ディーラーのメンテナンスパックとコーティング:本当に必要?徹底解説
本記事のサマリ
メンテナンスパック: ガソリン車は検討の余地あり。ハイブリッド車は不要な場合が多い。年間走行距離で判断。
点検: 法定点検は罰則なし。年間走行距離が少ない場合は不要な場合も。消耗品交換時期を把握しておくことが重要。
コーティング: CPCペイントシーラントは非推奨。ガラスコーティングは適切なメンテナンスが必須。外装色、洗車方法、保管場所で必要性を判断。
注意点: ディーラーはローン契約やセット契約で値引きを提示する傾向あり。高額車種は特に注意。
結論: メンテナンスパック、コーティング共に、自身の車の使用状況に合わせて判断することが重要。ディーラーの言いなりにならず、情報を吟味し賢く選択を。
はじめに
ディーラーで新車購入を検討する際、よく勧められるのが「メンテナンスパック」と「コーティング」です。しかし、「本当に必要なのか?」「得なのか損なのか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。この記事では、ディーラーのメンテナンスパックとコーティングの実態を徹底的に解説し、賢い選択をするための情報を提供します。
大前提:メーカー保証とディーラーサービスの区別
まず重要なのは、メーカー保証とディーラーサービスの違いを理解することです。
メーカー保証:トヨタ自動車などが無償で行っている保証サービス(1ヶ月・6ヶ月無償点検、3年・6万km保証、5年・10万km保証など)
ディーラーサービス:地元のディーラー店舗が有償で行っているサービス(メンテナンスパック、コーティングなど)
ディーラーでは、自社の利益につながるメンテナンスパックとコーティングを積極的に勧める傾向にあります。しかし、他の大手用品ショップやメーカー担当者からは、必ずしも勧められないことが多いのが実情です。
メンテナンスパック:加入する必要はある?
(ウェルカムサポート、スマイルパスポート、メンテナンスパスポートなどの別称あり)
結論から言うと、通常のガソリンエンジン車(ヴィッツ、マークXなど)の場合は、加入した方が得な場合もあります。しかし、ハイブリッド車(プリウス、アクア、プリウスαなど)の場合は、「入る必要がなかった」と感じる方が多いです。
なぜなら、ハイブリッド車はメンテナンス頻度が非常に少ないからです。
オイル交換:10,000~15,000km毎
オイルフィルター交換:20,000~30,000km毎
これは、6ヶ月点検や12ヶ月点検、初回車検のタイミングとほぼ一致します。年間走行距離が20,000km以上の方であれば、メンテナンスパックの恩恵を受けられる可能性が高いと言えます。
しかし、年間走行距離が20,000km未満の方であれば、オイル交換は当社で2,700~3,240円程度、オイルエレメント交換は2,700円程度で済むため、メンテナンスパックに加入するメリットは少ないでしょう。車のトラブルはメーカー保証で対応可能ですし、トヨタ車は故障が少ないのも事実です。
メンテナンスパックはいつ使う?
メンテナンスパックは、主に6ヶ月・12ヶ月点検時に使用します。しかし、法定点検は罰則がないため、年間走行距離が少ない方は点検を受けないケースも多いです。実際、点検を受けても「異常なし」と診断されることがほとんどで、オイル交換のみで済む場合が多いです。
メーカー保証はメンテナンスパックに加入していなくても受けられます。
点検は本当に必要ない?
点検の必要性は、年間走行距離によって異なります。一般的な消耗品の交換時期は以下の通りです。
ブレーキパッド交換:30,000~40,000km毎(約15,000円、メンテナンスパック対象外)
タイヤ交換:30,000~40,000km毎(約45,000円、メンテナンスパック対象外)
オイル交換:10,000km毎(約3,000円)
オイルエレメント交換:20,000km毎(約2,500円)
ワイパーラバー交換:1年に1回(約2,000円)
メンテナンスパックに含まれるのは、比較的安価な消耗品です。車検時の重量税や自賠責など、高額な費用は含まれていません。
結論:メンテナンスパックは必要?
最終的には、車の使用頻度に応じて判断する必要があります。年間走行距離が少ない場合は不要、多い場合は検討する価値ありと言えるでしょう。
プリウス・アクアのコーティング:評価と注意点
ディーラーのコーティング、特にCPCペイントシーラントは、評判が良くないことが多いです。ディーラー本社からも「売らない方がいい」と言われるほどです。
そこで、ガラスコーティングについて詳しく解説します。ガラスコーティングは、適切なメンテナンスを行えば効果を発揮します。重要なのは、以下の点です。
1年に4回の定期点検(有料)を受けること
雨の日の後に必ず水を拭き取ること
鳥のフンなどが付着したらすぐに洗い流すこと
カーカバーの使用や洗車機での洗車を避けること
これらのメンテナンスを怠ると、保証対象外となる場合があります。
コーティングは必要?
コーティングは、以下の条件に当てはまる方におすすめです。
外装カラーがブラック系の方
手洗い洗車をしている方
屋内保管の方
ディーラーの施工は約43,200円~、サブディーラー施工は約32,400円~です。ディーラーでは塗装ブースや専門の職人がいない場合があるため、仕上がりに差が出ることもあります。
コーティング後の注意点は以下の通りです。
定期的な洗車(2週間に1度~月1度を目安に手洗い)
洗車後や雨上がりの水分を早めに拭き取る
鉄粉、鳥糞、虫の死骸、樹液、花粉を放置しない
これらの点を守れば、コーティングの効果を維持できます。
最後に:ディーラーの値引き戦略
ディーラーの営業マニュアルを見ると、ローン契約やメンテナンスパックとコーティングのセット契約で値引き額を増やす戦略が用いられていることが分かります。特にアルファード、ヴェルファイア、ハリアー、ヴォクシーなどの高額車種では注意が必要です。
この記事が、新車購入の際の参考になれば幸いです。