uniquadの音楽の目指すところ
uniquadは、僕がやりたい音楽があるということで始めたバンドだ。だから、どんな音楽を作っていくかの方向性を示すのは、今さらながら僕の責務なのではないか。ということで、ここに大枠だけでも方向性を標そうと思う。
以前にも「uniquadの目指す音楽を端的に言うと?」と問われたことがあり、その際に「しなやかな音楽」と答えたことがある。
この「音楽のしなやかさ」ということに関して、僕の中ではわりとちゃんとしたイメージがあるんだけど、これを他のメンバーに言葉で伝えるのはなかなか難しい。でもこれを機会にどうすれば伝わるかを考えてみる。
少し話が逸れるようだけど、大学の時に軽音楽サークルのようなものに所属していて、みんなで音楽を聴いていた時、1、3拍で手拍子をしていたメンバーがいて、結構馬鹿にされていたのを覚えている。僕は当然のように2、4拍で手を打っていた。今考えてもそれが正解だったとは思う。世間一般のノリのある音楽に対して手を打つなら2、4拍だろう。でも何かそれを取り違いして、音楽において重要なのは2、4拍であり、1、3拍はそれほど意識するものではないと思い込んでしまっていた気がする。それがイカしたミュージシャンだと。
「しなやかな音楽」のイメージにおける重要な要素を言葉にするなら、「重量感」「推進力」「ツヤ」かなと思う。特に一つ目の「重量感」は、アマチュア感を脱するのに、難しいが必須要素と思っている。決して低音が効いているとか、音が大きいとかいうことではなく、地に足が着いてる感じ。あくまでグルーヴとしての要素だ。そしてこの「重量感」を出すのに必要なのが1、3拍の意識ではないかと思う。たとえ全員の音がこのタイミングで鳴っていなくても、全員の意識がこのタイミングでピタッと合っている。そこに重量感が生まれる。
そして、その点をギュインッと伸ばすのが2、4拍で、そこで推進力が生まれる。その4つの拍の間にさまざまなタイミングと強弱の音がブワッと散りばめられ、ツヤを作っていく。そうすることで音が大きくしなやかに繋がっていく。
ああ、つい「ギュインッ」とか「ブワッ」とか使ってしまった。でも音を言葉にするのは難しいのだ。どこかは感覚的に共有するしかないのだ。
でもここが共有できたらuniquadはもっと良いバンドになるに違いない。
少しずつでいいから、自分たちの目指すべき音を感覚的に共有し、追究していけるバンドになっていけばいいなと思う。
ヤマナカ