宮崎幾笑は壁を超えることができるか ーどんな条件を満たせば「活躍した」と言えるのか?ー

皆さん、こんにちは。うにがしらです。

昨日、Youtubeのファジアーノチャンネルでは、沖縄キャンプの最終日の様子がアップされていましたね。
2月5日からは、宮崎県で二次キャンプが開始されるとのこと。
開幕に向けたチーム作りが、いよいよ本格化していきます。

さて、2021シーズンのキーマンは誰か?というところは、皆さんそれぞれご意見あると思いますが、
やっぱり「新10番」の宮崎選手は、外せないでしょう。
過去の得点シーンなどの動画を見ましたが、キックの正確さや強さ、ドリブルスキルは、ド素人のうにがしらでも「上手ぇ!」とうなりますし、ファジアーノの攻撃を一段引き上げてくれる期待感があります。

しかしながら。
冷静になると、やはり怪我を含む諸々の理由で出場ができなくなってしまうと、「+宮崎幾笑」の効果は期待できないわけで。
一方「全試合、フル出場希望」も、ファン心理ではあるものの、そもそも現実的なのか?という問題もあります。

というわけで、今回はJ2リーグの選手の出場状況を見ながら、宮崎選手に期待したいポイントを考えたいと思います。

今回は、「Football LAB(https://www.football-lab.jp/)」と「サッカーダイジェスト2020 Jリーグ総集編」のデータをお借りして考えます。

■2020シーズンのJ2の出場状況は?
まずは、リーグ全体から俯瞰してみましょう。
2020シーズンのJ2の全出場選手について、こんな表を作ってみました。

画像1

いわゆるヒートマップですね。
縦軸はは出場時間を、横軸は出場試合数を記載しています。
各セルの数値は人数を、色は多さを表しています。
例えば、【縦:1-300、横:1、数:22】のセルは、
「シーズンを通して、1試合、トータル出場時間300分以内の人が22人いた」ということを表します。
色が多くて濃い部分に人が集まっていると、ざっくり見ていただければ幸いです。

さて、ここから見えることを整理してみます。
表には記載していないのですが、以下、前提として押さえてください。

・2020シーズンのJ2で出場した全選手は、636名である。
・全42試合出場した場合の出場時間は、3,780分である。

さて、全試合42試合出場している選手は・・・と。
・・・6名しかいませんね。全体の100人に1人
全試合出場が偉業であることが、よくわかります。
(ちなみに、2020シーズンは42試合出場で3,780分フル出場した選手は2名でして、千葉の新井章太選手と群馬から札幌に移籍した岡村大八選手です。)
全体の9割に関わったと考えた場合でも、試合数にして38試合以上、時間だと3,400分以上になりますが、これも38試合以上で全体の13.4%、3,400分以上では5.3%しか達成している人がいない(各チームのレギュラーでも全員が達成できているわけではない)ので、かなりハードルが高いことがわかります。

表からはシーズンの半分(21試合)以上に関わるには601分以上の出場時間が、シーズンの2/3(29試合)以上に関わるには901分以上の出場時間が必要であるという傾向が見て取れます。
これから出場機会をつかむ必要がある選手にとって、このシーズン601分以上と901分以上の出場は、一つの目標になりそうです。

■出場時間や出場試合数って、どのくらい大事なのか? ーMVPやMIPクラスの選手はどれくらい出場しているかー
全試合にからむのも、9割以上試合に出るのも、とても難しい。
ただ、一方である程度試合に出ないと、活躍を認識されないのも確かです。
どのくらい出場すれば、「活躍したと認めてもらえる」あるいは「結果が残せる」のでしょうか?
全員分のデータを見るのはさすがにキビシイ。目利きの人が、「この人!」と選んだものがないだろうか・・・というわけで、サッカーダイジェストの総集編から、各チームのMVPとMIPを抜き出した表がこちらです。
日ごろから取材をしている記者さんたちが選んだ方たちなので、このメンバーの条件に当てはまれば、さすがに活躍していると言えるはず。

MVP:チームで最も活躍した選手
MIP:チームで最も印象に残った選手
(「ワールドサッカーダイジェスト2月8日号増刊 2020 Jリーグ 総集編」より)

画像2

平均などを見ると、おおむね30試合以上、3,000分近くが一つの条件となりそうです。一方で、磐田の遠藤選手のような例外も見られますが。

とはいえ、宮崎選手は若手のアタッカー。
そして、本人はインタビューで「10得点・10アシストが目標」と語っています。

【ざっくり20得点ぐらいに絡んで】、【若手】で、【アタッカー】というと・・・
うにがしら的には、以下の5名が目に付きました。(皆さん、いろいろご意見あるでしょうが)
・ディサロ 燦シルヴァーノ
・山口 一真
・明本 考浩
・本間 至恩
・加藤 陸次樹

表で黄色くしている人たちですね。
2021の宮崎選手は、ディサロ選手や山口選手並みのインパクトを残す必要があるところを目標としている。そんな風に考えることもできそうです。

■宮崎選手に必要なレベルアップとは ー出場時間とシュートの成功率とー
さて、先ほど挙げた5名および2017金沢時代の宮崎選手を、先ほどのヒートマップにプロットして考えてみましょう。

画像3

はい。こんな感じになりました。

宮崎選手について2017金沢のものを選んだ理由は、「この時が最も良い数字が残っているから」です。

宮崎選手は2017金沢時代の自分をまず超える必要があると。その上で、「10得点・10アシスト」に近づくには、赤で示したエリアのところまで出場時間や出場試合を伸ばす必要がありそうです。

そしてもう一つ。
「出場時間が短くても、シュートの精度が高かったらいいんじゃね?」
おっしゃる通り。
というわけで、宮崎選手の今までの成績と、今回挙げた5名、さらに参考値として上門選手を並べてみましょう。

画像4

いかがでしょうか。
7得点の本間選手でシュートの成功率が10.0%です。
本間選手は2,800分程度出場しており、宮崎選手は、最も出場できた2017シーズンで2,400分に届いていないので、目標を達成するためにはシュートの成功率も重要になりそうです。
山口選手がFWで、14.2%であることも加味すると、15%程度は目指したいところでしょうか。
ただ宮崎選手は、2017シーズンには13.2%の成功率を残しているので、ポテンシャルは間違いないでしょう。

まとめると、2021シーズンの宮崎選手の壁は
・出場時間数を、まずは2,400分以上に伸ばしていく。
・その上でシュートの精度を上げていく。
の2点と言えそうです。

これは、うにがしらには、とても高いハードルに感じます。
ただ、これもJ1に到達するための「フツーじゃない何か」だと思いますし、宮崎選手は、それを期待させてくれる選手です。

早く、ピッチで躍動する姿が見たいですね。


■終わりに
今回の記事は、いかがだったでしょうか。

核となる選手の活躍がチームの上昇には欠かせないということと、具体的な目標を宣言しているということで、今回は、宮崎選手に登場してもらいました。
一方で、ひとりの選手がどれだけ良い成績を残しても、昨シーズンのベースを発揮できないなどのマイナスがあると結局下位に沈んでしまうでしょう。

昨年のチームの核になっていた選手が、今年以上に力を発揮できるか。特に上門選手については、皆さんがもっとできる(もっとフィットする方法がある)と思っていると思いますし、最後の表からもポテンシャルを感じます。宮崎選手だけでなく、上門選手の得点をより増やせるようにしていくこともチームには求められるでしょう。
「左の上門、右の宮崎」といえる状態を見たいですよね。
(利き足基準だと、左の宮崎、右の上門なのかな?)

各選手の目標として
・上門選手:背番号以上 → 14得点
・宮崎選手:10得点
・ヨンジェ選手:10得点以上
これで合計34得点なので、チーム目標の60得点のようやく半分といったところです。

ここをとっても「60得点以上」の目標は、ある意味、順位で目標を立てるより厳しい基準と言えるのかもしれません。

さて、ここまで読んでいただいた方の中には、
「2020と2021は、交代人数などのレギュレーションが2019で変わっているので、2020をもとに出場時間を考えるのは変じゃね?」と思わる方もいらっしゃるかと。
というわけで、次回は、ファジアーノから離れて、2018-2020の3シーズンのJ2の出場状況を検証してみたいと思います。

一旦、見えているところをお伝えすると、
・2020シーズンのリーグ出場者は636名
・2019シーズンのリーグ出場者は644名
というわけで、全体としては2020シーズンのほうが出場者が減っていることが見えています。
「5人交代枠によって、若手の出場機会が増える」と言われていましたが、J2に関しては、単純にそうならなかったようです。
とはいえ、中身を見ると、もう少し印象が変わってくるのかも・・・。

それでは、また次回の記事で。

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