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人見知りな幼稚園時代の話

大きな声で笑ったり、「せんせー!見て見て!」と自分の親のように声をかけられる周りのみんなが羨ましかった幼稚園時代。

先生の話をじっと聞き、言われたことはきちんとやり、おとなしくて口数の少ない地味な女の子。
写真を見ても、無表情で無愛想。
子供らしい笑顔や無邪気さがない。
母は「手がかからない子だった」と言っていた。

幼稚園時代の記憶。
私はかなり鮮明に覚えている。

担任の先生の名前が母と同じで、とっても若くて優しい顔をしていて、卒園式に号泣していたこと。

粘土でウサギを作る時間、私は本物のウサギを見たことがなかったから、普段絵で描く通りに作った。平べったくて洋服を着たウサギが出来上がった(ミッフィーみたいな)。
周りを見ると立体的なウサギで、「これがウサギなの?」と衝撃を受けたのと同時にものすごく恥ずかしくなったこと。

幼稚園には運動教室という時間があり、柔軟体操を主にしていた。私は開脚前屈が苦手で、5歳児にして体が硬く、どうしても体が前に倒れなかった。そのたび体操の先生に「それ誰?ふざけてないでちゃんとやって」と注意され、泣きたいほど嫌な思いをしたこと。

子供ながらに、あきくんという男の子にドキドキしていたこと。(卒園して離れてしまったが中学で再会。その頃のかわいい面影はなく一瞬で崩れた恋心でした)

大人しくて気弱で声も小さかった私は、苦手な女子が沢山いて、誰とでも仲良く楽しく遊べる子供ではなかったこと。

幼稚園の記憶は、全てではないけれど覚えていることが沢山ある。
楽しいものではなかった。
大人になってから母が言っていた。
「あんたは幼稚園、楽しくなかったと思うよ。苦痛だったんじゃないかな。かわいそうだったけど、嫌がらず行っていた」
と。
体も小さく、人見知りで大人しかったから、ちょっと強い女の子なんかは私にえらそうな態度をとってきたり、言いたい放題言っていたそう。
それを聞いて納得。
強い女の子、沢山いたし顔も浮かんでくる。

小学校にあがり、3、4年生になった頃。
幼稚園の担任の先生が突然家に訪ねてきて、母と何時間かお茶したらしい。
「今日、先生が来たよ」と母から聞いてびっくりしたけど「ふーん」としか返せず、でもやっぱり気になっていて数年後に母に聞いてみたら「unicoのことが心配だったのと、先生が赤ちゃん産んで幼稚園辞めたけど子育てがこんなに大変だったなんて、保育士なのに全然うまくできないって悩んでた」と話してくれた。
あんなに優しい先生でも悩んだりするんだ…と当時は不思議に思った。
大人はすごく立派で、何でも出来て、悩みなんてないと思っていたから。

私の人見知りは小学校に入ってしばらくすると消えていた。
私にとって、小学校時代は地獄だった。

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