないので、すみません。m(_ _)m


おしまい