愛する人に会うために努力を重ねたシン。「強い原動力さえあれば、誰でもできる」
こんにちは!KAMIKITA HOUSE住民のコージー(@koji__O)です。
KAMIKITA HOUSEに暮らす個性豊かなメンバーの魅力を伝える住人インタビュー。第6回は若者支援プロジェクト「UNINEST SUPPORT 2021」のメンバーでもある欧州フリーランスのシンさん(25)にお話を伺いました。最後までお読みいただけると嬉しいです。
※ユニネストサポートって何?という方はこちらをどうぞ。
シン(25)
山梨県甲府市出身。欧州フリーランスとして、日本とヨーロッパを拠点に映像クリエイターやSNSマーケターとして活躍中。旅とチェスが好き。
1ヶ月ごとに住む場所を変える生活。「定住したい」とカミキタハウスへ
ーーユニネストサポートプロジェクトに応募したきっかけを教えてください。
2019年にPOOLO1期生をやってたつながりで、TABIPPOの社長のしみなおさん(@shiminao)と知り合いだったんです。しみなおさんのツイートでこのプロジェクトを知りました。4月は福島にいて、5月は山梨に行くことが仕事で決まってたんですけど、5月下旬以降の予定は決まってなかったので応募しました。
ーーカミキタハウスでの生活はどうですか?
めっちゃ快適です。カミキタハウスに来るまでは1ヶ月ごとに移動していました。移動の時間と労力が減ってる分、時間を有効活用できています。浮いた時間でカミキタハウスの住人と話したり、自分のやりたいことをやったり。
ーー1ヶ月ごとに移動する生活というのは?
1ヶ月ごとに住む場所を変える生活を3年近くしていたんです。フリーランスとして仕事をしながらヨーロッパの都市を色々回ってました。長くて1ヶ月、平均2〜3週間くらいで次の都市に移動してましたね。去年、日本に帰ってきてからもシェアハウスを1ヶ月ごとに変える生活を続けてました。同じ東京でも新宿、浅草、銀座というふうに移動して。
ーー1ヶ月ごとに移動する生活をしてきた中で、なぜカミキタハウスに半年間住もうと思ったのですか?
正直ちょっと定住したいという気持ちがありましたね(笑)。もともと飽き性で、いろんなところを見るのが好きだったので、1ヶ月ごとの生活をやっていました。すごく楽しかったんですけど、ちょっと疲れが出てきたから一旦落ち着かせたいなと。毎月荷造りして移動して、慣れてきた頃にまた新しいところに行くというのは大変な部分もあったので。ここ3年間で、カミキタハウスが一番長く住んでますね。久しぶりにゆっくりできてます(笑)
スウェーデン人の彼女に会いたくても会えない・・・。悔しい思いが原動力に
ーー「欧州フリーランス」としてどのような活動をしているのですか?
2019年9月に大学を卒業した後、すぐにヨーロッパに飛びました。まずはドイツに行ってフランスやオランダあたりを回った後、東ヨーロッパに行きました。去年コロナが流行る前まで色んな国を回り、最後はウクライナにいました。学生時代も含めると合計26ヶ国に滞在しました。
ーーなぜヨーロッパを拠点に?
学生時代に東南アジア、オーストラリア、アメリカとかも行ったんですけど、ヨーロッパが一番自分に合ってると思ったんです。人生を楽しんでいる人が多くて、ここで過ごしたら、めちゃくちゃQOL上がるなと思いました。あと、ヨーロッパのいいところはすぐに他の国に行けることですね。
ーー具体的にはどんな仕事をされているんですか?
映像関係やSNS運用の仕事をしています。映像を撮ることもありますが、最近はプロデュースやマネージメントが多いです。企業のホームページに載せるようなプロモーション動画とか、インフルエンサーのYouTubeチャンネルの動画とか。あとは企業や個人のYouTubeやインスタグラムのアカウント運用もしています。
ーー新卒でいきなりフリーランス。どうやってスキルを身に付けたんですか?
とにかく何でも試しました。4年前にオーストラリアでインターンしてた時に現地で仕事を探すのに苦労したので、手に職をつけなきゃと思ったんです。世界中どこでもオンラインで働けるスキルが欲しいなと。プログラミングやデザイン、ライティングなど色んな仕事を試した中で、動画が一番自分に合ってると思ったんです。動画編集から始めて、クラウドソーシングで仕事を受けたり、SNSで営業したりしました。スキル面で成長できたのはBuzzFeed(バズフィード)での経験が大きいですね。アメリカの会社なんですけど、日本支社でインターンをたまたま募集してて。大学卒業するまで1年ほど働いて、映像を作らせてもらいました。
ーー順風満帆に見えますが、4年間で苦しいこともあったと思います。
自分の生き方を周りに理解されず、孤独を感じました。友達も家族も基本的には反対。「いったんは就職しなよ」とか「普通に就職して家庭を持つような人生がいいじゃん」とか言われましたね。でも実は僕、結構人のために頑張れるタイプで、辛いこともあったんですけど、会いたい人たちのために頑張れました。
ーー会いたい人とは?
学生時代、スウェーデン人の女の子とお付き合いしてたんです。ヨーロッパを回ってた時に出会って。でも日本から行くには飛行機で10万円とかかかりますし、なかなか会いにいけなくて。時給1000円のバイトでお金をためてやっと会いに行けるみたいな感じだったんですよ。会いたい人に会いに行けないのがめちゃくちゃ辛かったんです。あとオーストラリアにも会いたい親友がたくさんいます。そういう人たちに会うためと思えば、何時間も毎日勉強してスキルつけて、将来のために色んな人に会いまくるのも全然苦にならなかったですね。
ーー「会いたい人に会いに行けるように」という思いが原動力になったんですね。
文句を言うことは誰でもできる。諦めることも簡単。だけど、僕はとことん向き合いたいなと思ったんです。できないなら、できる自分になればいい。自分で何とかするしかなかったですね。フリーランスになるか起業するくらいしか選択肢がありませんでした。サラリーマンで週5勤務になったら、海外で会うのは絶対無理だと思ったので。
お金を稼ぐのをやめて、自己表現するのが夢
ーーフリーランスになると決めてから、これまでの成長をどのように自己評価していますか?
フリーランスになると決めたのが21歳。4年間でここまで来られたのは信じられないですね。1年前と今を比べたら、仕事も生活も格段に良くなってます。1年前と2年前を比べてもそうです。正直、できすぎてるとは思います。ただ、満足はしていません。達成したらまた別の目標が出てくるわけで。フリーランスで安定して稼ぐとか場所を選ばず働くというのはクリアできました。今の夢はお金を稼ぐのをやめて、自分の好きなことをやることです。
ーーどんなことをやりたいんですか?
かっこいい、映画っぽいテイストの動画を作りたいです。お金にはなりにくいんですけど。あとは音楽とかアートとか芸術領域に取り組みたいですね。やりたいことはめちゃめちゃあるんです。歌うのもいいし、楽器もやってみたい。自分でやりたい気持ちもあるんですけど、アーティストをプロデュースする側もやってみたいです。SNS運用や映像制作を通してブランディングする形で関わっていくのか、自分がアーティストになるのかは今後考えていきたいです。
ーー映像や音楽、アートなど表現することが好きなんですね。
昔から自己表現するのが好きでしたね。絵や映像にしても、ただ綺麗なものではなく、ストーリーを描きたいと思っています。作りたいものを作るんじゃなくて、見た人の人生がちょっとでも良くなるものを作りたいです。「自分も頑張らなきゃ」と思ってもらえるような映像や音楽を作りたい。学生時代、自分と向き合い続けた結果、やりたいことを自由にやれる環境が欲しくて、感じたことを表現していきたいと思ったんです。そういう生き方は何歳になってもできる。これからも自分の思いを自由に表現していく生き方を続けていきたいです。
ーー9月からまたヨーロッパに行くと聞きました。
クロアチアとスペインに1ヶ月ほど行きます。クロアチアに行くのは初めてなんです。現地の知り合いの手伝いで、企業のプロモーション動画を撮影しに行きます。僕はディレクターとして入る感じです。クロアチアには友人がたくさんいるので、海に行ったり色んな町を案内してもらったりするのが楽しみです。
ーーフリーランスになりたい方へアドバイスをお願いします。
「パソコン1つで仕事できる」とか「時間と場所が自由」とか聞くと、憧れる人が多いと思います。でも実際、ほとんどの人ができてない。もともとスキルゼロだった僕がここまで来られたのは、核となる部分があったからだと思うんです。好きな人にいつでも会いに行ける生活スタイルじゃなきゃ絶対、この先後悔するなというのが経験としてあった。だから辛くても頑張れたんです。なぜフリーランスになりたいのか。強い原動力さえあれば、誰にでもできると思う。原動力を生むためにも、色んな経験をすること、本気で何かに挑戦することが大事だと思います。
【取材後記】
取材の待ち合わせ場所は六本木だった。都会の空気に戸惑っていると、サングラスをかけたシンが颯爽と現れた。身長187センチ。大股でどんどん歩いていく。六本木の街がよく似合う男だ。並んで歩くのが緊張する。クールでミステリアスなシンから深い話を聞き出せるだろうか。難しいインタビューになると覚悟した。
イメージとは裏腹に、取材を通して浮かび上がってきたのは「熱い男」シンの姿だった。「愛する人が世界のどこにいても、会いに行ける環境を作る」。その思いに突き動かされ、スキルゼロからフリーランスとして生計を立てられるまでに成長した。それでも「やりたいことの1割もできてない。マジでスピード上げなきゃ」と満足する様子はない。もっともっとビッグになるのだろう。その時は「俺、シンにインタビューしたことあるよ」と自慢したい。
取材、執筆、編集:コージー
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