【観戦後の雑感】2024 J2第6節 群馬×岡山

皆さん、こんにちは。
本日の試合も、劇的な勝利を収め、ファジアーノはリーグ戦4連勝(公式戦5連勝)を達成。開幕からチームを支えていた岩渕選手や田部井選手がメンバー外の中、今節は、太田選手、シャビエル選手、吉尾選手がメンバーに入りました。
今年の岡山は、選手層が厚い。多くのサポーターが開幕から、そう感じていたと思いますが、本日の試合は、それを証明したものとなったのではないでしょうか。そんな第6節を振り返ります。


寸評

前日は、X上に雪景色の本日の試合会場の写真が流れるなど、天候が心配されていたが、前節のように強い風もなく、天候に左右される恐れもなく試合はスタート。
前半から岡山は、群馬の最終ラインがボールを持つと、前線の3人とWB、CHが連動してプレスをかける。プレスによるボール奪取までは、見込めないものの、群馬のボール回しを外回しに、あるいは最終ラインからのフィードをアバウトにさせることで、ボールを回収し速い攻めを試みることで、相手コートでの時間を増やす。しかし、シュートの手前でボールがつながらないという課題は、この試合でも継続。群馬に対して決定的なシーンを作るまでは至らず。これは、岡山が拙いという面と群馬が最終ラインおよび中央をしっかりと固めていたことも影響していたか。群馬は、両サイドの奥を岡山にとられるシーンこそあるものの、最後の部分では、岡山の侵入を防ぎつつ、岡山のミスが見られた場面では、ゴールに迫る場面を作り、スコアレスで前半を折り返す。
後半、岡山は、先発のNo.99ルカオを下げ、No.9グレイソンを投入する。グレイソンが前線でボールを落ち着ける場面が増え、岡山の前進が安定し始めた矢先の後半3分、スローインの展開から、群馬のNo.5川上がカットインからミドルシュートを放つ。シュートはゴールからコースを外れていたが、イレギュラーバウンドがあったか、No.88柳のクリアが自陣ゴールに吸い込まれてしまい、岡山は先制される。多少の動揺はあったと思われるが、岡山は、やることは大きく変えず群馬ゴールに迫る。迎えた後半8分、グレイソンのポストプレーから、No.44仙波が、PA手前で群馬DF陣をフェイントで動かして狙いすましたシュートを決め、ゲームを振り出しに戻す。ここからお互いに選手交代を行い、試合の流れを引き寄せようとするが、お互いの最終ラインを崩すまでに至らない。それでもアディショナルタイムを3分を超えるころ、岡山は、No.8シャビエルとグレイソンのパス交換から、ペナルティエリアに侵入。一度ははじき返されかけるも、No.17末吉が左サイドから、再度ゴール前にボールを送り、グレイソンの落としにシャビエルが右足を振りゴールをこじ開け、勝利を手繰り寄せた。

岡山で印象に残った選手

No.44 仙波 大志
本日は、ボランチでフル出場。攻撃に変化を加えたい場面で、ボールを奪われてしまう場面も見られましたが、相手のボールホルダーに激しく奪いに行き、フィールドの至るところに顔を出していました。昨シーズンとは、またちょっと違うプレーが観られていると思います。
同点弾は、フェイントで群馬ディフェンス陣を釣っていたところからのコントロールショット。技術の高さを見せました。

No.99 ルカオ
前半、フィジカルの強さをいかんなく発揮。右サイドをスピードで突破する場面もあり、得点にはつながらなかったものの、群馬を自陣に押し込むポイントになっていました。オーバーヘッドというか、後ろ向きでのアバウトなクロスなど、相変わらず意表を突くプレーを披露。周りの選手と、感覚があってくると面白そうです。

No.8 ガブリエル シャビエル
最後に「これが質」と言わんばかりのゴール。
交代直後は、あまりゲームにすぐに入れている感じではなく、違いが作れる感じではなかったですが、それでも終盤に差し掛かるにつれ、グレイソン選手とのコンビネーション、そしてハードワークも観られました。ここからゲーム感が戻ってくれば、どんなプレーが飛び出すのか。楽しみです。

群馬で印象に残った選手

No.6 天笠 泰輝
群馬の最終ラインがボールを保持しているときの、岡山の3トップとのポジション取りの駆け引きは面白かったです。岡山の選手につかまらないポジションでボールを受けての展開や、カウンターでのボールの持ち運びなど、個人戦術でゲームを動かす力を感じました。

No.10 佐藤 亮
前述の天笠選手、後述の田頭選手と佐藤選手で構成される群馬の右サイドは、試合中かなり厄介なイメージでした。特に佐藤選手は、前半の川上選手のヘディングにつながったクロスをはじめ、自由にボールを扱えると何かを起こせる雰囲気がありました。ボールを持った時のたたずまいから、個人戦術があることを感じます。今日は、鈴木選手を中心に、好きにやらせることなくゲームを進めることができて良かったです。

No.29 田頭 亮太
後半ロスタイムに、ブローダーセンが横っ飛びセーブをするヘディングシュートでインパクト大。大学時代から、DFにも関わらず攻撃を牽引する存在でしたが、末吉選手とのマッチアップをはじめ、運動量多くプレーしていたと思います。

終わりに ープラスワン。そして、さらにチームを進化させられるか。ー

シャビエル選手は、やはりプラスワンだった。それがはっきりわかる試合になりました。もう一つ、ここ数試合の雑感で書いている「もう1点」、「ゴール手前の質」という課題も継続中ということがわかる試合だったと思います。
4連勝を達成している中で、これ以上を望むのは贅沢ではありますが、それでもシャビエル選手のインパクトは絶大。今後を敢えてネガティブに考えるなら、今後の岡山の悪いシナリオは、「シャビエル頼み」になることでしょう。前半にしっかりと押し込んでいる状態で、何とか1点を獲れるようにしたかったところです。欲張り過ぎと言われそうですが、シャビエル選手を「切り札」として持っておいて、そのカードを使わずとも試合を決められるようなチームになれるか。そこは、今後の注目ポイントとしたいところです。
とはいえ今日の前半は、初出場の太田選手がいたにも関わらず、前線からプレッシャーをかけることも相手コートに押し込むこともできていましたし、吉尾選手もリーグ戦デビューを果たしました。2024のファジは、「目指しているスタイルをメンバーを変えても継続できるチーム」であることが、徐々に見えてきていると思います。残念ながらというべきか、幸いにというべきか、何名かは怪我なのではないか?ということが想起される一方で、怪我から復帰した選手をはじめ、そこを埋められそうメンバーが登場する流れも見えています。まずは、藤田選手が出ずっぱりなので、そこに競争を持ち込める選手が登場することを期待したいです。

さて、次節は大分戦。2024に入って、J1経験のあるチームとの初めての対戦となります。ここまでの6チームも強かったですが、それでも経験豊富で追いつき追い越したいチーム達との対戦がいよいよ始まります。今一度、粘り強く戦っていくことが求められるでしょう。次の試合も楽しみです。

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