サウナ好きの友達にそそのかされてバレルサウナを作ってしまった話！
はじめまして。
Unilog事業部のシオツキと申します。
ひょんなことから、いまは国産バレルサウナの設計・施工・販売をしています。
そもそもそんなにサウナは好きではなかった
いまとなっては、流れる水を触って「あぁいい温度だなぁ・・・」とか、道端に石が積んであるのを見ると、ついロウリュしてしまいたくなるほど
なにかとサウナにつなげて考えるようになってしまいましたが、そもそも知らない人がだらだらと汗をかいている隣で、暑さとパーソナルスペースの狭さというダブルの居心地の悪さに耐えながら心拍数が上がるのを待つ、などという行為は、好きこのんでやるものではないと思っておりました。
やたらサウナサウナと言うヤツがいる
私は名古屋から岐阜県白川町というところに移住をして15年ほどになります。移住してすぐくらいの頃に、以前からの知り合いが脱サラして有機農家になる！と単身長野へ研修に行きまして、その後独立して農家をスタートする場所を探していたので、「白川町いいところだよ」とお誘いしました。白川町は中山間地なので、大きな田んぼや畑が少なく、有機農業をやる土地としてはあまり向いて無かったのかも知れないのですが、地元の方の人柄や諸先輩方の存在が決め手となって移住仲間になってくれました。
じつは彼が移住をしてくれたおかげで、有機農家を志して新たに移住してくる若者が増え、その後白川町は、「平成３０年度豊かなむらづくり全国表彰」で内閣総理大臣賞を取ってしまうのですが、それはまた別の話としまして、その彼が一昨年前くらいからサウナサウナとうるさい。
いま思うと、その頃から私にサウナを刷り込もうとしていたのかもしれません。
海外製テントサウナの購入！
世の中が混沌としていた2020年の夏。彼はついに行動にうつします。20万円弱のものをネットでポチったらしいというウワサは、友人の間で瞬く間に広がりました。さらに海外から船便で送られていて、コロナで当初の納期よりもずいぶん遅れていると聞いた時は、「もう来ないかもしれないけれど、まぁそんなこともあるさ」と私たちはニヤニヤしながら彼を励ましたものでした。
しかし意外にも、里山に秋の気配が訪れる頃にテントサウナが到着します。そして彼がドヤ顔で誘うので、そんなに言うならと、みんなで試しに入ってみることになりました。
あれれ、すごくいい。
私たちが住んでいるのは、白川町の黒川地区というところで、その名の通り黒川という川が地域を流れています。この川は白川と合流して、さらに飛騨川にそそぎ込み、最後は木曽川となって伊勢湾へと流れていきます。つまり何が言いたいかというと、黒川は山から滲み出た水源に近い川で、綺麗でかなり冷たいのです。
テントサウナは、そんな黒川の河原に建てました。
そうしましたらね、これが素晴らしく良いわけなのですよ。
テントサウナには窓があって、里山の景色が見えるのですが、いわゆるサウナ室の閉塞空間とは違って、たいへん開放的なわけです。しかも気の知れた仲間と入れる。そして、熱々になったところで冷たい川にドボン。。。
まんまと彼にしてやられました。
サウナをつくる？
私をすっかりサウナ漬けにしたところで、耳元で彼がつぶやきます。
「国産材のサウナを作らないかい？」
もともと私が移住をしたきっかけは、自分で自宅を建ててみたかったからでした。「すまい」というものが、住む人の手からだんだん遠くなっているような気がして、家を建てるってどういうことだろうかと、体験を通して他の誰かに伝えられたらいいなと思ってのことでした。建築士ではありましたが実務経験は乏しく、DIY好きでしたが大工さんのような技術もない。だけれど、人生に１度しかできないことだからと、こだわりを大切にした世界にただ一つの家を建てることができました。これについては、書き始めると長くなるので端折りますが、彼がやりたいサウナ作りへの想いと通じる部分があると思ったのでした。
バレルサウナ
彼が「バレルサウナ」というものがあると教えてくれました。写真を見ると屋外に置くホームサウナとして海外では一般的なもので、キットを自分で組み立てて作るものだということがわかりました。素人が自分で組み立てられるだけあって、構造はとてもシンプル。同じ材料で、床も壁も天井もひと続きのものとして積み上げれば完成します。
確かにこれを国産材で、しかも間伐材も利用して作れば、森の再生にもつながります。また、白川町はもともと東濃ヒノキという、香りが良く目の詰まったヒノキがあり、古くから建築や木工に関する産業が盛んなので、地元で木材を加工することができます。そしてそのバレルサウナに入れば、みんなととのい、みんなしあわせ。３方良しのプロジェクトができました。
ここからプロジェクトはグググっと動き始めます。つづく