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魔鏡に魅せられた女のペンダント・ネックレス サージカルST

「鏡の中の世界」は、これまで、数えきれないほど多くの映画、小説、アニメ、マンガ、ゲームなどの世界設定に取り入れられてきました。そもそも水面に自分の姿が映る訳ですから、有史以前から人類は鏡的な存在を認識していた訳です。

鏡に映った自分を自分と認識できる能力を「自己鏡映像認知能力」と呼びますが、これは、人間以外にも、ごく限られた動物(チンパンジー、イルカ、ゾウなど)にもあります。人間の場合は、1歳半から3歳くらいでこの認知能力が形成されるようです。

古代では、鏡に映像が「映る」という現象は極めて神秘的なものとして捉えられたため、鏡は化粧用具としてよりも、祭祀の道具として使用されてきました。鏡の平面は、世界の「こちら側」と「あちら側」を分けるレンズのようなものと捉えられていたため、鏡の向こうにもう一つの世界があるという共通の概念が世界各地の文化に存在しています。

ところで、「ミラーワールド」という言葉がありますが、これは鏡の世界の事ではなく、現実世界を正確な方法でスキャンし、現実世界と瓜二つの空間を創り出したデジタル世界の事を指します。イェール大学の科学者が提唱した、現実の都市や社会のすべてが1対1でデジタル化された世界を表現する用語です。分かり易く言うと、映画「マトリックス」の世界のことです。

しかし思うに、ミラーワールドを実現するには、膨大な計算が必要となるため、少なくとも優秀な量子コンピューターが必要になるのではないでしょうか。
量子コンピューターは、今、世界中の国や企業が開発競争をしており、その方式も、超伝導方式、イオン方式,半導体方式,中性原子方式など様々なものがあります。2019年には、Googleの超伝導型量子コンピューターが「スーパーコンピューターで1万年かかる計算を量子コンピュータが3分で解いた」というニュースで話題を集めました。

日本においては、光の粒子(これを「光子」と呼びます)を使用した、光量子コンピューターの開発が主流です。東京大学の古澤明教授がNTTや理化学研究所と一緒に開発を進めている「時間領域多重化技術を使用した光量子コンピューター」や、同じく東京大学の武田俊太郎准教授の研究チームが開発を進めている「ループ型光量子コンピューター」などがあります。

ミラーワールド、実現するのは意外と近そうですが、それは都会だけの話で、大自然(樹木や山や海)までもミラーリングできるようになるのは、遥かに先のことでしょうね。1987年に始まったドラマ「新スタートレック」の世界では、既にエンタープライズ号の中のシミュレーションルームで実現していたんですけどね(笑)

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