![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/15027253/rectangle_large_type_2_ae4012583dd9a1f55b40c144583053af.jpeg?width=1200)
冬、去れり。【GOT最終章ネタバレ】【etc.】
『ゲーム・オブ・スローンズ』、お好きですか。
わたしは好きです。だいぶ好きです。相当好きです。
故に先週、最終章のシーズン8を見終わりました。
「…え? huge fanなら、4月の世界同時放送で見てるでしょ。なに言ってんの!? なめてんの!?」
真のhugeのみなさま、ごもっともです。
わたしも春先には「放送が終わったらすぐ、binge watchingしよう」と思っていました。そんなうきうきわくわくのところ、最終回直後あたりにネットのヘッドラインで見かけた「GOT最終シーズン、残念な結末」みたいな文字列の衝撃たるや、たるや。
「そんな…最終章が本当に残念だったらどうしよう。わたしの中のGOTが残念になってしまう」
「…でも待って。逆に言うと、見なければ。一切中身を知らなければ、がっかりはしない」
「Not today!」
という訳で、わたしの長い逃避行は始まったのです。
(正直言いますと、シーズン7の時点でなにか不穏な気はしてたのです。
「あれ? なんだか前より… なんかおもしろくない…」と。なので「世の中の評価は世の中の評価、おもしろいかもしれないじゃないか」という楽観はできませんでした。逃げに逃げました)
しかし、逃げるというのは結構気とか、カロリーを使います。
だめだ。もうしんどい。レンタルも始まるし。
“I learned how to die a long time ago...”
ネッドに習うことにしました。
で。
結果としては「思ってたよりはひどくなかった」。
わたしが恐れおののいていたのは「脳がお天気なハッピーエンド系」だったので、そうではなかっただけほっとしました。GOTに一般的なファンタジーによくある成功英雄譚は求めない。わたしのお日様、お星様。
だけど多分、世の中のそんないろいろな要望の空気感だとか、それを越えないと、とかの要件が積もりに積もってこういう最後になったのかな。とか、遠い目で想像します。
「意外性があって」「悲劇的な要素もいれつつ」「含みのある、ハッピーすぎない、でも希望のあるエンド」「あと、キャラクターに遍くカタルシスを」みたいな、作る人が思う「こうあるべき結末の姿」に合わせて帰着した、ような感じというか。
いや、それはそれでもかまわないんです。
ただやっぱり、あれもこれも急ぎすぎに見える…
わたしの思うGOTの素敵なところは「ああ…それは殺すわ」的な、物凄い「その人における冬」を徹底的にナマナマしく描いてくれるところで、だからそのあとのはじけるところが強烈に印象的になってくるところなのです。
例えばサンサは、ジョフリー&ラムジーという二大ゲス豪雪に押しつぶされそうな冬を越えたから、脳内お天気お姫様からあのような強さと冷静さにたどり着けたわけですし。
その二大ゲスもそれぞれ「おれ不義の子だってバカにされてる」「おれ落とし子だって受け入れてもらえない」という鬱屈した部分を細々と描いてくれたから、歪んだなぁ…と思えたわけですし。許さないけど。
例えばシオンは最初から、クズでバカなエピソードを震えるほどがんがん盛り込まれた「ザ・愚か」で、もうこいつ、やることなすことすべて寒くて凍える! というところでラムジーに壊され、愚かなクズから違うクズへと生まれ変わるところに強いドラマを感じたわけですし。絵に描いたようなクズも最高だったけど。
でも最終章にはそれがない。冬の温度がない。それが残念な部分でした。
なぜだ。
ラニスターなら必ず借りを返すのに。←言いたいだけですが。
見ているこちらが感覚的に納得できないままのデナーリスご乱心。誰がなに考えてるのか、心情的に納得できない。アリアが死ぬ覚悟をしている晩にあんなこと言うとか「?」ってなるじゃないですか。
突然どうした。一体いつそんな、ハリウッド映画に出てくるティーンエイジャー的感覚を身につけたんだ。怒らないからもう少し丁寧にお父さんに話してごらん、みたいな。
サーセイにも、ジェイミーにも、いろんな人に向けて「一体どうした!?」とつっこみ続けた、わたしの最終章でした。
…あれくらいあっさりナイトキングがやっつけられるなら、もうそこまではシーズン7でやっておいてほしかった… そして最終章は10話使って、がっつりゲーム・オブ・スローンズしてほしかった…
しまった、なんか文句ばっかりになってきてしまった。やめよう。
そういう思いには到れど、それでも、
Red weddingで「うわぁ! ローーーーーブ!」と叫んだ気持ちも、
ジョンの眉間のシワを見ながら「King in the North! King in the North!」と床を踏みならした気持ちも、残念にはなりませんでした。
かつての熱狂は消えなかった。よかった。
あ、トアマンドはどこまでもトアマンドで最高。
そのトアマンドのセリフがきっかけで、ジェイミーの叙勲によりブライエニーが騎士になるシーンも、素敵だと思いました。
だけどそのあとブライエニーの部屋にジェイミーがやってきたところのシーンで「うわぁ! それはどうした!」と叫ぶんですけど。
いいなと思ったら応援しよう!
![タナベキミコ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/8550307/profile_92a56f30cb97563c7e701a6931c5bc49.jpg?width=600&crop=1:1,smart)