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「人がいたから乗り越えられた」。スタッフが語る、チャレンジングだったカミキタハウスの1年半

みなさんこんにちは!KAMIKITA HOUSE住人のきどみです。

大人気KAMIKITA HOUSE住人インタビューシリーズ。28回目は、特別ゲストとしてスタッフのジェシカさん&ラナさんが登場!

これまでは学生と社会人が共に生活していたKAMIKITA HOUSEですが、9月からは完全に国際学生寮へと移行します。

変わりつつある今だからこそ言えるぶっちゃけた裏話を、お二人に語っていただきました。

ジェシカ
南イギリス出身。KAMIKITA HOUSEの総支配人。趣味はブラジリアン柔術、サイクリング、ガーデニング、読書。最近は発酵食品を自宅で作っている。 

ラナ
沖縄県石垣島市出身。KAMIKITA HOUSEのアソシエイトスタッフとして、主にフロント業務を担う。趣味は、漫画、イラスト、ガーデニング。

学生と社会人の違いや難しさを感じた1年半

ーージェシカさんは、グループ寮であるハクサンハウスを含めて、シェアハウスで長く勤務していますよね。働いていて、どんなことを感じますか?

ジェシカ:
2017年の秋にユニネスト合同会社(※ハクサンハウスやカミキタハウスを運営している会社)で働くことが決まったので、今年で5年目になります。採用された時は、ここまで長く働くことになるとは思っていませんでしたね(笑)

これまでは、映画や美術など自分が好きなことを仕事にしていました。ただ、趣味を仕事にすると、趣味が趣味でなくなってしまうんです。趣味に対する「好き」という気持ちが薄れていきます。

そんな中でユニネストに入社し、ハクサンハウスやカミキタハウスで入居者と接するうちに、人と話すことは楽しくて、好きだなという気持ちになっていきました。働く満足度が前職よりも上がりましたね。

今は、やりがいを見出しながら、楽しく働けています。

ーーハクサンハウスは完全に学生寮だったのに対し、カミキタハウスは入居者の中に社会人もいましたね。学生と社会人とで接し方は変わりましたか?

ジェシカ:
だいぶ変わりました。

ハクサンハウスの時は外国人の学生が多かったので、外国人プラス留学経験がある自分は、みんなの「お姉さん」的な立場で、兄弟に近い関係でコミュニケーションをとってきました。生活に関する相談だけでなく、恋愛や学業についての話をすることもありましたね。

一方で、カミキタハウスに住んでいる20代後半から30代前半の大人に対しては、「お姉さん」の立場で接するのはなかなか難しかったです。ユニネストのコンセプトとしては敬語を使わずフランクに接するのが良しとされていましたが、社会人相手に名前で呼んだりタメ口で話したりするのはどうなのか、と悩みました(笑)

また、BBQを行う際や共有部を使う際、完全に学生寮だったハクサンハウスでは、多少破られるのも考慮したうえで、ルールを厳しく設けていたんです。

しかし、ルールをある程度守ってくれる社会人に厳しくすると、「やりたいことができない」と、不自由な気持ちにさせてしまうと思い、実はカミキタハウスではルールを緩めていました。

入居者に対する姿勢やルールが、ハクサンハウスとカミキタハウスで大きく違ったと思います。

ジェシカさんのお気に入りのスペース【キッチン】
「仕事をしながら落ち着いて入居者とおしゃべりできる、特別な場所」

ーー社会人だからこそ、接する際に難しいと感じることはありましたか?

ジェシカ:
これまでは「外国人の留学生」を相手に接してきたので、ある程度自分の中の常識を信じて、注意をしたり、教えたりすることができました。

しかし「日本人の社会人」の中だと「外国人」である自分は少数派になってしまいます。たとえ違和感を感じたとしても、「外国人の自分」だからそう思ってしまうのではないかと自信を無くす場面が増えましたね。

その度にラナさんのような日本人スタッフに意見を求めて、一緒に考えてもらうこともありました。

ーーこの1年半は、コロナも直面したので、ダブルで大変でしたね。

ジェシカ:
本当に、自分たちにとってチャレンジングな1年でした。

誰も正解がわからない中で、「どうすれば安全に住めるのか」を模索し続けましたね。とはいえ、安全面に気を配りすぎると制限が増えるので、入居者の「生活の楽しさ」は削られてしまいます。

例えば、シェアキッチンなどの施設は、安全面を重視するなら一度に使用できる人数を制限した方がよかったかもしれません。ですが、自由なタイミングで使えなくなってしまうと、生活が不便になります。

「やってみないとわからない」、トライ&エラーの精神で安全性と快適さが両立できるよう試行錯誤を続けました。実行した結果、社会人の方から「ここはこうしてほしい」と相談しに来てくれたことがあったので、こちらもやりやすかったです。

ジェシカさん(左)とラナさん(右)

入居者から刺激をもらい続けた日々

ーーラナさんは、どうしてカミキタハウスで働こうと思ったのでしょうか?

ラナ:
求人サイトを見た時、「雰囲気が良さそう」と感じたからです。いい意味で日本っぽくないのが魅力的でした。それと、雇用条件の欄に、スキルや経歴ではなく「明るい人」と書かれていたのが、申し込んだきっかけです。

それから、2021年1月にハクサンハウスの清掃スタッフとして採用され、2ヶ月経った3月からカミキタハウスで働いています。

ーー実際に働いてみて、どうですか?

ラナ:
入居者とのコミュニケーションを通して、毎日刺激を受ける環境に身を置けていると感じます。これまでスーパーのレジ担当やカフェのバリスタとして働いていて、あまりお客さんと雑談などの会話をすることがなかったので、余計に感じるのかもしれません。

特に印象的だったのは、入居者同士が、敬語で話していない点です。年上相手でもタメ口で会話をしている様子を見て、敬語が絶対的に大事というわけではないと気付かされることがありました。その関係性を羨ましくも感じましたね。

ーー確かに、入居者同士はフランクに会話していました。

ラナ:
そして、ジェシカさんを中心としたスタッフからも学ぶことがたくさんありました。半分が外国の方、半分が日本人という国際色豊かな環境が、自分に合っていたのかもしれません。自分の知らない世界の話を聞ける職場は、非常に貴重ですし、刺激的だなと感じます。

スタッフ同士は気軽に話せる関係なので、いつもリラックスして過ごせていますね。

ラナさんのお気に入りのスペース【カウンター】
「引っ込み思案の自分でも、“いってらっしゃい”の挨拶から会話を始められた場所」

「人」が魅力のシェアハウス

ーーお二人は、どんなところがカミキタハウスの魅力だと思いますか?

ラナ:
人の成長が見られるところだと思います。最近だと、留学生の成長に感動しました。入居したばかりの頃は静かだったのに、数日経って、日本人の学生と楽しそうに会話している姿を見ると、こちらまで嬉しくなりますね。

スタッフもそうですが、日本人と外国人が共存しているのもカミキタハウスの魅力です。

ジェシカ:
まさに人ですね。スタッフでも入居者でも、一緒にいる時間が長くなるほど その人がどんどん成長していく姿を見届けられるので、毎回泣きそうになります。

自分は、コロナにより一時的に閉鎖していた2020年5月から9月の4ヶ月の間も、定期的にメンテナンスなどでカミキタハウスを訪れていました。その頃を思い出して改めて感じるのは、人がいるからこそ、この建物が生きているように見えるということです。

人がいないと静かで寂しいですし、仕事のやりがいもありません。スタッフがここで働いたり、入居者がここで生活したりしているからこそ、カミキタハウスは楽しくて「生きた」空間であり続けられるのだと思います。

ーーこれからは、カミキタハウスをどんな場所にしていきたいですか?

ラナ:
スタッフと入居者の間の壁をなくし、もっと「帰りたい」と思える空間にしていきたいです。

そのためにも、スタッフ主催のイベントを積極的に行って、距離を縮めていきたいと思いますね。自分なりに、挑戦していきたいです。

ジェシカ:
もっと規模を大きくしていきたいです。留学生の入居者が増え続けていますが、300人以上が住んでいたハクサンハウスと比べると、まだまだ寂しく感じます。

1年以内に200人集めて、大規模なコミュニティへと成長するのが目標です。もちろん、日本人も馴染めるような空間作りを目指します。

ーー最後に、カミキタハウスの入居者やOB・OGに向けて一言お願いします。

ラナさん:
未熟者の自分を見守っていてくれたスタッフや入居者のみなさんに感謝しています。自分がやりたいと思ったことに積極的に挑戦できたのは、この環境のおかげです。ありがとうございました!

ジェシカ:
まずは、感謝を伝えたいです。社会的にさまざまなことがあった1年半でしたが、乗り越えられたのはスタッフと入居者「みんな」で頑張ってきたからです。

「うるさいな」と思ったこともあったかもしれませんが、信用して、1年半付き合ってくださりありがとうございました!

【取材後記】
カミキタハウスの魅力のひとつは、スタッフである。これは、まだ入居が決まっていない内見の際、初めてジェシカさんと話した時から感じ続けていることだ。入居者とほど良い距離感を保ちながらも、相手の心にすっと入ってくる手腕はすごい。きっと入居者1人ひとりと真摯に向き合っているから、みんな自然に話したくなるのだろう。

これまで住人インタビューを通して、「カミキタハウスの魅力は?」といろんな人に質問してきた。全員が「人」と即答できるのは、みんなが居心地よく過ごせるための環境づくりをしてきたスタッフのおかげだ。スタッフが持つ「挑戦を応援する姿勢」や「あたたかい雰囲気」が入居者にも浸透し、「カミキタハウス」を作ったのだ。

コロナの到来×社会人の入居により、描いていたものとは別のカミキタハウスになったかもしれない。それでも「チャレンジングな1年でした」とニッコリ笑ってくれたジェシカさんの言葉に救われた気がした。入居者が変わっても、スタッフが大事にしているものが変わらない限り、「カミキタハウスらしさ」は残り続けるだろう。

改めて1年半、ありがとうございました。

取材、執筆、編集:きどみ

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