【観戦後の雑感】2024年度 総理大臣杯1回戦 鹿屋体育大学×広島大学

皆さん、こんにちは。
9月4日から、大学サッカーの夏の全国大会である総理大臣杯が、スタートしました。本日から、試合をぼちぼち観始めているのですが、今回は、鹿屋体育大学×広島大学戦の雑感を書きたいと思います。

今シーズンが始まってから、ファジの試合の雑感を5月まで書いてきましたが、その後は、ご覧の通りで、忙しさにかまけて断念しています。
サポートしているファジが、今シーズンの大詰めを迎えている中で、「お前何しとんねん」と思われることでしょう。

しかしですね。この試合、うにがしら的には、本当に面白かったんですよ。
なので、欲求に従って備忘録を残しまする。


この試合の見どころ

個人的な見どころ掻い摘んで書くと、以下のポイントが挙げられます。
・国立大学同士のぶつかり合い、そして延長戦の末のPKでの決着
・広島大学の戦術の面白さと交代策が生んだドラマ
・岡山県に縁のある選手たち
最初のポイントは、2番目と内容がかぶることになるので、今回は、2番目と3番目を中心に書き残そうと思います。

広島大学の戦術の面白さと交代策が生んだドラマ

選手の能力的には、鹿屋体育大学の方が上で、広島大学は、失礼ながら格下という構図だったっでしょう。しかし広島大学は、かなり特徴が見える戦術で対抗していきました。

この試合の、広島大学の基本布陣は、4-2-3-1だったと思いますが、両SBが状況に応じて、ボランチの周りや前線のラインに貼りつく形をとっていました。最終ラインは、時折2CBにGKを加えてビルドアップしていく形をとっています。攻撃時は、後ろの人数を減らしてでも、前に厚みを出すというリスクのある方針を取っていました。
その中で、時折3CBに見える布陣の時もあり、フォーメーションを柔軟に運用することで、優位な位置取りをしようとする思想が見られました。

その中で、特に後半の選手交代は、面白かったです。
77分に、CFWのNo.9瀬口廉太郎選手を下げて、DF登録のNo.13三崎裕大選手を入れるのですが、ここでCBを務めていたNo.6廣畑俊太選手を前線に上げて、三崎選手をボランチに。そしてボランチを務めていたNo.16の香取潤選手をCBに持っていきます。
No.16香取選手は、2023年のアジア大学サッカートーナメントの全日本U20代表にも選ばれた広島大学のパスワークの要なので、これには驚きました。

うにがしらには、この交代策の意図として、最終ラインからのビルドアップ力を上げることはわかるものの、それ以上の意図とその効果はよくわかりません。しかし結果的に、広島大学は、ここから2点先行されていた展開を追いつき延長戦に持ち込みます。

そして、延長後半には、PKを見越してGKを交代。
ここで投入されたNo.1小林航大選手は、PKの2人目と4人目の蹴るコースを読み切ってセーブ。チームを勝利に導いたのでした。

全体を通して、広島大学の「仕組みによって優勢を作りたい」ということと「自分たちの使えるものは、すべて使う」という意図を感じましたし、それが結実した試合だったと思います。

岡山県に縁のある選手たち

この試合、目についた選手の情報を、ゲキサカなどで調べながら観ていたのですが、岡山県に縁のある選手が何名かいて、興味深かったです。
まずは、広島大学No.21 細川 隼之介選手。就実高校出身で、交代まで広島大学のゴールマウスを守り、最終ラインのビルドアップを支えていました。
次に、広島大学No.19中尾 誉選手。2022年度の選手権を獲った、学芸館高校のメンバーですね。左SBとして出場し、前述の通りの特徴的なポジション取りと1対1の強さで、特に前半の広島大学のポイントになっていました。

そして鹿屋体育大学のNo.3徳田 晃也選手。倉敷古城池高校出身。徳田選手は、この試合のうにがしら的MIPでした。
まず、身長が180cm近くあり左利き、3CBの左で出場という点が魅力的なのですが、広島大学の攻撃時の要所を抑えるカバーリングは、基礎基本を大事にしていることを感じるものでしたし、それだけではなく、ドリブルでボールを運んだり、最前線までランをする場面もありました。その上で、延長戦までフル出場。延長戦では、プレースキッカーも務めており、様々なことができる選手であることを表現していました。
どのような経緯で鹿屋体育大学に入学したのかはわかりませんが、古城池高校は、岡山の県1部リーグにいるチームではあるものの、経歴としては「変わり種」ではあるでしょう。ただ、大学入学から存在感を増していくことが可能であることを体現した選手なのだ思いました。今後に期待したいです。

終わりに:地方に潜むまだ見ぬタレントたちとの出会いに期待して

今回の広島大学の勝利ですが、お話でよくある「弱小チームの奇跡の逆転」的なものではない、ということは強調しておきたいと思います。
今回、広島大学のメンバーとして出場している選手は、高体連の全国区のチームの出身者や、Jリーグのユース出身者も多く存在しています。今回は特に、ユース時に2種登録された経歴のある選手が、メンバーに入っていることには驚きました。
私が広島大学のことを意識し始めたのは、2年ほど前だったと思いますが、そこから高校の選手にとって、広島大学がプロや強豪校への道筋の一つとして意識される流れになっているのだと思います。
今回、うにがしらが岡山県出身なので、広島大学びいきに書いていますが、鹿屋体育大学にも面白い選手が多くいます。
すでにいわきFCで、J2のピッチに立ったNo.9加藤大晟選手、ロアッソ熊本に内定しているNo.10渡邉怜歩選手は、やはり存在感がありましたし、それ以外にもレベルが高く、これから先を見たいと思う選手がいました。

さて、今大会を通しての現時点のトピックスですが、やはり新潟医療福祉大学と松本大学の北信越代表の2チームがベスト8に残っていることではないでしょうか。
新潟医療福祉大学については、卒業生が、本日のJリーグの試合でも活躍しして存在感を増しています。ジェフ千葉の小森飛絢選手は2ゴール、、いわきFCの坂岸寛大選手、アスルクラロ沼津の沼田航征選手も途中出場しています。ここでこの2チームが勝ちあがると、北信越リーグの注目度は、高まっていくでしょう。
地方の大学リーグが力をつけていくことで、高校のタレントたちにとって、これからしばらくは、競争も可能性も広がりそうです。

次に私たちが、出会うタレントたちは、どのようなストーリーを持った選手でしょうか。楽しみですね。

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