ファジアーノ岡山の2019~2020シーズンの変化とは?
皆さん、こんにちは。うにがしらです。
サッカーのド素人であるうにがしらは、常々思っていました。
「フィールド上に起きている事象を読み取るのはハードルが高いから、別の指標で見ることができないか?」
もちろん、フィールドから戦術がわかると面白いに違いない。でも、現状でももう少し自分で読み解きができそうなものはないか。
そんなところに、大変強い味方を見つけたのです…。
それは、
「Football LAB(https://www.football-lab.jp/)」。
各チームの成績から、選手個々人のデータまで。
それはそれは、たくさんのデータがまとめられています。
今回は、こちらのデータを読み解いてファジアーノ岡山の2019シーズンから2020シーズンの変化を見ていきます。
先にネタ晴らしというか、意図していたことをお伝えすると、うにがしらとしては「2020シーズンは怪我人が多かったので、その影響を知りたかった」ためにデータを見ていました。
ただ、あれこれデータを集めていく中で、やはり個々人の話をする前に、チームの変化や結果に触れておく必要があると思い至りました。
ご承知の通り、2019シーズンは9位。2020シーズンは17位です。
この8位の差は、データに大きく表れているのでしょうか。
数字を読み込む回となります。
最後まで読んでいただけるか、不安でござる。
■本編に入る前にちょっと解説
「Football LAB」では、チームの指標として、「Chance Buillding」と「Chance Buillding Point」という2種類で集計しています。
それぞれ細かな定義があるのですが、この記事ではざっくり以下のようにご理解ください。
・Chance Buillding(以下、CB) :そのチームの各項目の結果
・Chance Buillding Point(以下、CBP):そのチームの各項目の過程も踏まえたポイント
それでは行ってみます。
■ファジアーノ岡山の2019-2020シーズンのCBによる比較
こちらがCBの2年間の比較となります。
これを見て、皆さんどう思われるでしょうか。
うにがしらは、「これで順位が8位も変わるの?」というのが率直な感想でした。
それぞれ、もう少し詳しく見てみましょう。
1.攻撃回数は、相対的に順位が上がった。
(数字は減っていますが、これはJ2リーグ全体の攻撃回数の平均が減ったためと思われます。)
2.シュートとチャンスの構築率は変わっていない。
3.ただ、シュートの成功率が下がった。→得点が減った。
4.シュートを打たれる本数も、チャンスを作られる回数も増えた。
5.しかし、失点は変わらなかった。
いかがでしょうか。
うにがしらの実感としては、2020は「攻撃が上手くいかなかった」シーズンでした。
ただ、その実感は決定率の差によって印象付けられていたようです。
また失点が変わっていない(被ゴールと被シュート成功率がほぼ同じ)というのも意外でした。
■もう少し中身を詳しく見てみようーCBPから見えてくるものとは?ー
ここで終わってしまうと、「じゃあ、どねぇせぇゆうんじゃ」と言われてしまうので深掘ります。
CBは結果、CBPは過程を考慮している指標でした。
というわけで、こちらがCBPの2年間の比較です。
この表からは、以下が読み取れます。
1.攻撃とパスは良化。
2.クロスとドリブルは悪化。特にドリブルの落ち込みが大きい。
3.シュートとゴールも悪化。
4.奪取はやや悪化。
→ポイントの落ち込みに対して順位がより大きく下がっている。
5.守備の落ち込みも大きい。
6.セーブは良化。
■2つの指標から見えてくるものとは
ここまで読み取ったことを、うにがしらなりに解釈して2020シーズンを語ってみます。
①ゴール手前に運ぶまでの攻撃は進化した。
攻撃回数が減っているにも関わらず、攻撃ポイントとパスポイントが増加。おそらく「難易度の高いパス」の成功率が上がっている。
CBPの攻撃ポイントは、CBPのパス+クロス+ドリブルだが、減少したクロスとドリブルのポイントをパスのポイントが上回るほどに。
②ドリブルでアクセントをつけられなかった。
2019の仲間選手のドリブルポイントは「21.88」のため、「仲間隼斗分」がそのまま減少したと言える。
J2のTOP30の平均が、ざっくり11.0ポイント程度なので、そのまま埋めるのは不可能ではあったが、単純にドリブル不足と言える状況になってしまった。
③枠内にシュートが飛ばせなかった。
CBPのシュートポイントは、「枠内に飛んだもの」がポイントになる。
つまり枠内シュートが減り、結果、ゴールも減った。
④競り合いは、相対的に弱くなった。
奪取ポイントは、そこまで落ちていないにも関わらず順位は2つ下げている。おそらく2019に比べ、2020はより競り合いの激しいシーズンだった。
結果、同レベルの維持だと、相対的に弱くなった。
⑤キーパーのセーブによって、何とか失点を同レベルに保っていた。
CBの被シュートと被シュート率、CBPの守備が下がっているにも関わらず、失点を同レベルに保てたのはなぜか?
ポープ選手(セーブポイント3位)が最後の砦として、何とか踏ん張ってくれていたから。
まとめると
攻撃は進化はした。
しかし決定力と守備の部分が前年より悪化してしまった。
結果、スペシャルなキーパーの存在を活かせなかった。
2020は、そんなシーズンと言えそうです。
■おわりに
今回も、あまり元気が出ない話になってしまいました。
やはり「決定力」というものがいかに大きいか、という点がよくわかる結果だったと思います。一方で、進化が全くなかったわけでもないことも見えてきました。
2020は攻撃面ではドリブルやクロスが課題となっていたわけですが、その点に対して、2021シーズン新加入の選手の特徴が合致しており、能力的な部分での補強の方向性は明確であることもわかります。
一方、悪化した守備は問題ないのでしょうか?
この点は、次回、もともと意図していた「2020シーズンの怪我人の影響」と関連して、個々人にスポットを当ながら見ていきたいと思います。
それでは、また次回の記事で。
■補足ーFootball LABの「Chance Buillding」および「Chance Buillding Point」の定義についてー
本文では、詳細な説明を避けましたが、Football LABのサイトから確認できます。
ご興味のある方は、下記のリンクからご確認をお願いします。
・Chance Buillding :https://www.football-lab.jp/summary/team_ranking/j2/?year=2020&data=chance
・Chance Buillding Point:https://www.football-lab.jp/pages/cb_point/
しかしFootball LABさんは、データがたくさんあるので読み込むのが大変です。
今回、使った2つの指標以外にも、ポゼッション率等がわかる「Team Style」といった指標も。戦術がわかる人には、Team Styleのほうがわかりやすいのかもしれませんね。