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起きたくない朝もサボテンのために起きるよ。


友達と一緒にサボテンを買った。
私は緋牡丹、友達は黄牡丹を選んだ。

今度遊ぶ時はお互いにサボテン連れてこよう。
日光が好きだからたまにお散歩させよう。

とか言いながらレジまで持って行った。

ヒボタンが四つ並んでいる
ふたつとも昨日入荷したばかりだそう。
紙袋を広げて中のヒボタンに日を浴びせている
このあと紙袋を開いた状態のまま散歩した。
(日光浴!)



サボテンの成長はゆっくりらしい。

気まぐれに花を咲かせることもあるみたい。
花を見るのはなかなか難しいですけど、と店員さん。


友達は、毎日サボテンの写真を撮って成長過程を楽しむぞ!と意気込んでいる。

私もそうしよう。たのしみ。

なんだかすごく、宇多田ヒカル の For you の
「起きたくない朝も君の顔のために起きるよ」
みたいな気持ち。ほがらかな土曜日だった。

サボテンにはお互いの名前をつけた。


日が変わり、テレビで孤独のグルメの再放送が流れている。

ドラマ本編は終わって、原作者の久住さんがメキシコ料理屋を訪れているところだった。




『……サボテンはカットして、サラダに混ぜて…』と店主が言う。

ここで私は、昨日別の友達が言っていた
「サボテンって人の話聞いてるらしいで。(あたしンち知識)」
という言葉を思い出す。

店主がサボテンの調理法について話すたび、チラチラとサボテンの方を見てしまう。

…もしかして、今の聞いていましたか?

サボテンの耳を塞ごうとしたけど、一体どこが耳なのか分からなかった。

私はサボテンを食べない。だから安心しなさいと視線を送る。
いまもじっと耳を傾けている(?)サボテンの隣でピザを食べる。日曜日。

🌵 追記 2024.10.10
掃除中に鉢を落としてしまったときに根が折れたのか、亡くなってしまいました…。名前を借りた友達に申し訳ない。
私の名がつけられた友達のキボタンは、その後もすくすくと育っているようなので、彼女の成長を祈ります。うにをよろしくお願いします。

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