スーツだけでは、もう闘えない?! ビジネスマンに求められる『カジュアルファッションの重要性』とは? 男性と女性の“感性の違い”から読み解く~令和時代のビジネス戦略~【前編】
<はじめに>
最近ビジネスマンも休日は美術館に行き、感性やセンスを磨くべきだという主張を良く耳にします。しかし、絵画等に興味を持てない人も多いのではないでしょうか……。
そんな方の為に今回は最近Twitterを始められた一流のファッションコンサルタントの西岡さんに、センスの磨き方、令和時代のビジネス戦略についてお話を伺ってきました!
※この記事を読むとこんなことが分かります☟
・仕事ができてモテる人は何が違うの? 答えは“男性と女性の感覚の違い”にあった!
・カジュアルファッションがイケてるオシャレな人が求められる理由
・一緒に働きたい!と魅了するビジネスマンになるためにもっとも必要なことは?
(モテたい、仕事もデキる人になりたい……という方は必見! 別にモテなくていいけれど仕事がデキる人になりたいという、硬派なあなたも是非)
<西岡さんプロフィール>
株式会社ファッションスタイリストジャパン・代表取締役。クライアントの心に寄り添い、在り方や生き方、未来を見据えた戦略的コーディネート提案・ファッションコンサルタント(スタイリスト)。学生時代、服は売らずにコーディネートによる「体験」を売り、約4,000人のファンを獲得。15年間で3万人以上のコーディネート実績。セミナー回数は500回以上。繊研新聞、産経新聞、東京新聞、R25、日経REAL、ヒルナンデスなど各方面メディアでも活動。心理カウンセラー心屋仁之助さんをはじめとした数多くの著名人・経営者など10代~90代まで幅広い方のコンサルを行っています。Twitter@shinya_stylist
オシャレな人はモテる? 理由は“男性と女性の感覚の違い”にあった!
はるな
本日はよろしくお願いします!
ファッションに興味を持つきっかけは、男性の場合は思春期の「モテたい願望」からスタートするというお話をよく耳にします。
"オシャレだとモテる"というイメージがありますが「モテるモテない」は、そもそもなぜ起こると思いますか?
西岡さん
そうですね……僕は“オシャレな人はモテる”というのは、実はちょっと違うと思っていて、オシャレだからモテるわけではないと思っています。そもそも、オシャレって『思いやり』ですよね。
はるな
オシャレとは思いやりですか? オシャレだからモテるわけではない……?(一体、何を言っているのだろう……)
西岡さん
オシャレだとしても、相手に気遣えないファッションだとしたらどうでしょうか? TPOや相手の状況を考えず、高級ブランドでバキバキに固める人がいたとします。確かにファッションやブランドとしてはオシャレでも、相手の気持ちを一切考えずにコーディネートしたら、下手すると相手に不快感を与えることもあります。(※TPOについて詳しくは、以下のツイートを☟)
相手に対して圧迫感を与えて、緊張させてしまうなど、場にそぐわないケースもあります。ということは、自分本位だけのオシャレを追求したファッションはモテませんよね?
はるな
確かに……おっしゃる通りです。相手への気遣いが一切ない人は、どんなにオシャレをしていても魅力的とはいえません。(そういう人、いるよね。ギクッとする人いそう……)
西岡さん
ファッションは「相手に対しての思いやり」があって成り立つので「相手軸」です。実際には、相手を不快にしないこと、一緒にいて心地よいと思ってもらえるオシャレな人がモテるわけですよね。そこに“センス”が出るわけです。美しいものやオシャレに興味がある男性は「女性の感覚」を理解することが得意だと思います。
例えば撮り鉄(電車の写真を撮るのが趣味の人)が、自分の趣味だけを押し付けるのではなく“相手軸”も意識して、プラス「その地域の美味しいお店を知っている」「綺麗に写真を撮ってくれる」ってなるとモテると思います。
〈コモンセンス〉
目的や目標があった時に、自分に何かを与える(Give)と「楽」しいを感じることができる。それはある意味で自己満とも言えるオタク状態。そこでもし、余裕が生まれた時に相手軸で"+α"で思いやりから何かを与える(GIVE)と「生」を感じることができる。
(例)
・電車を撮る➡楽しい
・電車を撮りながらおしゃれなお店を開拓して相手に紹介してみる
➡モテ、生きている喜びを実感する
〈ナンセンス〉
ただ、与える行為(Give)ではなく、何かを自分に求めすぎてしまうと「苦」しいという感情になって自分の首を絞めてしまう、それを相手に求め出すと「滅」してしまう。それが執着や無関心に繋がっていく。
(例)
・最近写真を撮りに行けないのは仕事のせい➡苦しい、イライラ
・最近忙しいのは友達(相手)のせい➡喧嘩、滅してしまう
最初は自分を満たしても良い、様々なことを知り、確かめて、少しずつ相手軸に意識を変えていくことが『センスの良さ』に繋がる
(☝図解参照)
はるな
自己満で完結したら、モテには繋がらないというわけですね! センスの良さは相手軸……。(ファッションの話のはずが、ものすごく深い話になってきた……ヤバイな西岡さん)
西岡さん
男女の感覚の違いも重要ですよね。女性は一般的に基本ベースで「美」に関心を持っていて、美しいものを見ると「心地よさ」や「快」を感じるものなので、女性にとってオシャレは「相手との共通感覚」ですよね。オシャレをすることで相手と感覚をシェアできる部分があります。
はるな
おっしゃる通りですね。一般論として多くの女性たちは美しいものを見ると心地よさを感じるし、美しくなろうと自分磨きをすること自体も楽しめる方が多いと思います。
西岡さん
ですが、男性は「美」に対して心地よさや「快」の感覚が起きにくいです。むしろ苦手な人が多い。もちろん全ての男性に当てはまるわけではありませんが、8割の男性はロジカル思考や機能性、費用対効果(コスパの良さなど)を求めます。
それに対して大半の女性は「感性」に響くものを求めますよね。美しい花やドレスを見て「素敵だな」と心地よさを感じるものじゃないですか。
デートのときに「これはお得だよね」「この店はコスパがいいよね」とか言うと「そういうのやめてよ」と女性に怒られるのは、その発想がロジカルでロマンチックじゃないからですよね。
はるな
そうですよね、割引クーポンをデートで使う、サイゼリアはアリかナシか問題みたいな……。別にアリという女性もいますが、ロマンチックなものに弱い女性は多いですよね。
ウェディングドレスを1回着るだけで50万以上するのは「高い」と理論的に感じる男性と、人生に1回だからこそお金をかけたい! とロマンスを感じる女性の違いってことでしょうか?
西岡さん
そうですね。男性は理由なくオシャレを楽しもうとする人は少なくて、ファッションもロジカルに、機能性などを見て「闘うツール」としてお金をつかいますよね。スーツは鎧、時計は刀……みたいに考えて、仕事やモテに関連すると“道具”として、こだわるようになります。
目的意識がないとオシャレをしない。でも女性は、美しいものを見たり着たりするだけで心地良いし、目的はなくても夢を見るためにお金をつかってファッションを楽しめるという違いがあるんですよね。
はるな
男性にとってファッションは闘うためのツールですか……。(それにしても時計は刀っていう比喩は凄いな……)そういう面ではビジネスへの影響もものすごく大きいですよね!
これからの時代、ビジネスにおいて「カジュアルファッション」が求められる理由
はるな
これからの時代、ファッションからビジネス戦略を考えていくことも大切だと思いますか? 西岡さんはスーツだけではなくカジュアルファッションが武器になると考えていらっしゃるのですよね?
西岡さん
まさにその通りで、スーツだけではなく「カジュアルファッション」がなぜ大事か? と考えると、闘うツールとして「プライベートの充実加減」がカジュアルファッションに顕著に現れるからです。スーツはビジネス、カジュアルはプライべートという感覚が一般的にあると思うのですが、仕事ができる一流の人たちはいい意味で「オンオフに境目をつけない」ものです。
カジュアルファッションがオシャレだと「プライベートも楽しんでいる人」っていうイメージになります。
はるな
確かに、オフの日のスタイルがカッコいいと、プライベートが充実していそうな気がします。(スーツはカッコいいのに、オフの日に私服が超絶ダサいと「仕事しか楽しんでいない人」みたいな印象になるかも……)
西岡さん
例えば、世界で活躍するビジネスマンや僕の周りの敏腕経営者の方々は、カジュアルファッションを重要視しているのですが、近年は「仕事がデキるだけの上司」ではなく「プライベートも大切にしているデキる上司」が注目されています。
仕事だけがデキる上司と、プライベートも充実していて楽しそうにイキイキと仕事している上司だったら、明らかに後者に憧れるものですよね?
はるな
おっしゃる通りです。スーツだけではなくカジュアルファッションがイケてると、プライベートも充実しているって伝わってきます。仕事も趣味も家庭も上手くいっているイメージ。(上司にしたい人ランキングNo,1に選ばれそうなやつ!)
西岡さん
今どきの会社員は「福利厚生」なんかよりも「プライベートまで楽しくしてくれるリーダー」「人生を豊かにしてくれる上司」を欲していると思うんですよね。
そういう意味でカジュアルフライデー(毎週金曜日はカジュアルファッションで出勤)などの取り組みは、ものすごくいいですよね。そこでセンスが良くてオシャレな社長や上司だと「プライベートが充実していて、カッコいいな」という認識から「そういう生き方ってカッコいいな」と仕事とプライベートを直結してあげられる。相手の頑張りにもつながります。
はるな
そんな目線でカジュアルファッションを見たことありませんでした。(というか西岡さん以外いないのでは……?)
西岡さん
仕事を楽しいものに変えてくれる、やりがいを与えてくれる、オンオフの境目が気にならないほど充実した生活を送らせてくれる上司がいたら、それだけで「ついていきたい!」って思うじゃないですか?
はるな
なりますね。ビジネスもプライベートも充実している人は魅力的だから、この人みたいになりたい! 男女問わず「一緒に仕事していきたい」と惹かれます。
西岡さん
一緒に働きたいと周りを惹きつけるために、もっとも必要なことだと思います。周りの人たちに、いい意味で「目的・目標」を持たせてあげる。プライベートとビジネスを充実させて繋げてあげられる。そうやって相手に「目的」を意識させられるビジネスマンは強いですよね。そうやって、相手の価値を“拡大”してあげられる人は求められます。
これって実は、家庭や恋愛でも同じことが言えて。奥さん・旦那さんやパートナーの価値を拡大させてあげる人からは絶対に相手が離れません。浮気の心配をして束縛なんかするよりも、断然効果があります。
はるな
束縛されたら、逃げたくなりますよね。なかには束縛を喜ぶ人もいるけれど(笑)一般的には逃げるはず……。
西岡さん
そうですよね。仕事の話に戻すと、上司は社内では「憧れられる存在」でいることが大切です。そのためには「プライベートの充実」を見せることだと思っていて。オフの日の在り方が出やすいカジュアルファッションはまさに、プライベートとリンクするわけです。しかも、家庭を持っている場合は奥さんと子どもからもカッコいいと思ってもらえる。会社でも素敵な上司や社長だと思ってもらえる。
はるな
西岡さんのようにカジュアルが得意だと、ビジネスもプライベートも充実していて「生き方がカッコいい」というイメージですよね。男女ともに憧れられる気がします。(だから根強いファンもとい"コアなファン"の方がいるんだろうな~)
西岡さん
ありがとうございます! これからの時代、仕事とプライベートの充実が必要。ビジネスマンはスーツだけではなく「カジュアルファッション」の着こなしが求められると思います。
はるな
仕事だけ充実、という価値観からプライベートも充実した働き方が評価される令和時代はビジネスシーンでも「カジュアルファッション」が注目されますね! ファッションはただ着るだけという浅はかな考えでしたが、生き方や周りの人にも多大な影響を与えるツールなのだな~と価値観が変わりました。(西岡さんのファッション論、奥深すぎます……)
<おわりに>
男女の感覚の違い、カジュアルファッションの必要性についてビジネス的な視点からお話を伺いました。ファッションってただ着るだけではなくて、ものすごく深い哲学的なものなのですね……。
次回はさらに西岡さんのぶっとんだ奥深い観点から「令和時代に必要なビジネス戦略」「センスはどうすれば磨けるのか?」を掘り下げていきます!
後編は……
・ファッションがもたらす“家庭内”及び“ビジネス”への影響
・センスは磨けるものなのか?どうすれば磨けるのか?
・高いものを身に着ければ良い、というわけではなく「在り方」が大切
最後までお読み頂き、ありがとうございました。※後編はこちら!
【お知らせ】
ファッションという言葉の枠を超えて、人生の物語を提供する「服を売らないスタイリスト」である西岡さん。インタビューは書ききれないのが残念ですが……ファッションという枠をはるかに超えた目線から”実生活・恋愛やビジネスで役立つ話”をたくさん聞かせていただきました! そんな西岡さんが理想のビジネスや生き方など「ひとりひとりの物語づくり」にファッションからコミットする全く新しいファッションセミナーを開催します!
セミナー内容は……☟
・洋服のコーディネートによる、他者への知られざる影響について
・センスを身につけて、他者に対するセルフイメージを上げる方法
・先輩と後輩、上司と部下、経営者と社員、彼氏と彼女・夫婦間など全ての人間関係を解決する方法
ファッションの話だけで終わらない、人生まるごとの”センス”を磨ける貴重な内容です! 是非みなさまも、ファッション界の異端児・西岡さんの『180度考え方が変わる至高の世界観』をお楽しみください!
第1回はすでに満席になり(凄いです……)
次回9月22日(日)15時~17時開催です!
詳しくは下記をご覧ください!☟
ファッションに興味がある方も、ファッションにはあまり興味がないけれど知的好奇心を満たしたい、人生をもっと豊かにしたいという方にもオススメです☺