マルタでの1社目を終えて🇲🇹
マルタでの1社目を本日退職しました。
まずは、この1年10ヶ月ほどの在職期間、現在も会社にいる方、すでに退社されている方も含めて共にお仕事をしてきた全ての皆さんにお世話になり、大変感謝しています。
本当にみなさん、ありがとうございました。
この期間を振り返り、自分なりにどのような想いで働いていたのか、それが自分の人生にどのような影響を与えることになるのか、自己満的に振り返るので、今働いている時間に対して、こんな考え方もあるのかと興味程度に、時間のある方はぜひ読んでください。「あ、後輩は絶対最後まで読んでください」(パワハラ)🤣
まず、自分の「仕事」に対するスタンスとしてJR時代から常に意識していることが2つあります。
一つは、テクノロジーの進歩が凄まじいこの時代、人の「仕事」とは「作業」ではなく、「作業」に「価値」をつけることである。
もう一つは、自分よりも若い人を「スポイル(悪影響を与える)」せず、機会やキッカケを与え、背中を押すようにする。
特に二つめは、仕事だけではなく、自分よりも若い人と関わるときに常に意識していることでもあります。
(年上の場合はおこがましすぎるので、そういう関わり方は基本しません)
マルタに渡航して、この価値観を今の職種に当てはめて日頃の業務を行っていましたが、振り返ると「付加価値」をつけるということに全力で取り組んでいなかった点、強く反省しなければいけません。
確かに、決められている会社の規定を守りながら、求められるパフォーマンスを発揮していましたが、これはあくまでも「作業」です。
シニアとして、同僚や後輩からの質問には常に真摯に、正確に答えることができるようにと知識のアップデートなどもしていましたが、今振り返るとあまりにも弱い「価値」と言わざるを得ない気もしています。
ロールモデルとしての「価値」をつけきることができなかった点は反省です。
二つ目の若い人をスポイルしないという点については、社内での自分の年齢などを考慮した結果、自分のこれまでの知識や経験が若い人の何かしらのキッカケや気づきになってほしいという想いのもと、なるべく多くコミュニケーションを取るように休憩のたびにカンティーンに行くようにしたりするなど、意図的にしてきました。
これは、先ほどの若手をスポイルしないという価値観の他に、「時間は有限である」という価値観を強く持っているからの行動でもありました。
この会社で働いている時間を、「作業」だけに充てることは全然可能です。
しかし、恐らくここで働いている人のほぼ全員が数ヶ月から1年、長くても数年で活動の場所を変えていきます。
次の場所に行くのであれば、次の場所ではマルタでの時間が有意義なものとして蓄積されている方が、様々な機会がその人に訪れます。
そう考えると、マルタにいるこの時間を「作業」だけに充ててしまうのはあまりにも勿体のないことだと、自分は思っているわけです。
もちろん、自分の人生に「価値」をつけるためにすでに様々な行動をしている人がいるのも分かっています。
そもそも「価値」をつけないことに自分の幸福度を高めるという価値観があるのも理解しています。
自分よりも年上の方の場合は、恐らく自分よりも様々な経験をした上での行動なので、それは「選択」になっている場合がほとんどであると思うのですが、若い人の場合はそれが「選択」ではない場合が多いのではないかと思っています。
だからこそ若い人と話す時は「今後」について積極的に質問するようにしていました。それは自分の理想と現在の自分との乖離がどの程度あるのか、他人との会話の中で気づくきっかけになったらいいなと思ったからです。
正直、ただのお節介でしかないのですが、先ほども言ったように時間は有限で、本来であれば会社という組織に属して時間を過ごすということは、OJTやメンター制度などの会社のリソースを使った教育を受け、様々な人材と交流することでのいくつかの新たな価値観の発見、経験の蓄積をすることができるようになっていますが、残念ながら今の会社にそのような機会や制度は備わっていません。
年齢に関係なく同じポジションで同じ業務を行う会社は、少なくとも僕は初めて経験したし、恐らく稀で、今後の皆さんの人生でそのような会社に属することは少ないと思います。
日本ではJRという恵まれた環境で、様々な教育を施されました。20代の前半をそのような場所で過ごしたのは、間違いなく今の財産になっていますし、別にこのような価値観になったからといって、プライベートの全てを犠牲にしているわけでもありません。
と、このように考えると、あまりにもお節介ではありますが、どうにか若い人にも僕が20代で受けた様々な価値観を与えてあげたい、それを活かすかどうかは別で「選択」ができるようになってほしいと強く思い、キャリアや人生についての会話などには全力で答えてきましたし、それがこの会社の中での自分の年齢を踏まえた役割なのだろうと思いました。
本来であれば自分よりも年上で経験のある人の方が説得力も増すんだろうけど、僕が今までの人生で接してきた先輩や上司に比べるとドライですよね、ただこれは彼ら彼女らが「選択」したことなので、それが良い悪いということではありません。
ただ、自分は若い人にそのような経験をしてほしいというのが「選択」となり行動してきたつもりではいますが、これも正直、日本にいた時の自分のアグレッシブさに比べれば、どこか遠慮していたのか不足していたのかもしれないと思っています。
若いみんなにどれくらいの「価値」を提供できたのか、どれくらいコミットしてあげることができたのか、ドライになっていた自分の姿を最近は猛省しています。
だからこそ若い人に伝えたいこと
ここで自分がマルタで関わった若い人に残したい言葉を書きます。
今、マルタで過ごしている時間は、恐らく今後の人生の中でも経験することがないような稀な時間です。
日々の業務の中で行っている「作業」は、給与の金額からは想像もできないほどの低い要求度です。にもかかわらず、ありとあらゆる不平不満を並べる人もいます。
「価値」ではなく、「作業」に対してフォーカスし過ぎている人もいます。
そもそも、会社に来るとか決められているルールすら守れない人もいます。にも関わらず自分の権利ばかりを主張している人もいます。
正直、自分の海外生活を維持できない、他人に迷惑をかける、自己解決力がないとかっていう次元は『論外」です。
もし、皆さんがマルタでの時間を終えて外に出て行った時、上記のような人は恐らく存在していません。ただ、そのような人たちと再会してしまう可能性もあります。
それは、皆さんが上記のような人になってしまっている場合と、上記のような人と時間を共有している場合です。
まず、そのような人にならないためには、自分自身がそのような「経験」を得ないことです。「経験」は「習慣」に変わります。「習慣」を変えるのは強いエネルギーが必要です。良い影響を及ぼさないことに関しては「経験」しないようにするというのが非常に重要になります。
確かにマルタという国の雰囲気も緩いし、会社の雰囲気も緩い、周りの国の同僚たちの雰囲気も緩い、だから自分も緩くても大丈夫かもしれない。
そう考えるのであれば、この緩さは、彼らの将来にも返ってくるし、自分の将来にも返ってきます。自分の理想に辿り着かないという形で。
人生なんて、いつかどこかで歯を食いしばってないといけない時間があるし、それは多分早い方がいいんだろうとも思う。
そして「環境」は「人」です。
「この大学は優秀」なのではなく、優秀な人がその大学に入っているだけです。
「誰」と時間を共有するのか、人は「経験」から学ぶほかにも他者の「歴史」からも学びます。
通常であれば、良い大学に入るには勉強する必要があるし、良い企業に入るためにはスキルや経験を持ち合わせておく必要があります。
しかし、今マルタにいる時間は、海外生活を求めて幅広い年代の幅広いバックグラウンドを持った人と出会う良い機会があります。
良い方もそうではない方も振り幅がありますが、「選択」次第では、日本では叶わない価値観やキッカケとの出会いがあるかもしれません。
ここまでを踏まえ、皆さん自身も今後は、今の仕事への向き合い方や、その時間をどのように自分に投資するのか、他者に対してどのような振る舞いを役回りとして全うするのかを考えてみてほしいですし、ぜひ行動してほしいなと思います。
なぜ、自分がこのようなお節介な役回りをしているのか、それは自分の成長にも繋がるからです。
相手にとって有意義だと思ってもらえるようなコミュニケーションを取るためには、自分自身が常日頃からインプットをし続けておく必要があります。このインプットをする機会があるということ自体が、自分自身の成長につながります。
誰かのキッカケとなることができるかもしれない上に、自分自身の成長にも繋がる。このような役回りをしない理由を見つける方が難しいような気がします。
結論として、何が言いたいのか。
解釈やそれをどのように自分の生活に落とし込むかは、その人がどのような理想像を描いているのか、人それぞれなので書きませんが、恐らく行動に変化した人は僕が言いたいことが伝わっているのだと思います。
皆さんが今後どのように過ごしていくのか、僕自身の成長のために、ぜひまたどこかで海でも「見ながら」コミュニケーションを続けていきましょう😊