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【ABABA】採用戦略と成長ビジョン ~お祈りエール~の思いよ届け!
少子高齢化で、人手不足。
毎日のようにそのようなニュースが流れます。
一方で、企業の人材採用手法は、新卒・中途を問わず、数十年来大きな変革を遂げていないのが現状です。エントリーシートや職務経歴書の審査、複数回の面接といった基本的なプロセスは依然として主流であり、一部のコンサルティング企業でケース面接を導入するなど、より深い適性評価を試みる例はあるものの、むしろ例外的と言えるでしょう。
インターンシップの活用、ダイレクトリクルーティング、AI技術の導入、HRテックの活用、RPOなど、母集団形成や採用業務の効率化を図る新たな取り組みは増えています。
しかし、これらのソリューションも、「計画通りの人材を、必要な人数だけ確実に採用する」という本質的な課題解決には至っていないのが実情です。
つまり、多くの企業が採用に関する状況改善に苦心しており、その成果に大きな差異は見られないと言っても過言ではありません。このような旧態依然とした、場合によっては「機能不全」とも言える採用手法に一石を投じる革新的なサービスをご紹介します。
注目されているスタートアップを取り上げ、スタートアップへの転職活動のお役に立つ情報をお届けします。
今回は、株式会社 ABABA。求人情報や事業展開にフォーカスして考察を深めていきます。
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▼ABABAとは
ABABAが取り組んでいるのは、
人材採用システムの見直しと就活生のメンタル問題対策です。
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売り手市場だと言われる世界でも、
第一志望に就職できるとは限りません。
隣人を助けよ
ABABAの創業者はこのような就活生の状況を改善するために
大阪府吹田市で起業しました。
代表取締役社長 久保さん。
在籍していた岡山大学発で、大学としては15年振りの創業でした。
「就活生がどれだけ頑張ったとしても面接で落ちてしまえば、おしまいで、そのプロセスを評価してくれる仕組みがない。」
久保さんの親友から最終面接で意中の企業に不採用になり、そのような話をきいたことがきっかけでした。
2024年10月19日で創立4周年を迎える。この企業を語る前に、時間のある人は、このABABAのブランディング動画を見て欲しい。(12分。長いので途中で止めてもらっても構いませんが、きっと最後までみたくなります)
ABABAは、最終面接に進んだ学生にスカウトを送ることができるサービス。仕組みはこうだ。
「お祈りメール」を少しでも前向きな応援するもの(エール)に変えたい。そんな気持ちから生まれたのが、ABABAの「お祈りエール」です。最終面接で採用できなかった就活生に送る不採用通知メールの中で「当社で採用はできませんでしたが、あなたは素晴らしい人材なので他社に推薦したいです。ABABAに登録していただければ、今後の就職活動を応援させていただきます。」という文面でABABAへの登録を促し、その企業の最終面接まで進んだ就活生として、他企業のスカウトを受け取ることができるスカウト型サービスです。選考の過程を評価することで「就活うつ」に悩む就活生の心理的ストレスの軽減に寄与しながら、採用企業のブランディングにも貢献できる、社会課題と事業課題の双方を解決する事業活動を展開しています。
あの、冷淡な「総合的な判断により不採用。今後のご活躍をお祈り致します」のお祈りメール。
なんの力にもならない定型文。
それだけではない。ABABAの調査によると志望度が高い企業からのお祈りメールを受け取った就活生の8割が
その企業へ「嫌悪感」を抱くというのだ。
企業人事は、定型フォーマットの効率だけで仕事をするのを改めていただきたい。
そんな問題の多い、定型お祈りメールのそれまでの価値を
全く変えてしまったのが“お祈りエール”。
お祈りメールを新たな企業と出会うためのチケットへ変えた。
※最終面接まで進んだのなら、
類似企業やライバル企業が欲しがるような人材ということ。
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-サービスの特徴・ポイント
・最終面接まで到達できたこと自体に価値があり、学歴やガクチカ
よりも優先着目されるサービス。
・最終面接まで進んだ就活生しか登録できない。
・企業のスカウト時に書類選考や1次面接の選考カットが提示される
・ABABAでの内定が入社先になる内定承諾率は驚異の67.5%
・新サービス「REALME」は最終選考まで進んだ就活生の
各種平均データを有効活用し個社毎の事前AI面接で
模擬の内定判定が分かり、アドバイスまで受けられる
・お祈りエールのユーザーを第二新卒や中途採用の候補としてプー
ルできる
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企業は、他社の最終面接に進んだ学生にアプローチすることで、優秀な人材を効率的に採用できます。また、LINEを通じてスカウトを送ることができ、学生からの返信率が高いことが特徴です。
現在までに7万人の学生と2000社の企業に利用実績がある。
▼ABABAの社風
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-社員・社風の特徴
・ほとんどが関西を中心とした地方出身メンバー
・原則出社👉️KPIが個人<チームとなっていることも影響して
直接顔を合わせることを重視している
・完全週休二日制でカレンダー通り土日祝が休み。
こちらの記事が社風と社員の実態について、とても参考になります。https://www.wantedly.com/companies/company_8134109/post_articles/920979
▼ABABAの採用・人材募集の状況
人事情報
・人材業界や人事などのHR業界出身者多めだが、
多様性確保のために異業種出身者も歓迎
(元CA、元不動産営業など)
・人材業界 レバレジーズ / パーソルキャリア / ビズリーチ /
・他業界 サイバーエージェント / LINE / Bytedance / DMM / DELL
📣人材出身者が集い本気で良いサービスを作るために
事業と顧客に向き合っている
→採用の課題を本気でなんとかしたいと思っている
・約50名の社員、若手中心の構成
・年代区分 20代:30代 = 26:6
・平均年齢(ボードメンバーを除く) 全社員:25.3歳
役職者:27.1歳
・給与レンジは、スタートアップとしては高めです。
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・退職後も権利行使できるストックオプション
スタートアップとして、採用面で特徴を出そうとした工夫が
見えます。
求人状況から見えるABABAボードメンバーの本音
ABABAは、2027年に上場目標を掲げ、1兆円企業となることを目指しています。当然、それに沿った採用戦略が見えます。
現在(2024年10月19日)下記の職種を募集しています
📣BtoBマーケティング/インサイドセールス
→ハウスリストだけではなく、アウトバウンドも含めて
新規リード獲得を取りに行く体制を作っていく
📣カスタマーサクセス
→受注後の「採用成功の実現」「お祈りエールの運用」に向けた
コンサルティング業務を社内外に体制強化。
“将来的な幹部”という文言からも
事業の再現性やMOAT構築、CSなど拡大とともに
事業の価値を確実なものにして、上場などをボードが強く
意識していると推察します。
📣フィールドセールス
→ターゲットを明確にエンタープライズ向けにして売上拡大する
エンプラ営業部隊の増強が必須
上記の状況から立ち上げ期から明確に拡大期に舵を切ったことが分かります。パーパースや志向性は確実に重視するでしょうが、
年収を抑えていないことから、事業展開や資金調達も順調なので可能な限り最大限の人数を採用していくと予想されます。
▼ABABAの事業評価
最後にABABAをとりまくマーケットの現在と未来について
見ていきたいと思います。
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現在の市場規模: 5点
(1000億円以上)
現在の新卒市場規模は1500億円、うちABABAは600億円を狙っている(代表 久保さんの発言より)今後3~5年の市場成長の見立て: 1点
(2倍以上CAGR15%以下)
2023年度の新卒採用市場規模が1,385億6,000万円であり、
2024年度には1,459億7,000万円に達すると予測されています(CAGR 5%程度)。一方、RPO市場が2020年から2028年にかけて20.8%のCAGRで成長するとレポートもあり、学生数が減ったとしても市場としては、拡大傾向にあります。
変化する外部環境との親和性: 5点
(外部環境変化と親和性高い)
少子高齢化で、一人あたりの採用コストは上昇していますが、
企業の新卒採用意欲は衰えません。支配的なプレーヤーの存在感の低さ: 5点
(支配的プレイヤーはいない)
大手人材サービスから中堅まで様々市場参入していますが、圧倒的なシェアを握っているプレイヤーはいません。現状の顧客が活用している代替案の未充足度: 5点
(代替案のみ充足度が非常に大きい)
企業の採用計画に対する達成率は平均で40%と言われています。
現状の新卒採用支援エージェントへの不満は大きいと言わざるを得ません。
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総合評価: 21点(25点中)
▼まとめ
【独断!】ズバリ、この会社はおすすめできるか
おすすめできます。代表の久保さんは、今年5月に史上最年少で経団連に入会、8月にはForbesJAPAN 30 UNDER 30に選出。資金調達状況や事業の特異性も話題になっています。新卒のみならず、既に、中途採用も視野に入り、Aiでの面接リプレース・ツールも発展させていくでしょう。ただし、HR分野は基本レッドオーシャンです。スタートアップの不確実性は認識しておきましょう。
【独断!】こういう人にチャレンジしてほしい
現時点は、20代、30代のエンタープライズに強い人材を
求めていると思われます。
年収レンジも低くはありません。大企業からもチャレンジしやすいのではないでしょうか。人材採用の行き詰まりを理解している人は
この会社のボードメンバーと既存採用方式を壊し、新たな価値、行動変容・慣習を作ることに非常に働きがいを感じるはずです。
最後に、ABABAの情報を調べる中で、気づいたことがある。
「私ってさ・・・社会に必要とされてないよね。」
ABABAのブランディング動画に出てくる言葉だ。
新卒でも中途でも不採用のそっけないメールが
深く心をエグルことがある。
ただ、ABABAが強く訴えているように、内定が出ても出なくて、あなたの価値は、その前後で何も変わってない。ただそれは、その企業と“だけ”ミスマッチだった“だけ”。それは、現在、転職を考えている会社員にも言える。今、所属企業している企業とだけミスマッチなだけ。本人の特性や能力と関係ない。自分のコントロールできない事情で決められていることも意外とある。
ABABAは登録した「就活をがんばった」人材をDBとして
次の中途採用に活かそうとしている。人材採用の“古臭さ”が日本経済停滞の大きな要素の一つになっていることはまちがいない。
HR系スタートアップが「就活の努力」や「会社員としての努力」を社会全体で価値あるものへ押し上げてくれることを期待している。
ライター 山本 智史
※引用参照サイト
(参考情報)
今回、取り上げたABABAの久保さんが
我々、ユニコーンファーム代表の田所雅之の著書について
次のように語っていただいてます。
(100人くらいのインタビューしたが人事と就活生以外にはほぼ否定されたことを受けて)僕らにとってバイブルだった「起業の科学(著者:田所氏)」にも、万人がいいと思うサービスは誰かがもう既にやっているので、ほとんどの人に否定され、ターゲットだけに刺さるサービスを作ろうという考えにまさに沿うもので、ヒアリング結果は散々でしたが、逆にイケるのでは?という思いが募っていきました。
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