ジェネレーションギャップのその先に
こんにちは、西荻ぷれまのうにひこです。
今から15年くらい前、アニメ会社に勤めていた時のことです。
喫煙所が会社の裏口にあり、そこでボーっとタバコを吸っていたら、おじいさんとお孫さん(推定4〜5歳)が目の前の道を左から歩いて来たました。
その歩みはどちらに合わせるでもなく、ゆっくりとしていた様に覚えてます。
ふたりはこちらに聞こえる前から「しりとり」をしていた様で、おじいさんは「ど」で悩んでました。
おじいさん「ど、ど、ど、、、」
孫と「ね〜、はやく〜!」
そのお孫さんの声に応えておじいさんが思いついたのは、
おじいさん「ドロップ!!」
孫「???」
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お孫さんはドロップを知らなかったようだ。
おじいさん「飴だよ、ドロップっていうんだよ」
孫「なにそれ、わからない!」
なるほど、たしかに最近の子供にはドロップでは通じないのかと気付いた。
孫「ちがうの!」
またおじいさんは「ど」地獄にはまる。
おじいさん「ど、ど、ど、、、」
孫と「ね〜、はやく〜!」
そのお孫さんの声に応えて思いついたのは
おじいさん「土管!!」
孫「???」
・
・
・
ドロップの通じない子供に土管をぶつけてくる容赦なさ。
おじいさん「土管だよ、空き地にあるだろ」
孫「なにそれ、わからない!」
若輩者ながら自分も土管のある空き地を見たことない、それ以前に
「ん」で終わってる。
孫「ちがうの!」
そんなしりとりのルールよりももっと大事な、孫の納得する「ど」を探求する為、おじいさんは考えていた。
おじいさん「ど、ど、ど、、、」
孫と「ね〜、はやく〜!」
そして
孫「5〜!4〜!3〜、、、」
と非情なカウントダウンを始めた。
孫「2〜!1〜!!」
あぁ、このままではおじいさんが負けてしまう、、、その時おじいさんは今までないくらいの大声で叫んだ。
おじいさん「泥人形!!!」
・
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若輩者ながら自分は泥人形を見たことも製作したこともない。
泥じゃダメ!?
自分の疑問とはよそに、その孫とおじいさんは道の右手に消えていき、コトの顛末は分からなくなった。
本音を言えばその数分足らずで鷲掴まれていた気持ちに従って後を追うべき!孫の言葉を聞くべき!その後の展開を確認すべき!、、、と後悔したが、事務の子から「あー、ここにいたんですね、電話ですよ(またタバコかよ、手間取らせんじゃねえよ、チッ!!)」という業務連絡を告げられて断念した。
おじいさんは、お孫さんを納得させられる「ど」を見つけ出せただろうか。
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