【デッキ解説】バクテラスからVol-Val-8投げたら大体ゲーム終わる説
まえがき
はじめまして。景季と申します。
今回は《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》の登場で一躍環境デッキに上り詰めた【リースボルシャック】の、自分が『フルコンプ福岡天神CS』で準優勝した構築を紹介させていただきます。
10月現在のCS入賞数はTier2~3相当と悪くない立ち位置ですし、新生ボルシャックが気になってる方は是非これを機に組んでみてください。安く組めて楽しいですよ。
なお、当方普段はあんまりCSに出ない木っ端プレイヤーですので話半分に聞いてください。
追記(11/19)
11/17に2.4倍のCSで優勝することができました! 少しリストを弄っていますが基本的にほぼ同じ構成なのでここで紹介させていただきます。
変更点は《超英雄タイム》と《Vol-Val-8》の増量、《ヴァルキリアス》のピン挿し。カード解説にも追記しております。
ちなみに戦績は以下の通り。
フルコンプ福岡天神CS(10/20)
1回戦 【ラッカゴスペル】〇
2回戦 【アナカラーマルル】×
3回戦 【デイガファイアーバード】〇
4回戦【青黒COMPLEX】〇
5回戦【無色ジョーカーズ】×
本戦1回戦 【青魔導具】〇
本戦2回戦 【無色ジョーカーズ】(5回戦の人)〇
準決勝 【ラッカゴスペル】(1回戦の人)×〇〇
決勝【逆アポロ】××
有利対面で負けて不利対面で勝ちがちでした。
デュエストCS(11/17)
1回戦 【青黒COMPLEX】 後○
2回戦 【シータガイアッシュ覇道】 先○
3回戦 【黒魔導具】 先○
4回戦 【青黒COMPLEX】 先×
5回戦 【青緑ジャイアント】 先○
6回戦 【アナカラーマルル】 先○
本戦1回戦 【青白天門】 後○
本戦2回戦 【青黒COMPLEX】 後○
準決勝 【青黒COMPLEX】 後○
決勝 【青黒COMPLEX】 後○
【青黒COMPLEX】が大量発生してました。
デッキリスト
今回使用したリストはこちら。
回し方は超単純。マナを溜め《ドリームドラゴン》や《ボルシャック英雄譚》から《バクテラス》を投げつけ圧殺するだけです。
【リースボルシャック】と一口に言っても【ボルシャック軸】、【王道ドギラゴン軸】など色々な型がありますが、本構築は言うなれば【アーマード軸リースボルシャック】です。
【アーマード軸】の強みは主に3つあります。
①多色24枚かつ自然18枚、光14枚と比較的安定した色バランス
ボルシャックに限らずリース基盤のドラゴンデッキを組んだことのある方ならよくご存じだと思いますが、このデッキタイプは《メンデル》《栄光》基盤を採用するため確実に多色まみれデッキになります。
しかもボルシャックはその上《ドリームドラゴン》と《バクテラス》も確定枠となるので、構築開始とともに16枚の多色カードを抱えて生きていかなければなりません。何の考慮もなく強いカードを詰めていくと平気で多色28枚とか30枚とかになります。
本構築では多色24枚の比較的スマートな配分に収めつつ、自然18枚、光14枚と《メンデル》や《ドリームドラゴン》の使用に支障をきたさない程度の色バランスを確保しています。
②《XXDDZ》や《Vol-Val-8》による安全なフィニッシュ性能
《バクテラス》の爆発力は他の追随を許さないほどですが、それに呼応してトリガーもインフレしているのが現代デュエマ。《「真実を見極めよ、ジョニー!」》や《オリオティス・ジャッジ》等強力な呪文トリガーを構える【ラッカゴスペル】や踏んだらドボンのカードを8枚体制にした【青白天門】等、物量で押し切るのが難しいデッキは一定数存在します。
そういったデッキに勝ち筋を生み出すために《バクテラス》から射出して呪文ロックができる《覚醒連結 XXDDZ》、EXライフとJDとEXターンで無理やり突破できる《禁断竜王 Vol-Val-8》を採用し、突破力を底上げしました。
フィニッシャーの枠は互換性があるので、環境に合わせてチューンできるのも嬉しいです。
③有効トリガー8枚体制のジャスキル程度なら意外と防げる受け
従来の【赤緑ボルシャック】は防御札を《ボルシャック・ドギラゴン》だけに頼っており、革命0トリガーを成功させるために構築の制限を強いられていました。
しかし、今回リース基盤が開拓されたことによってバクテラスの出力を損なわないまま強力な受け札を採用することが可能になり、《ボルシャック・ドギラゴン》を採用せずともトリガー8枚、そのうち4枚はスパークという最低基準をクリアしたビートダウン耐性を獲得したのです。
【ボルシャック軸】は爆発的な打点形成力とボルシャック間のシナジーで相手を処理落ちさせることに長け、【王道ドギラゴン軸】は《王道の革命 ドギラゴン》による対応力と防御性能がアピールポイントですが、【アーマード軸】はそれらがバランス良く収まっているのが長所と言えるでしょう。
以降、リストの上から順に採用理由や強みを解説していきます。
カード解説
《メンデルスゾーン》×4
ドラゴンデッキの友①。先3《バクテラス》という夢を可能にするために必須の1枚です。ほぼ確定枠と言って差し支えないでしょう。
私は《メンデル》でよく《メンデル》を捲ります。
《ボルシャック・栄光・ルピア》×4
ドラゴンデッキの友②。人によっては先3《バクテラス》の再現率向上やそこからの打点増加を買って《ボルシャック・ゾーン》を採用していますが、個人的には栄光を推しています。
まず栄光の強みは、3t目に出してブーストが成功すれば次は6マナ用意できる点です。
リストには手出しして嬉しい6コストのカードが《ボルシャック・モモキングNEX》しか無いため恩恵を感じづらいですが、《超英雄タイム》でメタクリを焼いたり《決闘者・チャージャー》でパーツを拾い集めてから《ドリームドラゴン》を着地させられるため、想像以上に動きの幅がグッと広がります。
また、従来の【赤緑ボルシャック】のように、2t《メンデル》→3t《栄光》と動くことで4t目には《ボルシャック英雄譚》を唱えることができます。
《ドリームドラゴン》や《バクテラス》を引けなくてもマナブーストさえすればサブプランの《英雄譚》で捲れるという点を評価して栄光を採用しました。
そして《ボルシャック・ゾーン》不採用の理由ですが、主に2コスブースト8枚体制にしても思ったより3t《バクテラス》着地は決まらないことが挙げられます。3t《バクテラス》を実現するには2ターン目のブーストで3色を揃えるだけでなく手札に《ドリームドラゴン》と《バクテラス》の2枚を抱えておく必要があり、実はそうそう決まらない上振れムーブです。体感では10回やって1回決まるかな~程度でした。
詳細は後述しますが、発売前から《ドリームドラゴン》の強みは「3t《バクテラス》が可能なこと」というより「安定した4t《バクテラス》が達成できること」だと感じていたこと、
また《バクテラス》の捲りで簡単に過剰打点を出せるため上面の《ネオ・ボルシャック・ドラゴン》が無くても打点は問題ないこと、《栄光》と相性のいい《Vol-Val-8》を採用することも勘案して《ボルシャック・ゾーン》は不採用としました。
《ボルシャック・ドラゴン/決闘者・チャージャー》×4
このデッキで一番強いブーストカード。3t目に最重要パーツたる《ドリームドラゴン》と《バクテラス》を拾い集めながらブーストする、というムーブが4t《バクテラス》着地の再現性を飛躍的に向上させています。
上述したように、6マナある状態でこのカードを使い、パーツを集めて発射という動きもできるのが最高に噛み合いが良いです。
唯一と言ってもいいリソースカードなので大事にしましょう。時には2tメンデルを諦めて《決闘者・チャージャー》を撃つ勇気が求められます。
上面は淡泊ですが、《バクテラス》下ではSA2打点の警戒持ちブロッカーに化けるため意外と侮れません。
《ボルシャック・スーパーヒーロー/超英雄タイム》×2
盤面処理の鬼。上面は《王道の弾丸 ジョリー・ザ・ジョニー》が着地してない状態の【無色ジョーカーズ】や【青黒COMPLEX】に刺さります。全体除去なので《異端流し オニカマス》や《キール・ロワイヤル》も消せるのが偉い。
下面は【デイガファイアーバード】の《ハッター・ルピア》、【青黒COMPLEX】の《ボン・キゴマイム》や《カレイコの黒像》等各種メタカードを低コストで除去できます。
特に《カレイコの黒像》は【リースボルシャック】にとって天敵と言っていいほど強烈なメタなのでエレメント除去は絶対に採用しましょう。
赤単色としてマナに埋めたい時もあったため、個人的に2枚と言わず3枚は積みたいカードでした。
追記(11/19)
11/17のCSでは3枚に増量。【青黒COMPLEX】や【青白天門】の《DGパルテノン》や【青緑ジャイアント】の《とこしえの超人》など役割対象が多かったので増量して正解でした。
《ボルシャック・モモキングNEX》×2
《栄光》から綺麗に繋がり《バクテラス》や各種大型アーマードにアクセスできるボルシャックとして採用。【赤緑ボルシャック】からの続投。
《ホーリーグレイス》との噛み合いが良くなかったので採用するならどちらかを抜いた方がいいと思われます。多分ボルシャック軸ならもっと真価を発揮できるはず。
余談ですが、(スター)進化クリーチャーを採用するリストで《ドリームドラゴン》からチェンジ《バクテラス》をする際は処理順を
①《バクテラス》にチェンジ
②《バクテラス》のcipを解決
③《ドリームドラゴン》のアタックトリガーを解決
に固定した方が良さそうです。
これを動かすとチェンジ《バクテラス》がスター進化の耐性のせいで失敗したり《バクテラス》の上に進化が乗ったりしてしまいます。
《光鎧龍 ホーリーグレイス》×4
白単色で受け札になる唯一無二のアーマード・ドラゴン。
光文明であることが何よりも重要で、どうして光文明が重要なのかというと、安定して3~4t目に《ドリームドラゴン》を出すためには白が最低12枚は必要だからです。
しかし、せっかく光文明を採用するなら何か光文明の強みを活かしたカードを採用したいものです。光文明の強みとは何か。そう、スパークという受けの強さです。
【リースボルシャック】は《バクテラス》さえ着地してしまえば圧倒的過剰打点で並のデッキは圧殺できるため、どうやって《バクテラス》着地まで凌ぐかが問題になると構想段階で考えていました。
そのため、タイミング良く踏ませればどんな過剰打点も止めることのできる全タップはまさに求めていたものだったのです。
そしてスパーク効果を持つアーマード・ドラゴンを欲すると、概ね《ボルシャック・NEX/スーパー・スパーク》か《ホーリーグレイス》のどちらかを採用することになります。
前者は上面がボルシャックである点、マナブーストの《栄光》と除去の《大河》を状況に応じてリクルートできる点、火文明であるため《ボルシャック・カイザー》のシビルカウント5達成に貢献する点等多くのメリットがあり、出来ることの幅広さは《ホーリーグレイス》を優に上回ります。
しかし、《NEX》を採用すると多色がどう頑張っても27枚を超え、多色事故によって安定したマナカーブを確保できないと考えたため断念。安定性の高い《ホーリーグレイス》を選択しました。
なお、《ボルシャック・NEX/スーパー・スパーク》を採用したフルパワー構築が『デュエキングDreaM2024』発売当日のCSで入賞しています(フォロワーさんとはいえ勝手に引用してすみません)。多色27枚でも回るデッキパワーの高さ、ひいては【リースボルシャック】の多様性を示した素晴らしい一例です。
ですが《ホーリーグレイス》にも良いところはたくさんあります。
1つ目は上述したように単色である点です。《ボルシャック・NEX/スーパー・スパーク》を採用した場合、3t《バクテラス》を決めるには《メンデル》を撃つため1~2ターン目はマナに置けず、《メンデル》の2ブーストで運良く12枚ちょっとの光文明を埋めないといけないのです。
《NEX》入りのリストで回してみたのですが、せっかく先2《メンデル》が決まったのに色事故を起こして先3《バクテラス》ができなかった時の悲しみに向き合うことができませんでした。
ぶっちゃけ先3《バクテラス》なんて上振れもいいところなので拘る必要は無いのですが、やっぱり出来るのならやってみたいのが本音。
上振れでこそあるものの現実的な確率で起こせるのならそれは立派な強みであるという思想の下、それをたぐり寄せやすい光単色に軍配が上がりました。《ドリームドラゴン》には「夢」という名において人を狂わせる何かがあるようで……。
話を戻して2つ目はスパークが肉体を持っている点です。《バクテラス》で踏み倒した時に相手クリーチャーを寝かせて盤面を全処理しにいけるのは勿論、クリーチャーなので《奇天烈シャッフ》や《王道の弾丸 ジョリー・ザ・ジョニー》にロックされません。《シャダンQ》&《夢の弾丸》はシラナイ
単純に盾から出てくる2打点は嬉しいですし、今回は採用しませんでしたが《輝く革命 ボルシャック・フレア》や《ボルシャック・ヴォルジャアク》に革命チェンジするカウンター的な動きもできます。
3つ目はゲンムに無視されない6コストである点です。【青白天門】に好き勝手展開されてゲンムで蓋をされてもワンチャンを掴みにいけるのが高評価。
このように《NEX》にも《ホーリーグレイス》にもそれぞれ強みと弱みがあるので多色枚数やボルシャック濃度と相談して決めてください。
《ボルシャック・大河・ルピア》×4
新生【リースボルシャック】を陰から支える名脇役。モード効果で3000以下全破壊か1体マナ送りを放てます。
何といってもボルシャックかつ使用に耐える除去トリガーなのが偉いです。今までのボルシャックトリガーって除去が「パワー〇〇以下」とか「コスト〇以下」とか制限がかかっているものが大半で、踏ませたはいいものの有効トリガーとして機能しないという場面がしばしばありました。
しかし《大河》はいつ踏ませても最低1体は止めてくれるのがありがたいです。《オニカマス》や《キール・ロワイヤル》を焼ける3000以下全破壊も意外と侮れません。
今までの【赤緑ボルシャック】は受けを《ボルシャック・ドギラゴン》に依存していましたが、《ボルドギ》が環境的に逆風な今、本構築の主張点である最低限の受けを保障してくれるのはこのカードのおかげでもあります。
そして《バクテラス》のチェンジ元なのも嬉しいです。ジャスキル狙いで攻めてきた相手の攻撃を捌きつつ、返しはマナを別のことに使ってから《バクテラス》にチェンジできるのはやはり強い。
とはいえ7マナ払って出すかと言われるとちょっと微妙で、(マナ基盤として優秀なのもありますが)マナに埋めてしまうことも多かったので3枚に減量、もしくは思い切って不採用でもいいかもしれません。
SAが付いてたら確定枠にしてたぐらいですが、逆に《バクテラス》にアクセスしやすすぎて調整で削除されたんだろうな~という裏事情がヒシヒシと伝わってきます。
追記(11/19)
11/17のCSでは3枚に減量。3枚でも意外となんとかなりそう。ただ【青白天門】の《ハーデス》をマナ送りにするのに欲しくなった瞬間はありました。
《ボルシャック・ヴォルジャアク》×2
満を持して登場した最後の五龍神・ボルシャック。11/17のCSで使用。
盾増やしでトリガーワンチャンを掴みやすくできる点、終極宣言で盾を手札に変換できる点、《XXDDZ》と違って《ボルシャック》である点、SAを持つ《バクテラス》のチェンジ元である点を評価して採用しました。《ドリームドラゴン》が引けないとチェンジ《バクテラス》ができないのがもどかしかったので、そこを緩和したいというのが主目的です。
正直なところ、「これ《ボルシャックフレア》でも良くない?」と思いながら試合をしていたのですが、決勝の【青黒COMPLEX】戦では1ターン生き残って終極宣言を発動。求めていたメタ除去の《超英雄タイム》を盾から引き込みつつ、次ターンは《COMPLEX》のダイレクトアタックを阻止するという大活躍をしてくれました。後ろ寄りの環境だと《ヴォルジャアク》の方が刺さりが良いみたいです。
《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》×4
ボルシャックの救世主。テキストを初めて見た時はあまりに《バクテラス》に都合が良すぎて「?????」って感じでした。
詳しく語ると長くなるので割愛しますが、《バクテラス》は専用構築の【赤白バクテラス】を組んでも4t着地が最速であり、それでも尚《ドラゴンズ・サイン》を素引きしないといけなかったり《バクテラス》の効果がしょっぱかったり盾に3点パンチしないといけなかったりと幾つもの問題点を抱えていました。
しかし、散々言ってきたように《ドリームドラゴン》は最速3tで《バクテラス》にチェンジすることが可能でありながら、疑似MFで安全性も確保できて要求パーツも少ないのです。まさしく夢のカード。
という訳でカードが公開されてすぐにリストを考えたのですが、これが意外にまとまらない。
理由は単純で、デッキ構築をするにあたって気にしないといけない要素が多すぎるからです。【リースボルシャック】を考えたことのある方はこの難儀さをよくご存じでしょう……
①2t目に《メンデル》を撃てるだけの充分な自然枚数。最低でも16枚、できれば18枚は欲しい。
②3~4t目に《ドリームドラゴン》を召喚できるだけの充分な光枚数。最低でも12枚、できれば14枚は欲しい。
③デッキとして何とか回ってくれるだけの多色枚数の抑制。【赤緑ボルシャック】での構築から26枚がギリギリの限度だと感じたが、どうやら意外と融通が効いたらしい。
④《バクテラス》の出力を損なわない、充分なアーマード枚数の確保。《バクテラス》自身がハズレになるため不純物は13枚を超えると結構危うい。
⑤《ボルシャック英雄譚》の出力を損なわない、充分なボルシャック枚数の確保。
⑥《バクテラス》から出てしっかりゲームを終わらせてくれるフィニッシャーの確保。
これらを100%満たしたデッキを作るのは非常に難しい……というか現状不可能だと思います。【リースボルシャック】の構築が人によってガラリと変わるのはどれに重きを置くかで分かれるからでしょう。
ともかく、この《ドリームドラゴン》が、パッと見先3《バクテラス》とかいう理性をどこかに放り投げた無責任なカードに見えてその実繊細なバランスの上に成り立っていること。
そしてこのカードの本質が『3t《バクテラス》という上振れメイカー』ではなく、『安定した4t《バクテラス》発射の担保と、堅実なボードアドバンテージの確保』であることがプロキシを回してて見えてきました。
《決闘者・チャージャー》から繋げるルートなら1~2t目は好きにマナ置きできますし、4t目も多色をマナに置けます。もしブーストが一切引けなくても《ドリームドラゴン》と《バクテラス》さえ揃えれば4t目に決められますしね。
そして相手目線、下手にクリーチャーを出すと《ドリームドラゴン》のエサにされます。クリーチャーを出そうとする度に「チェンジ《バクテラス》で突然のゲームセットに追い込まれる」という強烈な裏目を意識させられるため、やりづらいことこの上ないでしょう。
たとえチェンジ《バクテラス》をされなくても、たとえば【無色ジョーカーズ】は《スーパーヒーロー》や《大河》が捲れるだけで盤面が崩壊します。このように、このカードのおかげで【リースボルシャック】はメタカードの少ない盤面を築くデッキ(e.g. 【アナカラーマルル】)に構造上優位に立てるデッキとなったのです。
《覚醒連結 XXDDZ》×2
バクテラスから捲れて嬉しいフィニッシャー①。【ラッカゴスペル】や【青白天門】は強力な呪文のトリガーがあるため、それらへの対抗手段として搭載しました。
ぶっちゃけトリガーケア目的なら《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》等でもいいのですが、少し多めに白マナを確保したかったのと【緑零ゼニス】の《「戦鬼」の頂天 ベートーベン》を突破する手段をデッキ内に用意したかったのもあってこちらを採用。
《禁断竜王 Vol-Val-8》×2
バクテラスから捲れて嬉しいフィニッシャー②。
【シータモルトNEXT】が流行りの頃から思っていたのですが、実は不意に《Vol-Val-8》を投げられると大体のデッキは死にます。
実際CSで《Vol-Val-8》が出てくると対面の方々がおしなべて嫌そうな顔をしていたので多分事実だと思います。
準決勝の【ラッカゴスペル】戦では《氷柱と炎弧の決断》や《「真実を見極めよ、ジョニー!」》で選ばれず、《オリオティス・ジャッジ》も1回耐えるという脅威の生存力で勝利を掴みました。
《バクテラス》で展開した《栄光》や《大河》、《ボルシャック・ドラゴン》などを砕いて追加ターンをもぎ取りにいったり、アタックトリガーで《バクテラス》を持ってきて禁断の《バクテラス》”2度打ち”できるシナジーも魅力的。
色基盤としても優秀で、1t目から遠慮なくマナに埋められます。
《ボルシャック》名称で統一するとフィニッシュ手段が物量一辺倒になるので、そこを上手くカバーしてくれるフィニッシャーとして採用しました。自分が安全を確保しないと盾を詰められないチキン説は無くもない。めちゃくちゃ強かったので3枚に増量するのを真剣に検討しています。
追記(11/19)
11/17のCSでは3枚に増量。【青黒COMPLEX】戦で《ドリームドラゴン》から捲れて形勢逆転したり、【青白天門】戦で2体並んで2回EXターンを取ったりとめちゃくちゃ活躍してくれたので増量して正解でした。
《ボルシャック・クロス・NEX/ボルシャック英雄譚》×4
巷では【リースボルシャック】に要るのか要らないのかで議論が巻き起こっているらしいカード。
個人的には《ドリームドラゴン》に全てを依存すると引けなかった時が悲惨なのでサブプランとして採用したい派です。手札リソース確保手段も《決闘者・チャージャー》しかないので引けない時はとことん引けません。
マナさえ溜めればトップで全て解決できるっていうのも【ビッグマナ】の強みだと考えているので、そこは損ないたくないなと感じました。
ただ、本構築では《XXDDZ》や《Vol-Val-8》といった非ボルシャックにフィニッシュをお願いしているため、やや出力が物足りないとは感じていました。
《英雄譚》以外のサブプランを搭載できるなら抜けることも充分あり得るカードだと思います。
上面もなかなか強く、【青黒COMPLEX】の《終止の時計 ザ・ミュート》や【無色ジョーカーズ】の《RinRin Kids》といった物量関係なく止めてくるトリガーを封殺でき、仮にターンを返しても相手の動きを大きく阻害できる縁の下の力持ちです。
追記(11/19)
色々考えてみましたが、やはり1枚で試合を終わらせられるという点が強力なので【アーマード軸】なら4積みしたいという結論に至りました。
決勝戦では上面を9マナ払ってポン置きすることで《ライヤ》を出し入れした《COMPLEX》のカウント進行を阻害するという謎の活躍も。
《超竜ヴァルキリアス》×1
オシャレ枠。11/17のCSで使用。
《バクテラス》と非アーマードの強力なドラゴンの橋渡しとして採用されることが多いですが、普通にマナから《Vol-Val-8》や《バクテラス》を出力しても充分強かったです。《メンデル》や《栄光》でマナに埋まってしまった大型に触れるという安心感がすごい。
【アーマード軸】ならマナ置きした大型を引っ張り出すのが役割なので1枚あれば事足りるように感じました。ここの枠は自由なので好きに弄ってください。
《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》×4
【リースボルシャック】の顔。私が【リースボルシャック】を使いたい理由は「バクテラスがカッコイイから」が9割を占めています。カイザーの顔ファン。
今まではチェンジ条件の厳しさや色の噛み合わなさがネックでしたが、《ドリームドラゴン》とかいう理解のある彼くんが全てを解決してくれました。
《バクテラス》が出れば基本的にそのまま勝てることは過去の経験から理解していたため、今回は《バクテラス》が無事に着地できるよう受けと再現性に寄せた構築にしてみました。
とはいえ案外《バクテラス》が1回着地しただけでは不安の残る試合もあったので、次回はもっと殺意火力に寄せた構築にしてみようかしら。
ちなみにアンタップ効果のタイミングは「各ターンの終わり」なので謎にEXターンへの耐性があります。【デイガファイアーバード】対面では役に立つ……かもしれない。
採用候補
《輝く革命 ボルシャック・フレア》
《バクテラス》の優秀なチェンジ元。
《ドリームドラゴン》で作った的を確実に処理しつつ、相手のカウンターを難しくさせるボードアドバンテージの鬼。《「戦鬼」の頂天 ベートーベン》をシバけるのも良い。
前のめりな環境だとなかなかキツい圧をかけてくれます。
《超竜 バジュラズテラ》
採用有力候補。最近の環境でドラゴンを多数採用してるデッキはほとんど無いのでクリティカルに刺さります。
たとえば【ラッカゴスペル】なんかはどれだけ墓地が肥えていようと《キリモミ》&《ゴスペル》の動きで最低でも3マナを要するので、これさえ出してしまえば仮に受けきられてもカウンターを許しません。
《「戦鬼」の頂天 ベートーベン》の耐性を消したりも。ベートーベンに対する怨嗟が強すぎる
《竜魔神王 バルカディア・NEX》
退化での不正入国でしょっ引かれたクソバカ。通称バカネク。
召喚はおろかコスト踏み倒しすら困難な超重量級カードでも《バクテラス》なら出力できます。出るだけ呪文封殺なので【ラッカゴスペル】等呪文をメインに据えるデッキは一発で詰ませてくれるのが《XXDDZ》より優れてるポイント。
進化条件がアーマード・ドラゴンなので《ホーリーグレイス》の上には乗れない疑惑がある。アーマード・アポロニア・ドラゴンのアポロニア抜きください。
《龍騎旋竜 ボルシャック・バルガ》
対【青白天門】最終兵器。手札でダブった《Vol-Val-8》等を踏み倒せるのがとてもありがたいです。
《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》
《ドリーム・ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》
最凶のトリガー拒否フィニッシャー。先3《バクテラス》からこんなの飛んできたら泣く。
《ホーリーグレイス》と一緒に出るとブロッカーを寝かせて確実に焼却できるのがオシャレポイント。
《強襲竜 ボルシャック・レイダー》
《ライダー》のマブダチ。《栄光》から3→6で繋げつつ《ドリームドラゴン》や各種《バクテラス》のチェンジ元を探しにいけるため4t《バクテラス》の再現性が上がります。
《英雄譚》と選択だけどもしかしたらこっちの方が強いかもしれない。爆発力を取るか安定性を取るかで分かれそう。
他にも採用候補は色々ありますが、ひとまず紹介はここまでに。
対面相性
主観にまみれているのであまり参考になりませんがざっくりとした印象を書いていきます。
【デイガファイアーバード】
不利対面です。単純に向こうの方が速い上に案の定《ハッター・ルピア》や《ハンプティ・ルピア》が重いです。友を裏切った鳥どもを許すな
とはいえ【ファイアー・バード】は性質上コスト9以上の大型クリーチャーを退かすのが難しいため、《Vol-Val-8》や《バクテラス》が着地したらほぼ勝ちです。抗う余地はあるので相手の引きが悪いことを祈りましょう。
【ドロマーマーシャル】
不利対面です。フィニッシュをボルシャック軍団の雑パンチと《Vol-Val-8》の貫通力に依存しているため盾からのループを止める術に乏しいです。1体で2〜3枚盾を割ってしまいがちなのも難儀。
《XXDDZ》や《ボルメテウス》系統などのロッククリーチャーが捲れることに期待しましょう。
【青黒COMPLEX】
個人的には微不利だと思っていますが戦績的には五分あるかもしれません。《カレイコの黒像》や《オニカマス》、《ボン・キゴマイム》などメタの一つ一つがキツいですが《Vol-Val-8》が着地すれば全て焼き払えるのが大きいのかも……?
あと【青黒COMPLEX】側は《ホーリーグレイス》をケアする手段が無いためマナさえ溜めれば43%の勝ち筋があると言えなくもないです。
【アナカラーマルル】
有利対面です。《ヨビニオン・マルル》や《デドダム》をエサにしてチェンジ《バクテラス》ができますし、《深淵の逆転撃》1枚程度ではボルシャック軍団は止まりません。
安易な踏み倒しによる《ガイアッシュ・カイザー》のカウンターが負け筋になるので気を付けたいです(1敗)。4t《CRYMAXジャオウガ》の雑パンチは割り切りで……
【無色ジョーカーズ】
有利対面です。《王道の弾丸》が着地するまでは非力な小型が並ぶので、《スーパーヒーロー》で薙ぎ払ったり、《超英雄タイム》で《ベイビーポンの助》を焼いてから《ドリームドラゴン》で踏みつけたりすれば概ね勝てます。
相手が大きく上振れるとちょっと難しいですが有利と言って差し支えないと思います。
【青白天門】
あまり戦ったことが無いので正確なところは分かりませんが、恐らく五分じゃないかな~と思ってます。
《ホーリーグレイス》や《ドリームドラゴン》でブロッカーを寝かしつつ過剰打点で押し切るのが勝ち筋となりますが、《ハーデス》で盤面を減らされたり《バウ・M・ロマイオン》で粘られるとライブラリアウトが気になってきます。本戦では《Vol-Val-8》のJDとEXターンで押し切ったのでそこの有無が大きいように感じます。
結論
《Vol-Val-8》is GOD。
あとがき
以上で【リースボルシャック】の解説を締めくくらせていただきます。
運が味方してくれたのもありますが、自分の考えたリストでCS入賞が果たせてとても嬉しいです。起源主張とかでは決してないです。
今回はボルシャックの魅力を伝えるべく私がデッキ構築にあたって考えていたことを言語化しようと努力しましたが、ちゃんと伝えられたか一抹の不安を拭いきれません。
拙い文章でしたがここまでお付き合いいただきありがとうございました。