【五月病は】新卒が入社1年目で経験する5つのイヤなこと【コスパが良い】
蛎田(かきだ):定刻になりました。株式会社ユニポテンシャル定期役員会を始めます。本日の議題は「5月病と新入社員」です。
須田(すだ):今年はゴールデンウィークが長かったぶん反動がすごそうだね。ようやく学生気分が抜け始めたところでいきなり10日も休ませといてまた働けとかヒドいよね。
(以下、蛎田=か・須田=す)
か:新人が仕事を辞めたくなってくる最初の時期ですね。
す:今の子は色々わかってるから「この会社にいてもしょーがねーな」ってすぐ気付いちゃうんだよね。辞められて困る人は「最近の若者は精神的に弱い!」って叩いたりするけど、若者なんていつの時代もそんなに変わってないよね。
か:そうなんですよ。5月病になったからって人材として劣ってるわけではない。むしろ、5月病でもう会社辞めたくなっちゃってる人こそ本当に優秀な人材なんです!!
す:辞めたくなってるのに!?
【5月病になったら、その晩は赤飯を炊け】
役員会の始まりを告げる「ハイボールお願いしま〜す」の声
か:大人になってもゴールデンウィーク開けは憂鬱ですよね。出社直後に夏休みのこと考えてる。
す:休み明けが辛いのは社長でもフリーランスでも変わらないからね。働くのが大変なのはみんな同じ。
か:そう。一回社会に出たら最後、ずっと大変な日々が続くんです。5月病の新人は、そこに気付けてるから、辞めたくなってるんです。
す:まだサークルノリが抜けずに働いてる子達には見えてないと。
か:そうです! 5月病になった人は、他のみんなが気付いていないことに気付けたんです! だから僕は言いたい!! おめでとう! 5月病おめでとう! 今夜は赤飯よ!
す:小豆買って来なくっちゃ。
か:5月病で心の重みを感じるということは、社会人としての責任が詰まったランドセルを背負えた証拠でもあるんです。
【入社6ヶ月以内は辞めない方がコスパが良い】
本日のハッピーアワーは「瀬戸内とりかつ」におじゃましました。駅からのアクセス抜群の、串カツが美味しい高コスパ立ち飲み居酒屋です。
す:5月病になって初めて、社会人の仲間入りが果たせたってことだね。
か:これが本当の入社式なんです。
す:でも、それだと絶望が続く毎日への入り口に思えて、更に憂鬱になる人もいるかも。
か:いえ、むしろ希望を抱いてほしい。一度経験したことは、免疫がついて次から乗り越えやすくなりますからね。それに、責任は徐々に重くなるけど、ランドセルはキャリーバックなんかに進化して、どんどん運びやすくなる。
す:なるほど。5月病を経験したら優秀な人材なのは確かにわかった。じゃあ1ヶ月でそのステージに立てたなら、会社を辞めてもやってけるってこと?
か:いえ。6ヶ月目までは「辞めずにいた方がコスパが良い」と思っています。
どの企業も6ヶ月以内は、研修や通常業務に慣れる期間にあてています。最初から一端に通常業務ができるとは思われていない。
か:でも、給料はひとり分きちんと支払われる。
す:そうです。いわば最初の6ヶ月は、成果がゼロだったとしても給料を貰えるボーナス期間。条件の良い職場に転職が決まっているとかではない限り、そのサービスを享受せず辞めるのはもったいないですよね。
す:企業からすると新人のコスパは最悪だなあ(笑)。でも、そこを通らないと誰も一人前になれないからしょうがないか。まずその一歩目が5月病ってことだね。
か:そう。でも、5月病なんてまだまだ序の口です。
す:なんか今日はツンデレだね。
か:だって、社会で経験するイヤなことなんて1年に738個くらいありますからね!
す(ちょっと言い過ぎじゃない…?) か(大丈夫です…)
す:毎日2つずつくらい大変なことがやってくる計算になるね。
か:連休明けにガッときますよ。ここではとりあえず1年目で経験する、代表的な「社会人イヤなことあるある」を5つ紹介します。
す:5つ経験すれば、もう立派な社会人だね。
か:せっかくなのでスタンプカードをご用意しました! プリントしてデスクに置いておいてください。
今すぐ印刷して「5月病」スタンプを押そう!
か:みんなで一緒に社会人あるあるスタンプをコンプリートしましょう。
す:知らないうちに上司に押されてたりしたら怖いね。
【②望まない配属、おめでとう】
役員の絆は深いので、アツアツの串カツも上手にアーンできる
か:初任地で縁もゆかりもない土地に飛ばされたり、やりたい業務ではない部門に回されたりします。
す:あるあるだね。最初から希望する職種に就くことは珍しいよね。
か:でも、その職種に自分が向いているのか、やりがいあるかどうかなんて、とりあえずやってみなくちゃわかりません。希望職と適職は違うこともある。
す:想像もしてなかった面白いことに出合えるきっかけになったりもするしね。もちろん中には辛いこともあるけど。
か:望まない配属を思考停止で受け入れるのはダメですが、「もしかしたら面白いかも」と思って目の前の仕事に挑めるようになったら、新しい才能を築ける優秀な人材にだいぶ近づいてます。
ふたりでアーンすると、熱さは半分に、美味しさは2倍になる
【③イヤな上司との出会い、おめでとう】
か:自分がイケてないのに偉そうなこと言ってくる上司や、説教が長い上司とかですね。
す:激詰めしてくる上司とかもイヤだね〜。泣いちゃう。
か:社会に出ても、良い上司と出会えるとは限りませんがイヤな上司とは絶対出会います。
す:それは真理だね。ポケモンで例えるなら、イヤな上司はポッポ。良い上司はピカチューかな。
か:イヤな上司とは戦うのではなく、彼らが繰り出す攻撃の受け流し方を習得しておくのが正解ですね。ピカチューを見つけたら、その場で相棒になって一緒に旅を始めてください。
す:意義のある旅をするためには、イヤな上司との距離の置き方が必修科目だね。
か:とは言え、ダメな上司はダメゆえにダメなので、嫌われても問題なかったりします。だからイタズラに体力を消耗せず、社会を渡り歩いてほしいですね。
【④理不尽な目標、おめでとう】
お酒の美味しさも2倍!
か:達成不能な目標や納期を設定されます。
す:これも一生だね。社長になっても取引先とか親会社から詰められるからね。これも慣れとけってことかな?
か:無理をすることに慣れるというよりかは、自分のキャパを早めに知ることが大事ですね。いずれ社会人を続けていけば、白目を剥きながらでも切り抜けないといけない局面は必ず訪れます。
す:黒目が戻ってこない日もあるもんね。
か:その日を迎える前に、「死ぬ気で頑張ったらなんとかなるライン」と「これ以上はただ心身を壊すだけで何も得ないライン」は把握しておきたいですよね。
す:「とりあえず無茶してみる」ほかに「断る」「交渉する」っていくつか選択肢を持てるようになるとラクだよね。
【⑤同級生に先を越されて、おめでとう】
1000円で串揚げ5本とドリンク2杯。かなり高コスパなハッピーアワー
か:大学の同級生が面白そうな仕事を任されたり、やたら待遇が良かったりして、自分だけ取り残された気持ちになります。
す:となりの芝ってわかってても青く見えるんだよね。
か:今はSNSでみんなガンガン発信するので、「企画が通ってプロジェクトリーダーに」とか、「尊敬する先輩の元で働ける今の環境に感謝」みたいな情報がすぐに入ってくるんですよね。
す:みんな良い部分にフォーカスを当てて発信してるというだけで、本当は1年目の新人なんてスキルも仕事内容もどんぐりの背比べ状態なんだけどね。
か:それでいちいちやる気無くしてたらキリないし、そのうち本当に偉くなっちゃう奴とかも出てくるので、自分は自分の道を極めるしかないって早めに覚悟できたら優秀ですよね。
す:これでスタンプ5つ貯まったね。
【スタンプが5つ貯まったらハッピーアワーで奢ります】
2杯目の美味しさも2倍。ふたりならハッピーアワーのコスパは極限に!!
か:この5つを入社して半年のうちに達成できたらかなり優秀な新人です。
す:逆にどんなに優秀でもこの5つを経験するには半年くらいはかかるかも。
か:5月のうちに全部達成した上で5月病になってたら、全国トップレベルで優秀です。もしかしたら今すぐ転職してもやってける実力があるかもしれません。
す:今感じている疲労は成長痛かもしれないんだね。
か:スタンプが5つ貯まった人はぜひ会いに来て下さい。ハッピーアワーで奢ります!
す:そのときまでにまた次のレベルのスタンプカードを作っといて渡したいね。スタンプラリーは無限に続くからね。
か:繰り返しの繰り返しですよね。その仕組みを早めに学べる5月病は、コスパの良い練習期間です。
To Be Continued...
ライター:勝山ケイ素
編集:いちじく舞
写真:なかむらしんたろう
企画・構成:おくりバント