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NFT事業に取り組むけいた、「1000億円の財団をつくって、お金のハードルぶっ壊す」

こんにちは!KAMIKITA HOUSE住民のコージー(@koji__O)です。

KAMIKITA HOUSEに暮らす個性豊かなメンバーの魅力を伝える住人インタビューは記念すべき第10回を迎えました!今回は、株式会社ness(ネス) CEOのけいたさん(24)にお話を伺いました。

けいた(24)
山口県岩国市出身。株式会社nessのCEO、doublejump.tokyo株式会社のディレクターを務める。筋トレとワインが好き。

データの所有と希少性を証明できるNFTで「誰もが稼ぎやすい世界へ」

ーー忙しく仕事をされているイメージがあります。具体的にはどんなことをしているんですか?

今年5月からNFTの事業をやっています。今は2つやっていて、1つはnessのCEO、もう1つはdoublejump.tokyo(以下、ダブルジャンプ)でディレクターをしています。両方とも企業に対するコンサルがメインで、NFTの販売支援のプロデュースなどをやっています。

ーー初歩的な質問ですみません。NFTってなんですか?

NFTはデータの所有と希少性を証明できるテクノロジーです。例えばゲームの例で考えてみます。これまではゲーム内のモンスターのデータを所有していることを証明できなかったんですよ。データを管理しているのはゲームの運営会社なので、企業がデータを消したり、サービスが終了になったりしたら、僕たちのゲームのデータは全てなくなっちゃうんです。これがブロックチェーン技術を使ったNFTの登場によって、大きく変わった。所有者の変更などの履歴も全て見られるようになったことで、データを所有することが可能になったんです。

ーーなるほど。NFTによって社会はどう変わるんでしょう?

NFTの登場によって、デジタルデータを取引したりプレゼントしたりできるようになりました。ゲームで強くしたキャラをメルカリのようなマーケットで売ることができるんです。あと、アーティストのイラストをデジタルアートとして販売することもできるようになった。デジタルデータの販売ができるようになったことで、何かに熱中する人が報われるようになります。世界のどこに生まれたとしても、ゲームをめっちゃ頑張ったらNFTが売れて生計を立てられる。そうなれば、いつどこで生まれようが、スマホ1つでお金を稼ぎやすい世界になると思います。

ーーなぜNFT領域の事業をやろうと思ったんですか?

ビジネスをやりたいなと思って、大学3年の後期から休学しました。その頃に知り合いに呼ばれてブロックチェーンを使ったビジネスアイデアを企画するビジネスコンテストに行ったんです。2泊3日で勉強しているうちに、ブロックチェーンって面白いなと思うようになりました。その後、色々なビジネスに取り組む中で、今年の5月からNFT事業を始めました。NFTはビジネスとして面白いと思ったし、原資ゼロで自分の脳みそさえあれば始められるのもいいなと思いましたね。

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夢は50歳で1000億円の財団をつくること。「お金のハードルはクソ。だからぶっ壊す」

ーービジネスに興味を持ったきっかけは?

実は僕、大学に行くのにお金が困った時期があったんです。うちは母子家庭で、親父から養育費をもらっていたんですけど、大学2年生のとき突然、契約上養育費が終わるっていう連絡が来て。奨学金と養育費、バイト代で学費と生活費をなんとか賄っている状況だったので、このままでは来月の家賃が払えない、やべえとなったんです。

もともと僕は飛行機を作る夢があって、機械化学航空学科に所属していました。私立理系だし、結構学費が高いんですよね。ふと周りを見回すと、やりたいことが特になく親が金持ちでなんとなく大学に行っている人が8割くらいいると感じました。そこで、お金のハードルが夢への障害になるってあまりにも不平等だし、世界にとってマイナスだと思ったんです。お金のハードルってクソだなと。だからそれをぶっ壊したいと思ったんです。そのためにどうすればいいかと色々考えた結果、ビジネスに行きつきました。そんな時にブロックチェーンに出会ったんです。

ーーどうすればお金のハードルを壊せるんでしょうか?

ソフトバンクの孫さんみたいになって、財団をつくりたいと思ってます。50歳までに1000億円の財団をつくるのが目標です。超頑張って現実的に行けるところとして、50歳で1000億くらいかなと。ネクストゴールは60歳で1兆円に設定しています。

ーー財団の資金で若者の夢を応援するみたいな感じですか?

財団管理コミュニティみたいなものをつくろうと思っています。審査が通った人は、お金をやりたいことに自由に使える。その人がもし成功したら、任意でお金を財団に戻してもらう。このスキームは結構うまくいくのではと思ってます。100人投資して、99人失敗したとしても1人が1000倍で返してくれたら財団の資金は10倍になるんです。一人でもそれくらいのリターンを生んだら、財団はずっと太り続けて、お金はもっと色んな人に行き渡るんですよね。まずは僕が1000億円の資金を入れて、お金持ちの方々にも資金を入れてもらいたい。最終的には、お金の価値がなくなる世界を作れるかも、なんて考えてます。

ーーお金の価値がなくなる?

誰でもお金をゲットできたらお金の価値はなくなりますよね。挑戦に対するお金のインフレが起きたら、誰もがやりたいことができる世界になるんじゃないかと。そんな世界が僕が死んだ後にでもできたらいいと思ってます。かなり壮大な実験ですが、面白くないですか。

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自由に育ててくれた母に感謝。「自由と意志があったから今の自分がある」

ーー人や社会のためにそこまで頑張れるモチベーションはどこから湧いてくるのでしょうか?

母子家庭ということもあって、めちゃめちゃおふくろに感謝してるんです。すごいなと思うのが僕が何かをやるっていうことに対して一切ノーと言わなかったことです。よくこんな一歩間違えたらただのヤンキーみたいな男を放置プレーで育ててくれたなと(笑)。だからおふくろには最低限恩返ししたいんです。あと、これまでに僕はえげつないほど人に助けてもらってるんです。だから家族とか周りの人を幸せにしたいというのが原動力になってます。

ーーお母さん以外には、どんな人たちによくしてもらったんですか?

小学生の頃、僕は喧嘩が強いお山の大将みたいな感じで基本、先生が嫌いだったんですけど、唯一尊敬している元ヤンの先生がいました。その先生は「自由とは自分が責任を取れる範囲」という話をしてくれて、「暴力って責任を取れる範囲が広がるわけではないな」と気づきを与えてもらいました。

大学入ってからも、めちゃめちゃ全力で叱ってくれた元カノとか、ターニングポイントで本当に素晴らしい出会いがありました。僕が1個だけ持って生まれた才能は、人の運。これだけはありがたいことに本当にいいなと思います。そして、彼らは口を揃えてこう言うんです。「僕たちもそうやって生きてきたから。渋谷くんが成功したら下の世代の子たちにも絶対サポートしてあげてね」って。だから絶対やらなきゃなという使命感があるんです。

ーー下の世代にも貢献したいという思いを強く感じます。教育分野にも興味があるんでしょうか?

教育も興味がありますね。50歳で1000億の財団つくったら、学校つくったりとか教育的なこともしたいなとは思ってます。ただ僕、大学1年の時、塾講師のバイト、クビになったんですよ(笑)

ーーなぜクビになったんですか?

生徒から「なんで勉強しないといけないんですか?」って言われて「しないでいいんじゃない?」って言ったんです(笑)。「今、サッカーしたいならサッカーを本気でやった方がいいよ」って。そしたら、クラスの30人のうち3人が塾を辞めていって、クビになりました(笑)

ーーどんな思いで「勉強しないでいい」と言ったんですか?

僕はあの子たちを救ったと思ってるんですよ。勉強なんかその気になったらいつでもできる。でも22歳からサッカー日本代表目指しても遅いですよね。小5でつるかめ算とかやってる暇があるんだったら、絶対サッカーに使った方がいいと思うんですよ。だってその時間は取り戻せないから。もしサッカーに本気で取り組んでダメだったとしても、高3で1年、勉強を頑張ればいいじゃないですか。

実は僕、生徒の親と喧嘩もしたんです(笑)。保護者面談で「娘は東大行きたいのに成績が伴ってません。どういうことですか?」って言われて「本当ですか?本人から聞いたことないんですけど。成績が伴ってないのは、勉強やりたくない証拠じゃないですか。ピアノが好きらしいですよ」って言ったら喧嘩になりました(笑)。親御さんは高学歴の方が多いんですけど、全然ロジカルじゃない。僕のお母さんの方がよほどマシな教育をしていると思うんです。だから将来的には親の教育にも携わりたいんですよね。

ーーお母さんはけいたさんにどんな教育をされてたんですか?

「私こんなやけ、好きなようにやればええよ。お金ないけ、自分でなんとかしてもらうしかないけど」って感じです。確かにこっちの方が情報さえあれば伸び伸びした良い子が育つんじゃないかと思ってて。いい家庭環境じゃなかったけど、僕は本当に恵まれてるんです。自由と意志があったから、今の自分があると思ってます。生まれた環境が悪かったおかげで、自分で決めて、自分の身を守らないといけなかった。そういう意味ではすごくラッキーだったんですよ。

ーー最後に、今後の目標を教えてください。

自社の事業では、NFTの先にファンとクリエイターさんのつながりを可視化できるクリエイターファーストの経済圏をつくる事業をやりたいんです。今ちょうど仕込んでる最中で、年内にローンチできたらと思っています。ダブルジャンプでは、日本を代表するIP(知的財産)を使って世界で勝負できるプロダクトをつくりたいです。

【取材後記】
「いい話すぎるから、もうちょっとクズエピソードないの(笑)?」。取材中、思わず言ってしまった。そこで話してくれたのが、塾講師をクビになったエピソードだ。起業家として、ビジネスの最前線でバリバリ働いている男がまさかバイトをクビになっていたとは。ようやくけいたの印象を落とせる話がきた、と思った(性格悪すぎてごめんなさい)。だが、書いてみたらどうだ。見えてきたのは、生徒たちの将来を本気で考え、真摯に向き合う姿勢。やられた。周りを幸せにしたい、社会をもっとよくしたい。彼は利他の精神にあふれていた。

特に印象に残ったのは「自由と意志」の話。けいたが「毎日が楽しくて幸せ」と言い切れるのは、自由な環境で意志を持って生きてきたからだ。自分は「自由」が欲しくて、昨年末で会社を退職した。あとは「意志」。何をやりたいのか、どんな生き方をしたいのか。自分なりの答えを出して、行動していきたい。人生のヒントを得られたインタビューだった。

取材:コージー、きどみ
執筆、編集:コージー



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