【開催報告】大宮国際プロジェクト:中学校で初めてのオンラインワークショップを実施しました!
こんにちは!Unicul Laboratory 共同代表理事の永野です。
先日の記事では、さいたま市立大宮国際中等教育学校での新たなプロジェクト(以下、大宮国際プロジェクト)について、その立ち上がった背景や込めた思い、オンラインでの実施に至るまでの経緯についてお話しさせていただきました。
今回の記事では、Unicul初の学校現場での本格的なオンラインワークショップとなった、大宮国際中等教育学校(以下、大宮国際)の生徒のみなさんとの記念すべき第1回ワークショップの様子について、レポートしていきます。
1.プログラムの全体構成、実施形式など
大宮国際プロジェクトでは、コロナ禍の影響もあり、本来は4月に予定していた第1回のワークショップを、第1回Part1(7月11日)・第1回Part2(8月1日)の2部構成とし、オンラインで実施することになりました。(詳細は先日の記事を参照)
参加者は、校内で希望を募っていただき、興味を持ってくれた中学2年生17名。スタッフは、第1回Part1は13名、Part2は11名の参加となりました。
なお、プログラムの全体構成は以下となっています(2020年8月現在の予定)。第2回以降は、9月以降に実施予定です。
第1回 大学生・社会人と話をしてみよう(Part1)
これまでの経験を振り返ってみよう(Part2)
第2回 2030年の世界や社会を知ろう
第3回 あこがれの「自分」を知ろう
第4回 あこがれの「自分」の実現方法を考えてみよう
第5回 将来に向けたステップとアクションを考えてみよう
時間は9:30-12:00の2時間半を基本とし、ツールはzoomとmiroを併用する形で行いました。
事前に学校を通じてzoomとmiroのURLをご案内させていただき、当日、生徒のみなさんには学校や自宅からアクセスしていただきました。
通信環境やデバイスの関係で、一時的に接続が不安定になってしまった方もいらっしゃいましたが、概ね問題なく進行できました。
スタッフ側もそれぞれ自宅からの参加でした。
司会やプレゼンテーションを担当するメインファシリテーター1名と、ブレイクアウトセッションの作成などを担当する補助1名が中心となり全体を進行しつつ、ブレイクアウトセッションでは各グループにグループファシリテーターを2名以上配置し、ファシリテートを行いました。
その他、開始時・進行中の接続トラブルに対応する技術担当スタッフや、出欠確認担当スタッフなど、上記役割に兼務する形で、役割分担をしています。
なお、オンラインワークショップでは、一気に全体を把握したり、情報を共有したりということが難しい関係上、対面でのワークショップに比べ、スタッフを手厚く配置する必要があります。
たとえば、各グループでのブレイクアウトセッションの進行中、配置された2名のうち、1名は生徒さんとのコミュニケーションに集中してもらい、もう1名は他のグループやメインファシリテーターと時間管理の調整をする、という感じです。
その他、細かいノウハウもだいぶ蓄積されつつあり、少しずつマニュアル化も進めているところです。
たとえば、zoomの使い方(名前の表示・BGM)、miroの使い方(テンプレートの固定・作業内容のスライドの事前貼り付け)、進行中の連絡調整(zoomのコメント欄とスタッフ用slackの併用や、そのルール・コツ)などなど、細かい調整でぐっとやりやすくなることがいっぱいありました。
もし、こちらの記事をお読みの方で、オンラインでのワークショップの実施について、何かUniculにお手伝いできることがあれば、ぜひお声かけいただければ幸いです。
それでは、基礎的な情報はこのくらいにして、早速とっても楽しかったワークショップの様子について、レポートします!
2.第1回Part1「人生路線図ワークショップ」
第1回Part1は、まずはみんな仲良くなろう!を第一の目標として、「人生路線図ワークショップ」を実施しました。
どんなプロジェクトでも最初は必ずそうなのですが、今回はとびきり緊張しました。
生徒のみなさんはzoomやmiroに無事アクセスできるだろうか、zoom越しのわたしの話を理解しながら聞いてくれるだろうか、30人規模のzoomでブレイクアウトセッションはうまくいくだろうか、BGMは程よい音量で流れてくれるだろうか、グループワークでは気軽に発言してくれるかな、メインファシリもグループファシリも対面と勝手が全然違うけどうまくできるかな、なによりオンラインで楽しんでくれるかな…などなど。
結果としては、細かい反省はあれど、全て無用な心配でした。笑
生徒のみなさんは、zoomを開けた9:15から続々入室。学校から参加する子もいれば、家から参加する子もいて、中にはバーチャル背景を使いこなしている子もおり、びっくり。笑
開始時刻まではちょっとした雑談もしつつ(なかなか双方向にいかないので、ラジオのパーソナリティ的な力が試されましたが…)、開始後は、初回らしく、企画の趣旨からゆっくりお話を進めていきました。みなさんバッチリミュートで話を聞いてくれて、さすがでした。
いよいよワークショップを開始。
まずはアイスブレイクも兼ねて、miro上のシートをもとに自己紹介。
ちなみにmiroに慣れてもらう意味も込めて、シートは事前に作成してもらっていたのでした。
本編に入ると、まずはゲストスピーカーの所属や肩書きを聞いて感じた第一印象を、miro上にペタペタ貼っていきます。
「たくさんの人と関われそう」「かっこいい」「真面目そう」など、率直な意見が出てきました。
そしていよいよゲストトーク。ゲストの人生の歩みを聴きながらメモを取り、人生路線図に落とし込んでいきます。メモもmiro上に取ってもらったのですが、動きはとってもスムーズ!
グループファシリテーターもお手伝いしつつ、うまく分担しながら、人生路線図の形を仕上げていきました。付箋のみならず、「いらすとや」なども上手に活用し、賑やかな路線図に。
その後、「自分たちだったら、こんな駅や線路もあり!」という路線図をつくっていきます。
「他の大学に入る選択肢もあったのでは」「学問に興味を持ったなら、そのまま大学院に行って、学者さんになればいいのに」「なぜその夢を諦めたのか」などなど、アイデアがたくさん出てきました。
最後、ちょっとドキドキしながら、ゲストスピーカーがその選択の裏側を打ち明けていき、それを受けて生徒のみなさんが路線図に名前をつけたり、その人はどんな人なのかを簡単にまとめて、ワークショップは終了。
路線図には「偶然を大切にする路線図」「様々なことにトライしながら、自分を探していく路線図!」といった名前がついたり、まとめてくれた中では「幼少期に出会った本から自分の将来を見定め、直感を大切にしながら、いろいろなことにチャレンジする人」といったコメントまで、素敵なアウトプットをたくさんいただきました。
ちなみにワークショップ終了後には、少し交流できればということで、30分程度zoomを開けておきました。
数名が残ってくれて、「どうやったら公務員になれますか?」という真面目な質問をいただいたり、一方で流行りのyoutuberやボカロの話などをいろいろ教えてもらったりもし(笑)、対面でのワークショップとさほど変わらない、楽しい時間を過ごしました。
終了後、無事終わったことへの安堵で体から力がひたすら抜けていき、さらに事後アンケートの「楽しかった!」という感想の山に、涙がちょちょ切れるばかりでした…。
3.第1回Part2「冒険の宇宙ワークショップ」
上記の3週間後、第1回Part2も実施。前回は人生路線図でスタッフのこれまでを話してもらったので、今度は生徒のみなさんに、これまでを振り返ってもらいました。
内容としては、いわゆる「モチベーショングラフ」を描いてもらうものでしたが、冒険といえば宇宙!という安直な発想から(笑)、「冒険の宇宙ワークショップ」と名付けて実施しました。
運営面では、ホスト権限の調整(全員を共同ホストに)や出欠確認のフロー(zoomに30人だと、ふわっと「全員いるね」とはならない…)など、前回うまくいかなかった点を微調整し、満を持して開始。
第1回Part2は、アイスブレイクからスタート。
スタッフでのシミュレーション時には「飲み会ネタだ」と多数の非難を浴びたのですが、「たけのこニョッキ」をやりました。
オンライン独特の間合いをみなさんよく読めていて、割とすんなり終わってしまったのですが、ウォーミングアップは完了。
その後はmiro上での作業に移行。
まずは、これまでの宇宙航路としてテンションの上がり下がりをグラフにしてもらい、ターニングポイントとなった出来事には星のマークをつけてもらいました。
手書きだと、「やっぱりこのときの方がテンション高かったかな?」とぐちゃぐちゃに消しては書き直すところ、miroは直線を自由自在に曲げられて、なんとも便利。生徒のみなさんも、さくさくと使いこなしていました。
星は、またもや「いらすとや」から拝借するなど、人生路線図同様に賑やかな絵になっていきます。
そして、星の中から大きな出来事を3つ程度選んでもらい、彗星のイラストを貼り付け、「どんなところが印象に残っているのか」「わくわくしたこと、学んだこと、うまくいったこと・いかなかったこと」「いまの自分にどんな影響を与えているのか」といった点を、深掘りしてもらいます。
その後、「次の星を目指せ!」ということで、中学2年生の残りの半年超でやってみたいことや、それとこれまでの出来事がどうつながるか、考えてみました。
「これまで、これはあまり頑張れなかったから、今後はこれを頑張りたい」など、いろいろなお話をしてくれて、スタッフ一同、感心するばかりでした。
最後、自分のことを深く理解することの重要性や、過去の経験が未来につながっていくといった形でまとめをしつつ、「自分や社会をとりまく状況は常に変化する」ということで、第2回のワークショップにつながるお話もさせていただきました。
第1回Part1同様、終了後の交流にも数名が参加。「なんかLINEが100通くらいきてる!!!」「まじで!?」とみなさん盛り上がっていて、ワークショップを回し切って半ば憔悴している大学生・社会人をはるかに上回る元気を見せつけられました…。笑
こんな感じで、団体内での実験からスタートしたオンラインワークショップの学校現場での実践も、無事にスタートを切ることができました。
コロナ禍の中で、いろいろと模索してきたことが実を結び、生徒のみなさんにワークショップを届けることができて、本当に嬉しい限りです。
4.今後
大宮国際では、引き続き第2回以降のワークショップを、9月より順次実施していくことになります。
状況を踏まえつつ、対面での実施も検討しましたが、リスクをゼロにするのはやはり難しいということで、当面はオンラインでの実施を継続していく予定です。
内容面では、まさにこれから<Queque>アップデートの本番(!)となっていきます。
第2回では、以前団体内で実施した「これからの社会について考えるワークショップ」の内容も踏まえ、2030年までの社会がどう変化していくか、それとわたしたちの進路選択やキャリアとどのように関係していくか、について、一緒に考えていくことになります。
厳しい暑さが続きそうですが、引き続き大宮国際プロジェクトスタッフ一同、参加してくれる生徒のみなさんや、学校の先生方にとって、よりよい機会を届けられるよう、取り組んでまいります。
次回の活動報告も、ぜひぜひお楽しみに!
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