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あなたの価値観はもう古いかも?!これからの時代に必要な”個に合わせた働き方”とは? 多様性を尊重した『自分らしい最適キャリア』のつくり方

<はじめに>
これからの時代は「個を尊重した多様な働き方」が注目されていますよね。終身雇用制度の崩壊、副業OKの流れ、フレキシブルな働き方……など「働き方改革」というレベルの話ではなくなってきています。今後、私たちの働き方はどのように変化していくのか? 企業にとっては「女性の働き方が鍵になる」という声もあります。

今回は、多様性を認める勤務環境を導入しているきらり薬局代表取締役社長・黒木さんと、外資系などグローバル企業で管理職(人材育成・風土改革)をされているグローカル姉さんから「多様性を尊重したキャリアのつくり方」について話を伺ってきました!

※この記事を読むとこんなことが分かります☟

・女性の働き方、自分らしい最適キャリアのつくり方
・男女問わず「個の時代」に必要な働き方
・産休・育休など制度を利用してキャリアをつくる方法
・離職率を減らすために企業側に必要なことは?
・経営者・管理職目線で「女性を成長させるもっとも簡単な方法」


経営者目線×女性管理職目線で「本音」を語ってもらいました! 経営側も組織で働く人も必見です! 「これからの時代に必要とされるキャリア論」をチェックしてみてくださいね。



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Hyuga Pharmacy 株式会社
きらり薬局
代表取締役社長・黒木さん

患者さま利用者様が、自宅で安心して生活できる社会インフラをつくるために24時間365日体制の処方箋薬局を全国27店舗経営。日本初のオンライン服薬指導を実施。社会インフラのために『個を尊重して多様性を認める勤務環境』を導入。子育てをする方、家庭の時間を大切にしたい方、旅行好きの方など多様性を認める風土づくり、仕事とプライベートのバランス「ワークライフハーモニー」を実現できるように、勤務環境の向上に取り組む。

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グローカル姉さん
外資系3社経験を含めて、大手グローバル企業で働く管理職ワーママ。人材育成とキャリア支援及び相互尊重の組織風土醸成を担当。グローカル教育を提唱して広めるための活動も。グローバル=世界を同時に巻き込んでいく流れと、ローカル=地域の特色や特性を考慮していく流れの2つを組み合わせ、グローバル(世界)とローカル(日本)のいい所取りとしてグローカル」を提唱し、多様性を活かした視線の育成とキャリア相談を行っている。過去の女性キャリア相談は1500人以上。

「個を尊重する働き方」って実際はどうなの?“男性目線×女性目線”本音で語る理想と現実!

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はるな
本日はよろしくお願いいたします! 黒木さんが代表を務める“きらり薬局”では「女性が働きやすい環境づくり」を導入しているのですよね?

黒木さん
弊社では6年前に「個を尊重する勤務形態」を導入しました。創業当時は3人だった会社がおかげさまで、現在は全国27店舗、従業員数は300人に。そのうち7割は女性です。

はるな
7割が女性! まさに女性が活躍する職場ですね。どうして個を尊重する勤務形態を導入したのですか?

黒木さん
女性と男性を区別して考えるのは、好きではありませんが、現実問題として女性は面接の時点で「時短勤務はあるんですか?」と聞かれたりすることが多くて。女性にとっては、仕事だけではなく自分の時間、結婚後は家族の時間……と時間の割り振りが必要なわけですよね。そういった声をもとに「女性が働きやすい環境」をつくるようにしました。

現在は4つの勤務形態を取り入れて、それぞれの価値観に合わせたものを選択できるようにしています。(※以下、画像参照☟きらり薬局HPより)

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グローカル姉さん
いつでも形態を変えられるのは、結婚や出産でライフステージが変わる女性目線として助かりますよね。

黒木さん
女性の場合やはり結婚や出産も視野に入れているので一般論として「お金より時間」を大切にしている方が多いなと思います。男性は、結婚して子どもが生まれたら、その分さらに頑張るタイプが多いですよね。 
女性はライフスタイルがガラッと変わるので、今まで会社目線で仕事をしていたけれど「旦那さん目線、子育て目線」にフェーズが変わって働き方も変化していくなという印象です。

グローカル姉さん
育休や産休を利用するだけでは、正直、現状的に難しいという声も多いです。育休・産休後の働き方など多様に選べると、復帰率も上がりますよね。

黒木さん
そうですよね。育休や産休だけではなく、自分のスタイルに合う働き方をして欲しいです。経営者としては、正直「薬剤師の方は産休後も戻ってきて欲しい」という本音がありますからね。

うちはメーカーと違って小売りなので、24時間、365日対応。となると貴重な薬剤師の方が抜けてしまのは、ものすごく困ってしまう。新たに採用すると100万円近い膨大なコストがかかるので、女性目線で魅力的な制度を導入して、戻ってきてくれるとこちらとしても助かるわけです。実際に、産休・育休後に職場復帰してくれる女性も増えています。

はるな
働く女性にとっても経営側にとってもWIN-WINといえますね! 私の周りのママになった女性たちは「保育園が見つからない」という理由で離職してしまうケースも多いです。先日も地元の友達が保育園問題で職場復帰をあきらめたという話がありました。

黒木さん
弊社は「きらりミルククラブ」という保育費補助制度も導入しています。実際に認可保育園に入ることができないとなると、働いた分のお給料がすべて保育費になってしまうという女性の声も多い。3歳〜6歳まで補助金を出していて、その分、非認可で費用が高い保育園を使う方の負担を減らすことで復帰率も高めたいです。経営者としては、女性の復帰率を上げるために待機児童の問題も無視できませんよね。

グローカル姉さん
本当におっしゃる通りです。私自身は、実は専業主婦だった期間が2年あるんです。その生活が合わなくて(笑)、もう一度新卒で入った会社に戻る機会をいただいた後は、ずっと働こうと決めていました。

そして、実際に 約1年の育休を経て、今までずっと働き続けています。ただ育休直後は大変でした。 私が勤めていた会社は外資系企業なのでフレックスタイムを導入していて早朝~16時までなどフレキシブルな働き方をしていました。今はシングルなのですが、当時の旦那さんが一緒に子どもを見ていてくれていなければ、復帰も難しかったと思います。

はるな
実際に働きながら子育てをされている方の経験談は、大変貴重ですよね。想像しかできませんが、周りのママを見ていても大変そうだなと思います。

黒木さん
弊社は「患者さん・利用者さんが24時間365日、自宅で安心して生活できる社会インフラを創る」を理念に24時間365日体制なので、産休に入っても
その後に「自分に合う働き方」を選択できるようにしたい。

育児のためにパートを希望された場合、時給が安いと結局は働いても保育園の費用にしかならないので、仕組みを見直して「従業員みんなの給料を上げなくてはいけない」という課題もありますね。

グローカル姉さん
そういう体制を取っていて、ある意味、不利になってしまう男性やライフスタイルが異なる女性同士の中で不満が出たりすることはありませんか? 人事の経験から「未婚・既婚・子供の有り無し」で利用できる制度が違うと、不満を生み出すこともあったので……。男女格差ならぬ「女女格差」です。

はるな
女女格差ですか!(すごいパワーワード……女性の本音って感じがします)

黒木さん

それは確かにありますね。女性の方から「この会社はママになった女性には天国だけど、私には……」という声も正直言うと、あります。

グローカル姉さん
ある意味、個の時代になって「お互いさま」がなくなった分、産む人と産まない人の価値観の違いも無視できませんよね。
怖いのは、その不満を人事や上司にはぶつけずに、愚痴になってしまうことですよね。もしかしたら査定に響くのでは? と思うと上司には言えずに、裏でフラストレーションやストレスが溜まってしまう。人間関係や働き方にも悪影響が出たりしますよね。

黒木さん
その課題はありますね。結婚して出産するのが当たり前で「お互いさま文化」がない環境では、価値観の違いが原因で人間関係が悪くならないように。経営側が考えなくてはいけないところですね。

企業側としては、育休産休は必要な制度ですが、社員の方が「育休取ります」という状態になったときに、まずは心から「おめでとう!」と思うのですが……その瞬間から「穴埋めはどうしよう」という気持ちでいっぱいになりますよね。

グローカル姉さん
わかります! 本当におめでたいことですが、上司という立場になると産休・育休中のリソー ス配分や、お休み明けに「8時間労働を6時間で、時短にしたい」という希望に対しても「その数時間の穴埋めをどうするか?」になりますよね。

黒木さん
その間の穴埋めをしながら、その女性が戻ってくる居場所は確保しなければいけないので、経営者としては、業績を伸ばしていくしかないなと思っています。伸びれば、その女性の席を残しながら、現状働けるスタッフの方も成長できるので。

グローカル姉さん
産休・育休中に戻っていける居場所があるかどうか、を気にする女性はやはり多いですよね。

私は女性のキャリア相談を多く受けているのですが、ある意味では女性に厳しい目を持っています。ワーママになったばかりのときに、40代でママになった某大企業役員の女性のお話を聞きに行ったことがあって。その方はバリバリ働いてキャリアを積んだ方なのですが、その方に「自分で子供を産み、かつ働く道を選んだのだから」と言われて、気持ちが変わったんですよね。自分 から周囲に感謝を忘れずに、制度もうまく利用しながら「仕事も子育ても楽しまないと!」と厳しさも含めて、前向きに伝えています。

私が出産したのは18年前で、当時は会社の制度や支援も弱かった。だけど、今は制度が充実しているので、利用できる風土をつくることが求められますよね。実際には「有休があるけど取りにくい」「上司が休まないから休めない」という暗黙のあるあるが存在するのは問題ですが……。

はるな
実際に、有休や育休などを利用できている人は少ないという声もありますよね。

グローカル姉さん
有休消化率は年間5日とらせないと、会社側は罰金30万円という法律になったのですが「周りに気を遣って休みを取れない問題」などもありますよね。きらり薬局さんではどのような対策をしていますか?

黒木さん
有休を取ってもらいたいのですが、周りに気をつかって取らない人も多いわけです。労働時間をタイムカードでしっかりとチェックして、有給申請をしていない人には勧告しています。あとは、上司が休みを取らないと部下も気を遣うので無理にでも休んでもらう。

はるな
有休を取って、オンオフのバランスを取ることも仕事の一環ですよね。

グローカル姉さん
日本は「ワークライフバランス」という言葉でオンオフのバランスや働き方改革を推奨していますが、私が勤務していた外資系企業は「ライフワークインテグレーション」という言葉を使っていました。

欧米では「ライフ」がベースであり、バランスではなく「インテグレーション(融合)」なんですよね。だからワークライフバランスではなく、ライフが先のライフワークインテグレーション。ビジネスとプライベートは分けるものではなくて、上手く誘導して生き方を 豊かにするという欧米の考え方の方が、働きやすいと思います。

黒木さん
その言葉、すごくいいですね。弊社もそれに変えようかな(笑)。実際、ライフとワークを分けるというよりも「融合する働き方」の方が、時代にも合っていますね。

★前半まとめ☟
・男性は結婚して「さらに仕事頑張るフェーズ」に入り、女性は「お金より時間が大事フェーズ」に入りやすい!
・産休・育休後に復帰したくなるような魅力的な「勤務形態」を企業側が用意すると離職率が減る!
・これからの時代は「ワークライフバランス」よりワークとライフの良いところを融合する「ライフワークインテグレーション」の方が自分らしい最適キャリアをつくりやすい!


後半はさらに新時代に必要な「多面的な働き方」「個の能力を伸ばすために大切なこと」を掘り下げていきます!後半へ続く……☟


「ロールモデル」はもう古い?女性の管理職比率から考えるこれからの時代の“多面的”な働き方とは

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※記事後半を読むとこんなことが分かります☟

・なぜ女性の管理職比率は少ないの?(本音でズバリ教えてもらいました)
・自分らしい最適キャリアをつくるために「ロールモデル」はもう古い?!
・女性を職場で伸ばしていくために欠かせない「3つのき」とは
・多面性を活かして「個の能力」を伸ばす新時代のキャリア論


「3つのき」って何かご存知ですか? 気になりますよね……というわけで早速、チェックしていきましょう!

はるな
グローカル姉さんは管理職をされておられますが、女性の管理職比率についてどう思いますか?

グローカル姉さん
圧倒的に少ないですよね。そもそも女性の場合「管理職はやりたくない」という声も多いです。今は男性からもそういう声も聞こえてきますが、やはり、女性の方が多いという印象です。

黒木さん
法律でも企業の女性管理職を義務化しているのに、なぜ少ないと思いますか?

女性管理職の割合が注目されている背景には、安倍政権が経済成長戦略として打ち出した「2020年までに指導的地位(管理職)の女性が占める割合を30%に増やす」という目標があります(日本の女性管理職比率は以下参照☟)

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グローカル姉さん
理由はたくさんありますが、そのひとつとして女性管理職の先輩という意味での「ロールモデル」がいないこと。私はそもそもこの「ロールモデル」という言葉は好きではないです。完璧に真似をしなくてはならないイメージがあって……。

ロールモデルを作ると言うけれど、全く同じ人なんていない。ロールモデルにされた人は常に「モデル」を意識して自分らしくできない。
ロールモデルを見て学べと言われた人も自分らしいキャリアと離れてしまう。だから私は、相手の良いところから学んで自分らしい魅力を活かす「パーツモデル」推奨派です。

はるな
ロールモデルではなくパーツモデル! すごく素敵なお考えだと思います。恥ずかしながら、初めて聞いた言葉です……!

グローカル姉さん
ほぼ私の造語です(笑)。いずれにしても、女性の管理職の先輩がいないので、自分が第一人者になるのはプレッシャーですよね。 女性に「あなたは管理職に向いている」と声をかけても「私には荷が重い」となりがちです。

はるな
自ら申し出を断る女性が多いのですね……。なぜ女性にとって重荷になってしまうのでしょうか?

グローカル姉さん
事実、活躍している女性管理職の方が社内に1人、2人いたとしても子どもがいなくてバリバリ働くタイプの女性だとしたら、ワーママ的には「自分にはそぐわないポジション」と敬遠してしま いますよね。女性の場合は20代、30代で結婚・出産と色々なことを考えるので責任重大なポジ ションに関しては「NO」と応える人が多いです。 一般論ですが、女性は、自分を過小評価する人が非常に多いです。男性は過大評価しやすく、女性は過小評価する傾向にあるのも管理職の比率に影響が出ていると思います。

黒木さん
それは納得ですね。男性の場合は、過大評価というか「できるだろう」と過信で走ってみて、ダメなら後付けで「どうすればできるか?」という感覚で仕事している部分はありますよね。いい意味の過大評価ですが。

グローカル姉さん
そうですよね。女性は120の能力があっても、なぜか自分では60くらいと過小評価する傾向にあります。女性を職場で伸ばしていくには、どういうことを意識すればいいかわかりますか?

はるな
全く想像がつかないです……ご教授ください!

グローカル姉さん
女性を育成するには、3つの「き」です。期待を伝える、鍛える、機会を与える。男性管理職が女性部下を育成する際にこの3つが足りていないことが多いので、ここを意識するだけで能力がどんどん伸びて成果を出せるようになります。

はるな
凄い。その3つを与えてくれたら、期待に応えたいし、能動的に伸ばしていけそうな気がします! 

黒木さん
弊社は女性の薬剤師さんが活躍してくれているので、とても勉強になりますね。女性の育成の場合は、グローカルさんのような女性管理職の方がいるといいですよね。男性がハッキリ言うと、ハラスメントになってしまったりすることもあるので……。パワハラとか言われてしまう。

グローカル姉さん
もちろん言い方の問題もありますが、男女関係なく「信頼関係」があれば、問題ないと思っています。普段からコミュニケーションが取れていて、信頼が築けていれば注意を受けても「自分のために言ってくれている」と伝わるものなのでハラスメントにはならないかと。同じことを言っても「誰が言うか」で伝わり方が違うのは、信頼度が高いか低いかなんですよね。

黒木さん
確かにそれはあります。上司である前に、人間として信頼できるかどうかってすごく大事な部分ですよね。受け手だけの問題ではないですね。

ただ女性の管理職に関しては、そもそも「無理に作る」のもおかしい話だなって思うところがあります。山田太郎さんの障がい者支援など、無理に仕事をつくる理論と似ているところがあって。もし本人が望まないとしたら、無理にやらせる方がデメリットではと思うんですよね。もちろん本人が望めば話は別です。

というのも弊社は小売りなので、キャリア志向というよりも「働いていて楽しければいい」という感覚の方も多いです。上を目指すキャリア志向の押し売りみたいなものは、多様性を壊してしまうリスクもありますよね。

グローカル姉さん
そのお考え、共感できます。私はキャリア相談を受ける中で『キャリアは上だけじゃない』と伝えています。 管理職問題はさておき、上を目指すのはキャリアの一種だけで、横に移動したり、ライフステー ジに合わせて後退したりという選択も“正解”なんですよね。

私自身も、もともと寿退社しようとしていたけれど、専業主婦が合わなくて戻ってキャリアを積んだので、ひとそれぞれの働き方を見つけて正しいキャリアを築いて欲しいですよね。

はるな
グローカル姉さんご自身が管理職をされていて、大変なことはありますか?

グローカル姉さん
むしろ管理職は働きやすいです。フレキシブルで、時間に融通が利くから母親目線としても何かのときに柔軟性があって動きやすいです。あとは女性管理職が社内にいるメリットは「女性に対して意見しやすいこと」です。

私自身が子育てもしているからこそ、女性に対して「女性として、母として」という目線から男性管理職の人より“厳しいこと”も伝えられます。私が女性に言えば「子育てしたことないのに何が分かるの?」「女じゃないのに何が分かるの?」という逃げ口がないわけですからね。共感しながら前向きに伝えることができる。それこそ子育てをしている女性は「母親目線」でも育成できますよね。

黒木さん
女性管理職の場合は、男女関係なく育成できるというメリットがありますよね。男性も女性から言われたことの方が男同士よりも素直にすんなり入ることも多い。女性経営者が出てくると、もっと心強いですよね。現状、女性でバリバリ働いている方は「男性以上に働きます!」みたいなタイプの女性が多い気がしています。そこで男性とぶつかってしまうケースも多いですよね。

グローカル姉さん
それって実はもったいないですよね。私は男女それぞれの強みがあると思っているので、お互いの特性を最大化するためにも、見直したい部分ですよね。一案として女性管理職の方が男性と張り合うのではなく「女性が得意な部分」を活かせたらいいと思います。

黒木さん
女性管理職が必要というよりは「そこに行くための道もあるよ」と企業側が提示できればいいですよね。望めば出世もできるし、現場で働くこともできるよって。あえて現場にいたい人を無理に出世させる必要はない、頑張って上を目指す人に無理にワークライフバランスを強要する必要はないと思っていて、どちらが偉いとかもないですからね。

若手に対して「管理職になるのが一番偉い」と決めつけないことが、これからの時代に必要ではないかな。

グローカル姉さん
共感です。先ほどお話をした「ライフワークインテグレーション(統合する)」に通じますが、ライフorワークどちらかではないですよね。ライフがない人は存在しないし、ワークと分ける必要はない。その時々のフェーズに合わせていいところを仕事にも活かせると思います。独身、既婚、子どもアリと様々なステージのなかで、それぞれのいいところをビジネスにも活かして、ビジネスのいいところはライフに活かす「相乗作用」があったらいいですよね。

はるな
ライフとワークはバランスを取るというより「統合する」という価値観、素敵ですね。多様性(ダイバーシティ)を活かす働き方という点にもつながりますか? 

グローカル姉さん
日本で言うダイバーシティは、目に見えやすいものやわかりやすいこと……
例えば性別・国籍・宗 教や肌の色などに特化されている「多様性」ですよね。欧米の場合は「多面性」に近い感覚です。

 人は色々な「面(顏)」を持っていて、私であれば働く女性であり、管理職であり、家に帰れば 母親であり……と複合しています。母親として得たものを会社やビジネスにも活かしていく、その時々に必要な選択肢(カード)を増やして、多面的に活躍できたらいいですよね。

黒木さん
経営者としては、多様性を活かすために社内の人たちが福利厚生や産休育休制度を男女問わず「使いたいときに使える風土」をきちんと作っていくことが大切ですね。

そもそも女性が子育てをするという先入観にとらわれずに、男性がしてもいい。最近は仕事一貫ではなく、プライベートを充実したい男性も増えていますからね。弊社も勤務環境を選べるようにしているので、今まで女性が担っていた部分を男性が担当できる風土づくりも意識していきたい。患者さんや利用者さんに24時間365日、薬を届けられる社会インフラをつくるためにも女性だけ負担にならないように、男女問わず、働きやすい環境で支え合える風土を作りたいです。

グローカル姉さん
言いたいことを言えない風土になると、働きにくい環境になるので外部コンサルを入れるのも一案ですよね。前職の外資系企業は、他社のファシリテーターが間に入って社員に「匿名で社長への意見、上司への意見」を書いてもらい、それをまとめてフィードバックして社長に伝えるというシステムも導入していました。外資系企業はこのやり方を導入しているところが多いです。

黒木さん
僕的には気を遣わずに、思ったことは言ってもらえると助かるのですが。経営者も管理職の方も、自分のことでふてくされる程度では「そんなこと気にするくらいなら仕事はできない」と思っていますけどね(笑)。個人について言われたらグサッとくるかもしれないけれど、あくまで仕事の話や相談なら「すみませんでした、気をつけます」でいいのに。

はるな
そういう考え方の上司や経営者の方なら、何でも話せそうですね……。

グローカル姉さん
そう思える器の大きい方はなかなかいませんって(笑)。実際にハッキリ伝えると怒ったり拗ねたりする上司が多いです。そう考えると、部下からの意見は「個人への意見」ではなく「仕事への意見」と分けて考えられたら、ものすごく円満になりますね。

はるな
フィードバックはあくまでも「仕事」に対する意見やご指摘として、個人を攻撃されたと思わないことも大切ですよね! 

おふたりの本音を聞いていて「個を尊重した働き方」の問題と解決方法が「理想と現実」が理解できました。

今後、ビジネスマンは“キャリア”の捉え方は上を目指すだけではなく、ライフスタイルやフェーズに合わせて様々な選択肢を持って自分らしい働き方を選択する時代。経営側は働く人たちの多面性を活かしていくための風土づくりが課題になる……令和時代の働き方に必要な価値観についても学べました。ご経験に基づく貴重なお話をありがとうございました!


<おわりに>
最後までお読みくださりありがとうございました。今回インタビューにご協力いただいたおふたりはTwitterを通じてご縁を頂きました!

きらり薬局・黒木さんはご自身の経営に対する熱い想いと、ビジネス・経営・医療について役立つ内容とともに、ときに痛烈な発信をしておられます。医療問題に疎い私ですが、ビジネスへの向き合い方、仕事論などから学ばせて頂いております!

グローカル姉さんは「キャリアは上だけじゃない」という考えを提唱しながら、自分らしい生き方・働き方・キャリアに悩む全ての女性、男性管理職の方に役立つ発信をしています! フリーランスの私が拝見しても個の魅力を活かすキャリア論は本当に勉強になります。

新時代のキャリアのつくり方。それぞれのフェーズや価値観に合わせて自分らしい「個の魅力」を咲かせていきたいですね!

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